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太宰さんはいつ自分が異能力者だと気づいたのかなという妄想です。CPなし
両親はいない。僕が5歳の時に死んだらしい。
今は祖母が育ててくれている。
周りより少し頭が良かった。
先生の浮気やら不倫やらを言い当てたら気味悪がられたけど。
祖母が死んだ。僕が12の時だ。
電話がなって、僕にはとうとう誰もいなくなってしまった。
外を歩いていた。食べるものがなかったからだ。かといってお金が有るわけでもなかったから、盗むことにした。
雨が降っていた。その日は、僕が初めて犯罪を犯した日だ。それから何度も盗みを働いた。上手く証拠を隠し乍ら。
それから数週間。
「君が太宰くんかい?」
「誰。おじさん」
「まだおじさんなんて言われる年齢じゃないよ!」
「おじさんみたいなものじゃない」
少し高い声。この少女は…
「誘拐してきたの?」
そうだとしか思えなかった。
「違うよ!この子はエリスちゃん。私の異能力で生まれた存在だ」
「異能力?」
「聞いたことはないかね?」
「少しだけ」
「いずれ分かるさ。所で太宰くん。
ポートマフィアにくる気はないかね?」
「マフィア…?」
「そう。君にはピッタリだと思うのだよ。」
行く宛もなかった僕の選択肢は一つ。
「行く」
「それは良かった!紹介が遅れたね。私の名は森鴎外。ポートマフィアの五大幹部の一人だ。太宰くん。君を歓迎するよ」
手を差し伸べられたから、手を取った。
その瞬間。エリスという少女が消えた。
「エリスちゃん!?え!?エリスちゃぁーん!出ておいでぇー!」
手を離した。
少女が現れた。
手を取った。
少女が消えた。
「私はとんでもない子をスカウトしてしまったかも知れない…」
「太宰君。落ち着いて聞いてくれ。
君は異能力者だ。」
「僕…?」
「そう。触れた者の異能力を無効化する、それが君の異能力だ。」
「そうだ名前を決めよう!異能力を使うとき、異能力名を言うんだ。かっこよくないかい?」
「かっこいい…?」
なにがかっこいいのだろうか。
だが異能力名を決めると言うのは悪くない。
でも僕みたいなまともな人生を送っていない人間に、ネーミングセンスなんてものはない。
こんな人生を送るなんて、人間失格だろう。
「人間…失格」
妙にピンときた。
「人間失格!これが僕の異能力だ!」
「決まりだね。
…異能力が嬉しいのは分かるが…何度もエリスちゃんを消すのはやめてくれ…」
森さんに呼ばれた。そこは首領がいる部屋。
見ているだけでいいと言われた。
「あぁ…殺せ…殺せェ…」
「お望みのままに、首領。」
ザシュッという音と共に、森さんが血を浴びた。
首領を殺した音と首領の血。
「首領は病死。私を次期首領に任命するという遺言を残して。証人は君だ。いいね?太宰君。」
気づいた。
この世界は、酸化しているのだと。
この酸化した世界から、目覚めさせてくれ。
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