「…ロイお兄様だ」
反対側の廊下、ルイスとロイが歩いているのが見えた。タイミング的に、この後ハーレムの1人であるミル・アーシャという、光と雷属性の男と会うはずだ。
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「ルイス、どこに行くの?」
ルイスの横に並び、歩きながら聞く。
「ロイは光魔法が苦手だったよね?」
「うん」
キョトンとして、頭を傾げる。
「…私の知り合いに光魔法が得意な奴がいるんだ、お節介でなければ教えて貰って欲しい」
目を逸らし、心配そうにロイの反応を伺うルイスの手を取って握り、ニコリと笑って喜ぶ。
「本当?ありがとうルイス!」
お礼をされたルイスは顔を赤らめて微笑んだ。
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「あんまり教えるのは上手くないんだぞ?」
腰に手を当て、ため息を吐いたのはミル・アーシャだった。
「はい!大丈夫です」
「ロイに触るなよ」
「はいはい」
ギロリと睨むルイスをミルは軽く足らう。
ロイはミルに教わり、光属性の幻術をみるみる吸収していく。光のコントロールのしかた、幻覚の見せ方。聖人の治癒に関しては、ミルは知らないのでそこはロイ自身が見つけるしかない
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「で、できた!」
「飲み込みが早いな、ロイは」
「ミル先輩が教えるのが上手なんです、ありがとうございました!」
「お、おうありがとうな…」
ズキューン!
ミルはロイの笑顔に心を奪われた
顔を赤らめ、ニコニコと笑うロイの頭を1度撫で、ススス…とルイスに近づく
「…なぁ、ルイス」
「なんだ・」
「ロイの仲間に入れてくんね?」
「……はぁ!?」
目を丸くしたルイスが驚きで声を上げた
「頼むよ!ロイを護ってやりたいって思ってさ」
・
・
・
顎に手を当て、唸りながらルイスは悩んだ
「そんな悩むか???」
「はぁあ…ロイを守るに当たってアーシャの力は必要か…分かったよ」
「サンキュ!」
ミ ル が 仲 間 に な っ た !
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次に会うのは、ロイド・シーシア。
ルイスに生徒会に勧誘され、入ったら会計である水魔法と風属性の属性を持ったロイド・シーシアに気に入られる。
彼は勉強ができない人間が嫌いだが、馬鹿でも、勉強熱心な人は嫌いではない、ロイドはロイの笑顔と勉強熱心さに堕ちた。
「ロイ・メルーデルです!風紀員としてよろしくお願いします!」
綺麗に礼をして、挨拶をしたロイに生徒会生が歓迎して拍手を送る。
「生徒会長であるルイス・サムール・レイートだ、歓迎するよロイ」
「会計であるロイド・シーシアです。」
「よろしくお願いします!」
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とある日
「シーシア先輩、ここの魔法陣ってこれでいいんですか?」
またとある日
「シーシア先輩!先輩のおかげで90点取れました!」
「よくやりました、それと僕のことはロイドで構いません」
「分かりましたロイド先輩!」
数日、ロイはロイドに勉強を教わり結果を残した。そのロイの笑顔と熱心さに堕ちた。
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シャルロット__
魔道大会が近づき、そろそろ決闘を申し込まれる日が近づいてきていた。今のところ、3人に目をつけられてはいないし、決闘を申し込まれないと思いたい。
「ルイス、ミル、ロイド、この3人に決闘を申し込まれたらどう対処するか考えよう…」
「されないようにもしないといけないしね」
「そうだな…まず魔道大会前にはなるべく会わないようにしよう。」
2人して顎に手を当て、唸って首を傾ける。
「…シャルロットが決闘を申し込まれたのは、シャルロットがロイを虐めてるって噂が流れてて、それを信じた4人が申し込んだんだよね。」
「うん、でも今はそんな噂が流れてないから違う理由を流されない限り避けられると思う。」
「それまでは大人しくしてよう」
「うん」
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話しかけられる以外でロイには比較的近づかず、怪しい行動はしないように徹した。
そこからは、魔道大会前の決闘が申し込まれる日当日までは無事に日常をすごした。
魔道大会前日。教室はソワソワとした空気で溢れていた。
魔道大会: 他国の学園で代表者が選ばれ、属性を使い闘う学園対戦闘が本来のイベントで、生徒同士の正当な決闘を行うことも出来る。
「お前らってもう結婚した?」
「それとも婚約?」
そんな魔道大会のソワソワした空気の中、場違いな質問をしてくるおバカな連中もいた。
「結婚はしてないよ婚約も…」
「付き合い始めたけどね〜♡」
語尾にハートがついてそうな甘い声を出しながら、シャルロットの腰を抱き寄せ、頭を寄せる。すると、それを尋ねてきた生徒、他生徒も此方を見て、顔を青ざめた
「まだそこだったかあーーーっっ!!!!!」
「賭けに負けたっっ」
ルカとシャルロットが婚約したか、結婚したかで賭けていたらしい。
(俺らで賭けるな
(もっと魔道大会に興奮しろよ、どこ気になってるんだ…
さすがに突っ込みざる負えなかった、内心留めたことにを褒めて欲しいくらいだった。
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色々なことがあったがこのまま無事に行けば決闘を受けずにすむ。そう思いながら、食堂に向かうために廊下を歩いていた_____
_______綺麗なフラグでした。
「決闘を受け入れろ、シャルロット・ウィル・メルーデル」
手袋を投げたミルの後ろにはロイドとルイス、ロイもいた。
「それは出来ません。」
手袋を投げられ、固まっているシャルロットの代わりに、ルカが前に出る。
「ミル先輩!シャルロットはそんな事しません、決闘なんて、辞めてください!」
ロイがミル先輩の服を摘んで必死に訴えていた。
そんなロイにバツが悪そうにミルは口をむぐ、とさせるが、1枚の新聞を取り出し、シャルロットに見せた
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校内記事
シャルロット・ウィル・メルーデル
《聖人様に虐め》生徒に命令をし、聖人を虐げたさせた?
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「え…これだけ?」
思わず声を漏らす。信頼性の無い事で有名の校内記事、それにたったの数文で、疑問形
(…これだけで決闘…?クラスの誰も、何も言ってなかったけど…
なんなら賭てたし…と思いながら、ぼぅ、とする。
「…決闘を受ける受け無いは、俺達が決めることだ、お前には関係がないだろう」
「…は?」
ルカは冷静に断っていたが、関係ない。が気に触り、いつもより低い声で、ミルを睨みつけた。
「関係ない…?へぇ、恋人が理不尽な理由で決闘を申し込まれてるんですよ?」
「それを関係ないって言われたくありませんね」
「は…お前ら付き合ってんの?」
ミルは驚いた様にシャルロットとルカを交互に見て、口をポカンと開けた。ロイドは少し驚いた様な表情になったが、すぐに真顔にもどった。ロイは顔を赤らめていた。ルイスはそっぽを向いていて、表情は見えそうにない。
「はい、付き合ってますよ。」
「シャルに用があるなら俺を通してください」
にこり、と笑いながらシャルロットの腰に手を回した。
「…決闘を取り消す気は無い」
「はぁ、そうですか…」
「なら俺とシャルロット、2人で相手します。」
その言葉に目をを見開き、ミルは声を上げた。
「なっ!」
にこりと微笑みながら言葉を続ける
「もちろん其方も2人でいいですよ、俺達2人は確定で、其方は自由に決めてください。」
メガネを指で上げ、ロイドが前に出る
「いいでしょう、その要件飲みます。ロイド・シーシアとミル・アーシャが御相手します」
「おいロイド!何勝手にっ!」
「うるさいですよ。」
会話が終わった。ロイはシャルロットに謝りながらルイスに連れていかれた。
「はぁ、勝手に決められた…」
「うーん…ご飯とおやつ付き」
パッと笑顔になり人差し指を立て、上へ指しながら言う。シャルロットは意図を理解した
「…もう一息」
「デートと添い寝〜?」
「ルカがやりたいだけなやつじゃん…」
「えー?ダメ?」
「…はぁ、いいよ」
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9話 エンド 12⁄2
コメント
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とても面白いですよ!応援してます!(՞ ᴗ ̫ ᴗ՞)ꔛෆ♡*゜