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頼まれたので悪役令息辞めます。の1章、2章のIF 推しに呼ばれて専属執事になりました。です!
御宮碧元の世界で治療法のない病気に15歳の頃にかかり21歳の時に他界。
死んだと思ったら見た事のない広くて綺麗な部屋に居て目の前に睨みつけてくる青年がいた。その青年の容姿に見覚えがある。
青年は碧が入院した時から見ていた『聖人の世界を救うまでの人生』の悪役令息のシャルロット・ウィル・メルーデルだった
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碧「え…?」
シャル「……弱そ」
情けない声を漏らした碧にシャルロットらしき人物は鼻で笑い呟いた。
碧「しゃ、シャルロット・ウィル・メルーデル…?」
シャル「なんだ知ってるのか…いや知ってるから呼ばれたのか」
碧「あ、あかいめ、黒い髪、わっ、わっ」
黒い髪、の当たりで顔を歪めたシャルロットはやっぱりか、というような顔になったが次にはその顔は崩されることになる。
碧「ほ、本物だあああ!?」
碧「えっ、本当にシャルロット!?」
碧「髪綺麗!ツヤすごい!サラサラ!赤い目が光反射して綺麗!黒い髪にあってる!」
碧「かっこいい!可愛い!美人!」
思わず座り込んでいた腰を立ち上がらせシャルロットの両手を掴んで前のめりで褒め続ける。
シャル「は?」
勢いにポカンとしたシャルロットが言葉を漏らした。
碧「これがただの夢だったとしても、冥土の土産には十分過ぎる」
涙を静かに流しながらふわりと笑う碧にシャルロットが目を見開いた。
シャル「…死んでるのか」
碧「うん、病気で」
シャル「楽になるはずだったのに、僕の都合で呼んで…悪い」
碧「ううん、会えてよかった、ずっと好きだったから」
その言葉でシャルロットの心が晴れた気がした。母が居なくなってから優しい言葉をかけてくれる人は居なくなり1人でやり直し続けた世界は辛かった。
シャル「…なぁ、俺の専属執事やらないか?」
碧「え?」
シャル「部屋は、お…僕のをやる給料も高くする、ただ俺の側にいて、言葉をかけてくれるだけでいい、他は自由にしていい」
だから、たのむ、
「一緒にいてくれ」
碧の肩を掴み先程とは逆にシャルロットが碧に前のめりになりながら執事を紹介してきたシャルロットはそれだけではなく部屋まで渡そうとしてきた。そんなシャルロットに驚いたが最後の一言で決まった。
碧「…部屋は君が使って、給料も普通でいい」
シャル「あ…わるい、おれ」
碧「最後まで聞いて」
肩に乗せられた手を取り握る。
碧「俺、執事なんてやった事ないから不敬なことしちゃうかも、それでもいいならシャルロット様の専属執事になるよ」
碧「よろしくお願いします、シャルロット様!」
暗かったシャルロットの顔が明るくなり綺麗な瞳にきらりと光が映った。
シャル「様は付けなくていい、不敬なんて気にしない、他のメイド共に比べたらお前なんて可愛い」
碧「俺は碧御宮、好きに呼んでシャルロット」
シャル「ああ!碧は今日から俺の専属執事だ、すぐに制服を作ってもらう!」
その日はシャルロットの部屋で自己紹介や今までの事を話し続けた。最初の怖い顔のシャルロットはもう居なくなっており年相応の笑顔になっていた。
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翌日
起きて身支度を終えたシャルロットに手を引かれ走ってメルーデル家の王が座る玉座が2つ並んでいる場所に連れていかれている。
碧「ちょ、いきなり行ったら怒られない!?」
シャル「怒られるとか考えるな!縁を切られたらそれまでだ!」
あまりにもさっぱりしすぎでは無いだろうか。シャルロットはこんな性格だったか?と考えながら引っ張られている手に素直について行く
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扉の前に並んでいる兵隊の人達がシャルロットの姿を見て不気味がりながら入らないよう声をかけるがそれを無視し扉を貴族らしからぬ開け方をしたせいでバンッッ!と広い空間に響いた。
ナシード「誰だ!…なんだお前か、貴族らしからぬ行動をするでない」
玉座に座るナシードの横に兄がたっていた。ちょうどロイとルイスの婚約するための挨拶の時だと聞いていたので2人もいる。
ナシード「…?誰だその者は」
シャル「ああ、おはようございますお父様」
ナシード「父と呼ぶな、ナシード王と呼ぶように言っただろう」
シャル「それは失礼」
無感情の声で喋るナシードにゆっくり歩きながら近づくシャルロットはニヤリと笑みを浮かべながら近づく。
シャル「この者は碧 御宮、遠い所から来た所を迷って来たようです」
シャル「それで、この者を私の専属執事にしようかと!」
今まで聞いたことの無いであろう機嫌のいい高い声でぺらぺら喋るシャルロットに全員が驚いていた。それだけは無いのだろうけど
ナシード「なっ、何を勝手なこと!」
シャル「口出しはしなくていいのでは?”父”では無いのでしょう?」
シャル「それにいいじゃありませんか、私の専属になりたい者などいません、ならば専属になりたいと申した初めての人物を専属にしても」
ナシード「っっっ」
シャル「ああ、ルイス様、それにロイお兄様、突然すみません」
ルイス「…いや構わない、だけれどシャルが専属に選ぶとはな」
ロイ「っ…めず、らしいね」
ルイスはビクビクとしたロイを背に隠した。
碧「…シャルロット」
必然的にシャルロットの背に隠れる感じになっていた碧が発しシャルロットはその言葉に耳を傾けた。勿論ふわりとした笑顔で。周りはまた驚いている。
碧「…ロイ、さんに謝るだけ謝らない…?」
すごく不敬な事を言っている自覚はあるが、どうしてもロイとシャルロットにはこのままでいて欲しくは無い。それはこの先に起こることを理解しているシャルロットにも理解出来ることだ。
碧「”前”ほどでは無いけど、意地悪はしたんだよね…ごめん、不敬だね」
服の裾を掴みチラチラとシャルロットを見ながら背を縮め落ち着かない心をどうにか押さえつける
シャル「…………俺が、」
数秒間の沈黙のあと縮まる碧の背中を撫でつつロイに向き合ったシャルロットは言葉を続けた。
シャル「ただ、俺を見て欲しかった…ただの迷惑でしかないとわかっていても」
ルイスとロイは目を見開き、真剣に話を聞く姿勢に入った。
シャル「ルイス様は唯一俺を怖がらないで拒否しなかった人だから…初恋の人だったから…見て欲しかったのに」
シャル「でも突然現れたロイお兄様にっ…ルイス様は、」
シャル「俺がロイお兄様になれないことが分かってるけどっ、少し、見て欲しかったっ…だから、ただの八つ当たりで」
シャルロットの握りこんだ手を碧は傷がつかないよう緩める。
シャル「ごめんっ…なさい」
シャル「八つ当たりしてっごめんなさいっ…」
シャル「ルイス様にっ、迷惑かけてすみませんでしたっ」
頭を下げたシャルロットに並び碧も頭を下げる。ここで言った自分が頭を下げないのは違う気がしたから。シャルロットの震えた手を握りながら。
ルイス「すまない…ちゃんと向き合ってれば良かった、シャルが謝る事じゃない、気づかせてくれてありがとう。シャル、碧くん」
シャルロットと碧の頭を上げさせたルイスも頭を下げた謝罪をした。
ロイ「怒ってないよ…」
後ろにいたロイはシャルロットに駆け寄り碧が握っていない方の手を握った。
ロイ「僕はシャルロットと仲良くなりたい、無理に好きにならなくていい、ただ、少しだけでもたまにはお話して欲しい、初めての弟だから。」
泣きなりながらシャルロットの手を握るロイは微笑んだ。
シャル「ありがとう、ございます、」
下を向いたシャルロットの顔からぽたぽたと涙が落ちていった。
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碧「…ごめん、勝手なこと言って」
シャル「いいや、助かった」
シャル「あそこで言わなければきっと、謝れなかったから」
シャルロットは昨夜も見たぎこちない笑顔で碧を見て笑いかけた。
これからシャルロットを幸せにできるように最善を尽くす。
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碧「わ、これが制服」
少しヒラヒラが多い行きがするが黒がメインの執事服だ。初めて着る執事服は何かと動きやすく通気性が良い。
シャル「専属ーーー」
碧「ふふ、はーい!ご主人様〜!」
(さてと!ご主人様をサポートしますか!
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推しに呼ばれて専属 執事になりました。
エンド 5⁄10
IF沢山作りたいです!ちょっと碧が普通なら不敬すぎて首飛びそうですがシャルロットに取って救世主なのでそんなの知りません。なんなら碧になら多分なんでも許します。