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私は”主夢”!”主”が苗字で”夢”が名前ダヨ!
…うん。自分が”夢主”であることを体現してるな。名は体を表すと言うけどもここまで露骨だとちょっとオモロい。これから”主”って呼ばれるワケね。把握。クラスは3-B。ん?3…B……?
「勝った」
これは勝った。だって3-Bには丸井仁王とかいう夢女(私)が大好きな2人がいるじゃん。私は常々「3-Bになりたーい!2人の絡み間近で見てニチャニチャしたーい!」と言ってたけど実現するとは……。神。
で、テニス部のマネ、と。マネ=夢主というのが定石だしやっぱここって夢小説の世界だよなぁ…。頼むからプラスであれ。マイナスはちょっと…ねぇ?あ、でもそれはそれでアリ……。というか誰夢?立海は確定としてさっき通話した幸村くんか?いや、同じクラスの丸井か仁王?わからん…。実はいわゆる”愛され系”だったり?逆ハーってことは…流石にないか。ないでしょ。ま、全王子様を愛してるので誰でも歓喜するんですけども。
にしても高校卒業して即中学に戻るとは…。義務教育に逆戻りするなんてね。中学からもう1回遊べるドン!明日から学校か。思い出せた記憶を元に、違和感がないように王子様達に接しなきゃ!
朝が来た。
結局昨日は興奮してほとんど寝れなかった。変な時間に寝起きしてたから当然っちゃ当然か。
鏡を見ると立海の制服を着た自分がいる。マジで立海生になったんだな。私。
朝食やら準備やらを済ませて外に出る。今日はというか朝は大体練習があるらしく通常より早めに家を出なければいけないらしい。
そういや私の名前”主夢”か。表札に”主”と1文字だけ書かれてるのシュール過ぎるな。まじまじと表札を眺めていると後ろから声をかけられた。
「おはよう。もう体調の方は大丈夫なのか?」
「へ?」
お、お主は…!
「柳………!」
お迎えに来たってコト!?うそーん!どういう関係!?ねぇ?どういう関係なの!?ピか!?彼ピッピなのか!?
落ち着け。私にはこの世界で生きてきた約15年間の記憶がある。その記憶を辿れ。さすれば道は開かれん……。はっ!思い出した!確か私の家が通り道で時間が合えば一緒に登校してたんだ!そしてピではない!チッ!期待したのによぉ…。
「どうした?大丈夫か?」
「あ、え、うん、全然大丈夫!心配かけてごめん」
「構わない。あまり無理はするなよ」
今まで通り。普通に接する。できるできるできる………
いや無理〜!!!だって私の目の前にいてしかも話しかけてきてるのあの柳蓮二なんだも〜ん!!!今にも大型犬みたいにハスハスしちゃいそうなのにさ…。
ダメだ…抑えろ!抑えろ!う、上手く笑えてるかな…。油断するとニチャアってなりそうで怖ぇ……。そんなことしたら絶対引かれる…何としても避けたい!
「ところで主」
「な、なに?」
急な主呼びに若干反応が遅れたな…早く慣れなきゃ。つーかまつ毛長っ!ホントお顔良いわぁ…死んだ甲斐あったな。というかこれ前見えてんの?実物を見ると思いのほか目閉じてる…。
「以前お前に貸した本のことだが…」
ほ、本?貸してもらった?え?何の本?
「どうだった?」
感想を求められてる系ですよね!?
必死に記憶を思い起こして最適解を探す。借りた…わ。本。ちょっと前に。というか本を貸し借りする仲でもあるのね!脈アリなんじゃ…いや流石にそれはないか。
「面白かったよ!心理描写が緻密で…伏線の回収も丁寧で良かった。貸してくれてありがとね」
多分これで大丈夫…なハズ。
「そうか…なら良かった。お前が好きそうだと思ってな」
フッと笑った…よね?喜んでもらえたからセーフだよね?
キラリラリン♪
えっ!?今謎のキラキラSE聞こえたけど!?女児アニメとかにかかってそ……ん?
え…なんか見える!?急にお顔面の横にハートのゲージが!!しかも増えたし!
これは…ドキサバで見たやつ!!!?なの?デザインは似てるけど。ってことはこのゲージがいっぱいになれば……うおおおおお!可能性見えてきた!順調に行けばピになるのでは?激アツじゃん!
ひょっとしたらさっきの感想言うのって1種の選択肢だったのかな?ゲームなら何個か出てきたやつから選べばOKだけど…ここでは自分で考えなきゃいけないってワケね。理解。
「うん。私、ああいうの好き。あ!明日返すね」
ゲージの進み具合は悪くないし…なんなら割と好かれてないか?このまま好感度上げ続ければ…へへっ…へへへっ……。
「どうした?そんなにニヤニヤして?」
「ンンッ…!?いやぁまぁちょっとね…あはは……」
ヤバっ!ニチャッてるの見られた!今ので誤魔化せたかな?転生しても中身はキモオタ据え置きだからマジで気をつけないと。システムはなんとなく理解出来たし…さぁ、油断せずに行こう!
細心の注意を払いつつ、なんとか会話を繋げる内に目的地に着いたらしい。
おぉ!ここが立海大附属中か〜。自分がページや画面越しに見てた場所にいるのすごいな。感動しちゃうぜ…。
「あ、主さん」
その声は…!
「幸村くん!」
お声は昨日聞いたけど実物はもっとすげーや!儚げな美しさがこう…ねぇ?すげーや。
「昨日は電話くれてありがとう」
「いいよそれくらい。元気そうでよかった」
みんなすごい私のこと心配してくれるな…これが夢主パワー…。
「あ、真田」
え?真田ってあの真田だよね?「たるんどる!」を唯一常用している15歳の真田だよね?いるの!?まぁ、いてもおかしくないか。よし…心を閉ざせ!このままじゃキャー!が出てしまう。これはミュの客降りとはちげぇんだ。今やったら間違いなく変質者・挙動不審・ヤベー奴になっちまうからさ…。閉ざせ!閉ざすんだ!
「幸村、柳。おはよう。む、主もいたのか」
「っ……!」
ヤバいヤバいヤバい!口から変な声出るとこだった!でもギリ喉元で抑えた!セーフ!
「大丈夫か?」
「まだ調子が悪いんじゃ…」
「あーっ!大丈夫だから!ごめん」
咄嗟に口元抑えたらそりゃあ体調不良だと思うよね…。マジごめん。にしてもみんな私のこと気にかけてくれる…!身に余る幸せ……。そして三強揃ってるのマジすごい…死の直前に見たい光景1位。いや私の場合実際は不二くんのアクキーだったんですけどね。
これがホントの死ネタってヤツさ☆……うん、朝練頑張ろ。