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※不謹慎&不穏
























「拓人さん」




波の音だけが鳴り響く、静かな海場で僕は

拓人さんの腕を掴んでいた自殺を止めていた



















「……珍しいですね、貴方、自殺するような人じゃなかったでしょう?」


普段のように、焦りを見せないように話しかけるも

思わず声と手が震えてしまう


「……ぅん、そうだね…」


返事を返すも、海へと歩む足を止めない

力を込めるも海水が邪魔をして、上手く腕が掴めない

止めなければ、止めなければいけないのに

行かないで欲しいのに、消えないで死なないで欲しいのに……ッ!!!


「……ッ、お願いです、待ってください!!」

「今自殺して、一体、何になるんですか!?」

「…余計、辛くなるだけじゃ、ないですか……ッ!!!」


声を振り絞って、止めようとする

まるで駄々をこねる子供のように


「うん、うん、そうだね」

「辛くなるだけだね、余計苦しむだけだね」


そう、相槌を打つ返事が返ってくるも

彼は足を止めない、寧ろ進んでいくだけ

嗚呼、どうして、どうして……ッ!!!

何で止まってくれないんだ!!!


分かっているのなら!!!

理解しているのなら!!!

何で足を止めてくれないんだ!!!


「拓人さん!!!いい加減にして下さい゛!」

「僕だって、死にたいのに!!!苦しいのに!!!先に消えて無くなろうだなんて!!」











「そんな馬鹿みたいな事!しないで下さいよ!!!」

そして、漸く彼の足が止まった


「(ぁ、良かった……良かった、漸く、止まっ_____)」





「じゃあさ、勇気」






















「俺と、心中してくんない?」



「……は?」



理解ができなかった

心中???拓人さんと、僕が???何で?

……意味がわからない


もしかして、僕が苦しんでるのを見て

ならいっその事、一緒に死んでしまおう!

っていう意図なのだろうか


本当馬鹿みたいだ

そんな事で僕が満足する訳が無い

僕は我儘で自分勝手な、子供みたいな人間なんだから


心中なんて言う、自暴放棄みたいな事

したくない、しようと思いたくない

そんな……ッ

























「そんな事、貴方の口から゛…聞きたくなかった……ッ」






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コメント

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未遂だからしなかった……、または、したけど生き延びちゃったのかな…… 「いい加減にしてください!!」の所、マジで限界だからいこうとしてるのに、あんな事言われたらだいぶ絶望(?)だよな 好きです……………

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