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-車内-

リムジンの中は相変わらず賑やか…。そんな中隣に座っている桃瀬さんが私の顔を凝視している。

 

「花月…。」

「どうしたんです…?」


「あのさ、僕とテストの勝負しない?」

 

「勝負…?」

「全教科の総合得点、高かった方の勝ち。負けた方は勝った方の言うことを聞くの。」

 

「言うことを聞くって例えば…?」

 


そういうと奏が顔を赤くして私の耳元で囁く。

 

「もし、僕が勝ったら……デートしてよ…。」

「デート…?」

 

「え!?」

 

皆が一斉にこちらを振り向く。私も驚きで皆のほうを向いてしまった。

 

「デートって何かしら、花月チャン?」

「花月と賭けをするんだよ~。もし僕が勝ったら花月にデートしてもらう。」

 

「あの……私いいなんて言ってな…。」

「花月は、僕のこと嫌いなの?」

 

うっ…桃瀬さんのうるうる攻撃…。デートが何なのか分からないけれど、こんな捨てられている子犬のような目をされたら嫌とは言えない。

 

「私が勝ったらデートしなくていいんですよね…?」

「うん!まあ、勝つのは僕だけどね。」

 

テストにはこんな賭けがあるのか…定期テストって大変だ……。

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