____
「仕事サボって人の過去漁るとか…」
黒樫で作られたフローリングを蹴る音が響く。
眠そうなその瞳は赤色に染まり、いつでも目の前の者たちを⬛︎せる準備をしているようだった。
全員の背中に変な汗が伝う。
「ねぇ?ばど?」
黄色い彼を下から覗く青色。
額には汗が滲んでいた。
「い、いや、俺らはちょいと調べもんを…」
「この状況でよく言い逃れができると思えんね?」
ニコニコと目元だけが笑う。
目の前の相手から発せられる鋭い圧に、黄色い彼は「ゔっ」と一歩下がるも青色も一歩近づく。
ただ、何も言わずニコニコと笑う彼の顔が近い。
「…わ」
黄色い彼の口が開くと同時に、顎に汗が伝う。
「…悪かった、」
そう言うと、赤色に染まっていた瞳が徐々に青色を取り戻していく。
腕を組み、やれやれと首を振る青色。
「んで、提案したのは?」
紫色がおずおずと手を上げる。
青色の彼は、紫色自身、悪かった事を自認していると横目で確認したところで、今度は全員に目をやった。
「今回は見逃す」
その一言に、場の空気が少し緩む。
彼を怒らせ、許しを乞わず生還出来ただけでも凄い。
けれど、それを青色自身も感じ取らせてしまったことは、唯一の盲点だろう。
先程まで綺麗な青色だった瞳が音もなくすぅと藍色に染まるのを見落とした4人。
「が」
口が開く。
先程とは違う空気に、全員の緩んだ思考が止まる。
「次はないかんね?」
凍るような、他人を見るような瞳。
見た人誰もが、悲しくなるような…そんな…
「んじゃ、乙〜」
手を振りながら出口へと歩いて行く背中。
普段優しい人を怒らせると怖い、そんな言葉が出回ったのは偶然か、はたまた必然か。
けれど十人十色という言葉があるように、全員にその理論が当てはまる確率はあまりにも低い。
考える事が一致することは更にないだろう。
けれどこの時、4人全員が心の底から思った事は同じ。
【怒らせてはいけないヒト】
ガチャ__
最後の表情を見て俯く3人をよそに、1人が口を開く。
「なぁらっだぁ」
声をかけたのは、黄色い彼だった。
「そんな話せやんことなんか?」
”過去に踏み込んでほしくない”
そんなことはこの場の全員…いや、恒例行事である”運営配信”でも本人が自語りをあまりしない点から何人かのら民も気づいている事実だった。
また、青色だけに関わらず運営全員が自身を語ることを拒んでいる為”情報が少ない”とのコメントを寄せられることが頻繁にあったのも事実。
扉の前に立つ彼は、振り返ることなく声を出す。
「でも、君等も俺に話したこと無いよね?」
いつもの声でも、威嚇を持つ声でもなく、ただ純粋に寂しそうな…そんな声。
先程とは反対に目の前の背中が小さく見えた気がした。
「…話したら、お前も教えてくれるんか?」
覚悟を決めたような顔をする彼。
青色がゆっくりと振り返り、黄色を藍色の瞳で見つめる。
「いいよ」
→♡5000
コメント
6件
運営さん達はどんな過去持ってるのかな、よく優しい人は怒らせると怖いってこういう事なのかな、赤い目って事はやっぱ人格とかあったりするのかな?、、青い手も出てたしやっぱ👹とかなのかな、次も楽しみにしています🤔💭
うわぁぁぁ😭 らっだぁ運営さん達は、どんな辛い過去を......