テラーノベル
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sh52×G00
ヒーローになりたい
『優人は体が大きいから、
自分より小さい、弱い人を守ってあげるんだよ』
幼い頃、両親に言われたことだ
この言葉に感化されて
幼少期の夢はヒーローだったし
言われた通り、自分の体格を生かして
いじめっ子を追い払ったりしてた
自分で言うのもあれ、だと思うけども
自分はそれなりにヒーローできてたと思う
でも、出逢いはというのは
良くも悪くも人を変えてしまうね
「っあ゛!?、ごふ⋯やぁ、やだっ、!」
部屋に響く打撲音と、大さんの耳障りな声
「やだ、?我が儘言うなよ、俺がしたくて
大さんのこと殴ってると思ってます?
なわけないって、いい加減分かってくださいよ
躾なんだって、言うこと聞かなかった
自分が悪かったんだって⋯そろそろ分かれよ」
殴っても殴っても、黙るどころが
騒ぎ立てる大さんをまくしたてる様に喋る
どうも今日の大さんはしぶとい
伴って俺もイラつきが治まってくれないわけで
一発、手加減無しの拳が
見事に大さんの柔い腹に当たった
「お゛ッ⋯??」
ピシャ、と嘔吐して咳を繰り返す
床にはまだ消化できていなかった
昼飯のサラダだとか、おにぎりの米粒が
祖嚼された姿で散らばっている
後を引く鈍い痛みに、喚きも動きも止めて
腹を抱えてダンゴムシみたいに丸まった
ようやく黙った大さんに
少し自分の怒りも落ち着いて
丸まる大さんを仰向けに回して、覆い被さる
血の気の引いた青い顔、涎も垂れ流して
本当みっともないな、この人
自分より30cmも低い身長
両親の言う、守らなければいけない弱い人
まさに大さんのこと
でもどうだろ、守りたいとは思わない
だって気づいたんだよ、守るべきなのは弱い人
守れるなら、壊すことも出来る
俺はね、大さん
貴方のヒーローにだけはなりたくないんです
守れば強くなってしまう
俺は弱い大さんが好きだから
ヒーローに救われる日は来ないですよ
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