テラーノベル
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[夜・23:45ハルの部屋]
ハルのスマホが震える。画面には「レン」の文字。
ハルは嬉しそうに、ビデオ通話のボタンをタップした。
ハル
「レン!お疲れ。バイトやっと終わったんだ?」
画面に映ったレンは、どこか薄暗い部屋に座っている。
表情が少し硬く、じっとカメラを見つめていた。
レン
『……うん。今、自分のアパートに戻ったところ。ハルの声、聞きたくなってさ』
ハル
「ふふ、何それ。珍しく素直じゃん。……でも、なんか部屋暗くない?電気つけなよ」
レン
『あ、これ?……スイッチの調子が悪くてさ。……それよりハル、今日ずっと誰かに見られてる気がするんだ』
ハル
「え? ストーカーとか……? レン、イケメンだから心配なんだけど」
ハルは冗談めかして言ったが、レンの目は一切笑っていなかった。
画面の向こうのレンは、またじっとハルを見つめる。
レン
『……本当に、視線を感じるんだ。部屋の中に、誰かいるみたいな』
ハル
「ちょ、ちょっとやめてよ。ホラー苦手なの知ってるでしょ? 一人暮らしなんだから脅さないで」
レン
『脅してないよ。……ほら、今も。……俺の、すぐ後ろにいる』
ハルは思わず息を呑んだ。
画面を凝視する。
暗いレンの部屋。レンの背後には、閉まったままのクローゼットが映っている。
そのクローゼットの隙間から。
白い、人間の指のようなものが、じわりと這い出てきているのが見えた。
ハル
「ッ……! レン! 後ろ! クローゼットのところ!!」
レン
『……後ろ?』
レンは振り返らない。ただ、じっと画面(ハル)を見つめている。
クローゼットの隙間が、ゆっくりと広がっていく。
中から現れたのは、髪の長い、顔のパーツが歪んだ「何か」だった。
それは音もなく、レンの背後にぴったりと張り付いた。
ハル
「レン、逃げて!! 後ろに誰かいる!! お願いだから振り返って!!」
ハルは半狂乱で叫ぶ。
しかし、レンはピクリとも動かない。
それどころか、レンの口元が、不自然なほど左右に大きく吊り上がった。
レン
『……知ってるよ』
ハル
「え……?」
レン
『だって、俺が欲しかったのは、これだもん』
画面の向こうで、レンの背後にいる「何か」が、長い腕をレンの首に回した。
レンはそれを拒むどころか、愛おしそうにその冷たい手を自分の頬に添える。
レン
『ハル。俺、ずっと生きてる人間に興味が持てなかったんだ。……ハルのことは好きだけど、物足りなかった』
ハル
「な、に言ってるの……? レン、おかしいよ……」
レン
『これ、すっごく冷たくて気持ちいいよ。ハルも、こっち側に来なよ。……あ、もうすぐ着くって』
ハル
「え……? 誰が……?」
その時。
ハルの部屋の、玄関のチャイムが鳴った。
ピンポーン。
深夜の静寂に、鋭い音が響き渡る。
レン
『ほら、迎えが行った。……画面ばっかり見てないで、早くドア、開けてあげて?』
スマホの画面の中で、レンと「何か」が、全く同じ歪んだ笑顔でハルを見つめていた。
ハルの部屋のドアの向こうから、
ゴトゴト、ゴトゴト、と、何かが激しく扉を引っ掻く音が聞こえ始めた――。
コメント
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めっちゃゾクゾクした…!!😱💦 ビデオ通話越しに迫る“何か”の演出が怖すぎて、スマホ握る手が震えたよ…。レンが突然「知ってるよ」って歪んだ笑顔になるシーン、背筋が凍った🥶 最後のチャイム&ドアを引っかく音で終わるのも凄く効いてる…続きが気になりすぎる!! 萌夢。さんの描くホラー、雰囲気抜群で最高です…✨ 次話も楽しみにしてるね!!🌸