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「ほらほら滉斗君も、もっと飲みなさい」
やっと空になったと思ったグラスにビールがまた注がれる。あまり飲みたくないんだけどな。同じ手口でガンガン飲まされた涼兄ぃはすでにヘロヘロだし。さっきから相手との距離が近い。
「ぼくぅまだのめますぅ~!」
「ハッハッハ、涼架君はとても元気だな」
「やったぁ~」
「滉斗君は、どうやら猫ちゃんのようだね。だが、それも悪くないよ」
もともと酒に強いわけではないから、だいぶ酔いが回った頭で考えられることは単純だ。気持ち悪い、それだけ。身体的にも精神的にも。
……そろそろ店を出ないと、朝が来てしまう。
「ねぇねぇ、はやくいきましょうよぉ」
「それはお誘いと言うことで良いのかい?」
「……うん……ねぇはやく」
俺の視線に気付いたのかすでに理性がないのか、どっちにしろ、店を出ようと誘う涼兄ぃ。色気ぶち撒いて、一刻も早く次の場所へ行きたいと誘うのは、涼兄ぃの仕事だ。
「そうか、なら行こうかね」
「んふふ、やっとだぁ」
相手の腕をつかんで、もたれ掛かるようにして席を立つ涼兄ぃ。それが演技だということは、きっと俺にしか分からない。二人が出た後、少しはなれて出ようとしたら、店長さんに「御愁傷様」と言われた。
「あったかぁい」
「ずいぶんと甘えん坊さんだな、涼架君は。かわいいよ」
一歩、いや五歩ぐらい後ろをポケットに手を突っ込んで歩く。今日は涼兄ぃ、すぐとぶな。俺が相手か……
「ここぉ?」
「そうだ、ほらなかに入るんだ」
またここか。こういうやつらは持ち駒が少ねぇな。ここは、店員や他の客に会うことが絶対にない。だから、お偉いさん御用達の場所だ。それ故、だいたい毎回ここ。見飽きたわ、ロビーの内装も。
「この部屋だよ。広い部屋にしたからね」
「ひろぉ~い!」
で、毎回この部屋。だから、飽きたって。どこに何があるかも覚えたし、二人相手にするんだから、広いとこ取るに決まってんだろ。涼兄ぃも、飽きてるのが俺には隠せてない。
「……はやく、だめ?」
「欲しがりだな。まてだ、頭の良い藤井君なら分かるだろ?」
「んぅ……」
はやく終わらせるために、さっさと始めたくて、扉がしまるとほぼ同時に、誘い始める涼兄ぃ。だが、待てと言われてしまえば、どうにも出来ない。
「まずは風呂に入ってきなさい」
「わかったぁ」
涼兄ぃがフラフラとバスルームに向かう。順番にはいれば良いかと思いソファーに腰かけようとした、しかし
「滉斗君も、行きなさい。涼架君一人は危ないからね」
有無を言わせない目付きで、風呂に行けと言われてしまった。涼兄ぃと二人で入れと言うのか。別に嫌ではないが。何かを企んでいるのだろう、俺が居ては、行動が出来ないということだ。
「あれぇ?滉斗もきたのぉ?」
服を脱ぎ、浴室にはいると、すでに浴槽に浸かってとろけている涼兄ぃと目があった。アホみたいに飲んだ後だから、入浴は本来よくない。現に涼兄ぃは、のぼせかけている。
「……ねぇ滉斗」
特に話すことなくシャワーを浴びていたら、突然涼兄ぃが名前を読んできた。浴槽の方をみると、浴槽の縁に顎をのせて、上目遣いで俺をみる涼兄ぃがいた。
「……さわって」
は?……いやだめだ。ここでヤってしまえば、後からお仕置きだって何されるかんわかんねぇ。確かにお互い限界なんだけど、声を抑えられる気がしない。
「……おねがい。もうまてないの」
コメント
3件
まさかの急展開、、!最高すぎます!笑次話も楽しみにしてますね!!
続きが気になりすぎます、、😍 更新まってます🙏
1番気になるところで…! にしても、2人とも互いを信頼しあっていて、絆を感じました! 大森さん、大丈夫かな… 続き楽しみにしてます!!!