「リラックスして」
尊さんの声が聞こえ、努めて体の力を抜こうとするも、胸がドキドキ高鳴って止まってくれない。
彼は静かに淫玉を舐めながら指を出し入れさせ、指の腹で執拗に淫芽の裏側を擦ってくる。
「ふ……っ、ぅ、うぅ……っ」
温かく滑らかな舌に舐められるたび、淫玉がキュンキュンと切なく疼いて堪らない。
衝動的に腰を突き上げるようにカクカク動かすと、尊さんが小さく笑ったのが聞こえて余計に恥ずかしくなる。
「ぁ……っ、あぁあ……っ、達く……っ、達っちゃ……っ」
柔らかくなった場所を太い指がチュポチュポと前後し、私の官能を嫌というほど引き出していく。
同時に弱点を執拗に舐められて――。
「ん……っ、あっ、あぁあああぁっ!」
私は思いきり体を力ませると、また太腿で尊さんの顔を挟んでプルプルと震える。
そのあとに艶冶な吐息を漏らし、ゆっくりと脱力していった。
顔を上げた尊さんは妖艶な顔で笑うと、濡れた指をチュッとしゃぶる。
それから開いたままの私の太腿にキスをし、膝、脛……と唇をつける所を移動させていく。
最後に尊さんは私の足の甲にキスをし、クスッと笑った。
「……足の爪、綺麗にしてるな」
言われて、普段から手のネイルはあまり派手にできないけど、足は見られないので密かにお洒落を楽しんでいるのを思い出す。
ちなみに今は、桜の時期を意識して、ヌードカラーからピンクへのグラデーションで、親指には桜のネイルシールを貼っている。
褒められて嬉しいけど、今は絶頂後の余韻に浸ってろくに口を開けない。
尊さんは私の体をベッドの中央に戻して寝かせ、その間にスウェットズボンごと下着を下ろす。
そしてベッドサイドの引き出しから避妊具を出して被せると、私の脚を開いて腰を押しつけてきた。
「ん……」
気だるく呻くと、彼は私の頬をスルッと撫でてくる。
「いいか?」
尋ねられた私は、ふにゃりと微笑む。
「……いいですよ」
この人はいつだって自分の幸せを後回しにしている。
なら、私だけはいつでもご褒美をあげられるようにしないと。
「愛してる」
尊さんは嬉しそうに、そして愛しそうに微笑むと、私にチュッとキスをして切っ先を蜜孔に押し込んできた。
「んっ……、う、うぅ……」
唇を塞がれたままくぐもった声を漏らすと、尊さんは腰を押し進め、彼の太くて硬いモノが侵入していくるのが分かる。
圧倒的な存在に支配され、私は被虐心に呑まれてゾクゾクと腰を震わせた。
やがて私たちは上も下もずっぷりと深くまで繋がったまま、舌を絡めるいやらしいキスを交わす。
――好き。
――この人が大好き。
私はとろけるような想いを抱きながら、気持ちを込めて丁寧に彼の舌を愛する。
気持ち良くなってほしいという一心で下腹部に力を込め、両腕でギュッと抱き締めて、広い背中を撫でた。
極上の、この世界で一番素敵な男性が腕の中にいる。
そう思うだけでこの上ない幸せを感じ、満ち足りた気持ちになった。
やがて尊さんは色めいた吐息をついて顔を離し、私を見て優しく微笑む。
それからゆっくり腰を動かし、いやらしい粘液の音を立てながら私を穿ち始めた。
「は……っ、あぁ……っ、あ……っ」
最奥を硬い亀頭で押し上げられるたび、全身にジィン……と甘美な愉悦が駆け巡り、脳内をとろかせて切なく喘いだ私は、無意識に彼の動きに合わせて腰を動かしてしまう。
「朱里……っ、気持ちいい……っ」
尊さんは陶酔した表情で呟き、愛しげな表情で私を見つめてくる。
「……っ、うん……っ」
――私の事、大好きで堪らないって顔だなぁ。
私はこの上ない喜悦を感じながら、確かめるように尊さんの頬を撫でた。
尊さんは額に汗を浮かべて腰を動かし、私の事を見つめては微笑みかけ、頭を撫でてキスをし、ぐぅっと最奥まで亀頭を押し込んでくる。
セックスをしての快楽も強いけれど、彼にとても大切にされて愛されているという感覚が私の体を満たしてくる。
――あぁ、好きだなぁ。
――大好き。
胸の奥からはシンプルな感情が湧き起こり、言葉にしきれない分は涙となって零れていく。