※この物語はフィクションであり、
実在の人物及び団体とは関係が御座いません。
「はぁ……はぁっ……どうにか逃げ切れたっぽいかも」
海や川を表現している池泉に月が浮かび、
旅立ちを表現している舟石が苔の海に浮かんでいる。
僕は立派な松の影に身を潜め、
不気味な追跡者『黒い手』の動きを探っていた。
「(勝手に入っちゃったけど、こうなったらなんとしてでも、高階(たかしな)さんを探し出さなくちゃ……)」
黒い手が高階家の庭園に入って来る気配はない。
でも、僕を見失ったというよりは、
まるで敷地内に入れないといった様子で、
遠巻きに庭の周囲を舐めるように練り歩いている。
(とにかく、今がチャンスだ……)
僕は乱れた息を整えて、
広大な庭を見渡せる外縁に駆け寄った。
「……鍵が空いてる」
無用心だが、こちらとしてはありがたい。
僕は靴を脱いで外縁に*****
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