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お昼休み。
エレナはついさっき、ユーノリラと食堂で昼食を取り、教室に戻ってきた。
すると、廊下の方ががざわざわし始めた。
「何? 何か事件でもあったのかしら」
エレナの隣で、ユーノリラが不穏なことを呟く。
フラグにならないことを祈りたい。
教室の入り口にいた生徒が、一斉に端っこにはける。
そこから現れたのは──。
「嘘っ。青銀の髪……まさか……」
ユーノリラの顔が真っ青になる。
「リラ?」
「──《青銀の姫》シーノ様……」
ユーノリラは目を極限まで見開き、固まった。
(あれが、《青銀の姫》シーノ様……)
「この中に、”エレナ・アスモデウス”なる人物はいますの?」
クラスメイトの視線が、一斉にエレナに向いた。
シーノの視線もエレナへ向く。
その瞬間、シーノの目がギラリと光ったようにエレナには見えた。
シーノがエレナへ向かって歩いてくる。
「あなたが……”エレナ・アスモデウス”なる人物で間違いありませんの?」
「は、はいぃっ、シーノ様。この子が、エレナ・アスモデウスですわ」
「今の質問はエレナ・アスモデウスへ向けてしたものですわ。ユーノリラ・ファンディオーレはお黙りなさい」
ユーノリラに視線すら向けないシーノ。
「それで、もう一度聞きますわ。──あなたが”エレナ・アスモデウス”なる人物ですの?」
「そう、です……」
(私、何かした? いいえ、シーノ様の機嫌を損ねるようなことはしてないはずよ)
「ついてきなさい」
「え?」
「ついてきなさい、と言ったのです。わたくしに、二度も同じことを言わせないでちょうだい」
「えっと……」
「エレナ、行って。昨日伝えたはずよ。『九色最高者』の機嫌を損ねたら命はないと言われてる、って」
(そうね……。リラがここまで言うなんて珍しいわ。これは、行かないとまずいわね。だって、回りの視線が痛いし)
「……わかりました」
「それでよろしいですわ」
と言って、シーノは立ち去ってしまった。
エレナも後を追うと、シーノは廊下に立っていて、エレナが来たのを確認して歩きだした。
「あのぅ……《青銀の姫》様……」
「わたくしを《青銀の姫》などと呼ばないでちょうだい。わたくしには、”シーノ・スイラーヌ”という、立派は名前がありますのよ」
「はい……」
シュンとなるエレナ。
しばらくして、不意にシーノが口を開いた。
「エレナ・アスモデウス。わたくし達『九色最高者』の所有物に触れるとき、許可は取りましたの?」
「……え?」
エレナの身に覚えがない、シーノの発言。
「まさか、自分の行動を覚えていない、とでも?」
「え、いえ、あの……」
「何ですの? わたくしは、今日は気が立ってるのですわ。何かを申したいなら、用件だけさっさと言ってくださいます?」
「私、その……今、どこに向かってるんですか?」
「……」
エレナの質問に沈黙で返すシーノ。
どうやら、質問をしてはいけないらしい。
と、シーノが足を止めた。
「着きましたわ」
そこは、朝教室に行く前に寄った──。
「生徒会室……」
「入りますわよ」
シーノは生徒会室の扉を開け、足を踏み入れた。
「あなたも入るのですわよ、エレナ・アスモデウス」
「え、私なんかが入っても……」
「レヴィス様の許可は降りてますわ。ほら、早く入りなさい」
エレナは、強制的に生徒会室に入れられた。