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――翌日
高校のある今日は、放課後 遥大と直接話し合うことにしている。
これが初めての「直接会議」だ。
旅のことを考えていると 授業に集中できず、何度も怒られた。
だがそんな事どうでも良かった。
――授業終わり
俺は屋上に向かった。
秘密の待ち合わせ場所なのだ。
階段を上っていると、上に遥大が居ることに気づいた。
だいぶ先に来ていたようで。
どうやら何かの本を読んでいるようだ。
俺が階段を上がり終えると、俺の気配に気づいた遥大が近づいてきた。
「よう、拓磨!」
「おう。お前は相変わらず元気だな〜」
「お前もな笑」
そんな会話をしつつ、話題は旅の方へと移っていった。
「で、だけどよ」
「今日やりたいことは、宿の予約、行く場所と持って行く物とかの決定ってところ」
「なるほどな…」
まず行きたい場所について話し合うことに。
「えーっと、行きたい場所あるかー?」
「唐突だな、そんな急に言われてもなぁ…」
「んー……」
遥大は頬杖をついた。
何か本気で考えている時のお決まりポーズだ。
―――すると
「その旅、うちらも参加させてもらっていいですかー?」
後ろの方から、突如女の声が聞こえてきた。
途端に振り向くと、そこには見知らぬ女が二人並んでいた。
そこで遥大が声を出す。
「……あの、誰ですか…?」
「あー、うちらですか?知らないか、同クラだけどね」
女はそう言って自己紹介を始めた。
二人は親友同士で、「桜月(さつき)」と「万梨(まり)」と名乗った。
同じクラスらしいが、聞いたことの無い名前だった。
というか顔すら見たことも無い。
まあ、高校自体の人数が多いから、一人ひとりに注目しない限り分からない事もあるだろう。
「でも、なんで俺達のとこに?」
「それは……なんか、話してることが面白そうだったからだよ」
「あと、普通に話してみたいなーって思っててさ」
「つまり、俺達がイケメンだったってことで良いか?」
「遥大お前調子乗りすぎだろ」
「ハハハww」
「えー、まあそれは置いといて…」
「君ら、ずっとさっきの話聞いてたってことか?」
「うーん、まあね笑」
「やば…っ」
「まあさ、一旦入れてもらえるか聞きたいな」
そう、彼女たちは俺達の旅に参加したいらしい。
一緒に出かけたいんだそうだ。
俺は正直迷った。
二人だけの旅だと思っていたが、そこに二人も増えると内容も変わってくる。
俺達“だけの”旅か、俺達と“仲間の”旅か___。
ここは重要な選択肢だ―――。
……だがそう思っていたのは俺だけらしい。
遥大が真っ先に答えたのだ。
―――一緒に行こうと。