TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

霧に消えた証言

一覧ページ

「霧に消えた証言」のメインビジュアル

霧に消えた証言

3 - 第二章・閉ざされた証拠

2025年09月09日

シェアするシェアする
報告する

翌朝、霧はまだ街を包んでいた。館の中は昨夜の事件の緊張感が残り、誰もが口を閉ざしている。相沢はゆっくりと現場に足を踏み入れた。

霧島翔が倒れていた広間は、昨夜と変わらず静まり返っていた。しかし、相沢の目は鋭く細部を追った。

・床には凶器らしきものは一切落ちていない

・扉も窓も内側から施錠されていた

・壁や窓ガラスに指紋は残っていない

相沢はメモ帳を取り出し、頭の中で可能性を整理する。

「密室……侵入者なし、物理的に外からの犯行は不可能。となると、内部の誰か…もしくは巧妙な偽装か」

その時、彼は小さな手紙片を見つけた。霧島の手元にあった紙の端が、わずかに床に落ちていたのだ。読むと、文字は乱雑で読みにくいが、意味深な内容だった。

「今夜、すべての秘密が明らかになる。誰も信じるな」

この手紙に署名はない。だが、文字の癖や筆跡の細かい特徴を見れば、何者かの仕業と断定できる――。相沢は封筒に忍ばせた筆跡のサンプルを思い出す。

さらに調べると、霧島の書斎に小さな鍵付きの箱があることを発見した。箱の中にはいくつかの手帳や古い写真、そして複雑な暗号が書かれた紙が入っている。相沢はそれを手に取り、密室トリックの手がかりになりそうだと直感する。

その頃、館の他の人物たちは緊張と不安で言葉を少なくしていた。佐伯は何かを隠しているような視線を何度も逸らす。永井はメモ帳を握りしめ、事件をスクープに変えようと計算している。香坂は冷静を装いつつも、目の奥に動揺が見える。

相沢は静かに口を開く。

「誰も外に出ていないこの館で、犯行は行われた。だが、すぐにわかることではない――。小さな証拠と、皆さんの言動から推理を始めるしかない」

館の中に、また一層の緊張が走る。

相沢は手帳の暗号を開きながら、心の中で呟いた。

「この事件、簡単には終わらせない――真実は、霧の中に隠されている」

この作品はいかがでしたか?

0

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚