サイド レン
「ん……?」
起きて、最初に思ったこと。
…………ここ、どこだ?
確か、オレ、ユメたちと一緒に外に出て……。
「!!」
そうだ、ユメは?!オレたちは、誘拐されたんだった!
慌てて立ちあがろうとして、ドシャリと床の上に崩れ落ちる。
手足が、拘束されている。周りを見ると、トキさんとユメも寝ていた。ガムテープで縛られているところを見ると、オレも二人と同じような状態なんだろうな。
息は……うん、ある。無事でよかった!いや、良くないのか?
ただ、ユズがいない。アイツらと一緒にいるのか?分からない。
「ん、んん……」
「!!」
ユメが起きた。
「大丈夫か?」
「イタタ……、!ど、どういう状況ですの?!」
ユメが叫ぶと、ガンッ!と音がしてドアが開いた。
「起きたのか。思ったより早えな」
アイツ!さっきオレを殴った奴だ……!今は手にはナイフが握られている……。
「大きな声出したり、妙なマネすんなよ?ま、出来ないだろうけどな」
「「ッ…………!」」
従うしか、なさそうだな……。コッチはトキさんがまだ寝てるし……。
コクリと俺らは頷いた。男が出て行ったあと、オレはユメの帽子を無理矢理払い退けた(頭で)。そして、ユメの目を真っ直ぐ見つめる。
「(ユメ!)」
「!!」
声に出していない。ユメは心が読めるから、一方的な会話なら出来るはずだ。
アイツらに気づかれないように意思疎通するにはこの方が早え!
「(大丈夫か?!)」
コクンと頷く。よかった!
「なにが、あったんですの……?」
今度はヒソヒソと小声でオレに聞く。
……んー、上手く説明出来る気がしないけど……。
「(ユメさ、拠点出たあとユズと二人で公園行ってだろ?その後オレ、トキさんと合流して……)」
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