裕翔は廊下を歩いていた。そして、図書室の前でピタッと止まった。
その理由は───
「うわっめっちゃ美人…」
惹き込まれる紫色の目、長い綺麗な黒髪、美しい所作。
その様子に裕翔は見惚れてしまっていた。
裕翔の様子に気付いたその人は、図書室のドアを開け、裕翔に話しかけた。
「図書室に何の用ですか?」
「あ、君の姿に見惚れちゃって…あはは」
「…それは嬉しいですね。」
「───あと…『君』じゃなくて、私の名前は『鷺沼静香』と言います。」
そういい、静香はにこりと笑う。
「さきぬま…しずか…か…」
そして裕翔は思い付いたように言った。
「じゃあ、鷺ちゃんで良い?」
初めてそんなことを言われたのか、静香は驚いた表情をしていた。しかし、直ぐに表情を戻し、裕翔の事を見つめていた。
その綺麗な瞳で見つめられて動揺したのか、裕翔は
「綺麗すぎて、キスしちゃいたいくらいだったよ〜」
と言ってしまった。
裕翔は、(さすがにキモかったか)と内心思っていたが、静香の反応は裕翔が思って
いた反応と真逆だった。
「…いいですよ?」
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