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五条悟がその場を静かに見守る中、冨岡義勇の目に新たな決意が宿った。彼の瞳は燃えるように鋭く、動きはまるで流れる水のように落ち着いているが、その内に秘めたる力は一歩も引かない。
「お前がどれだけ強くても、俺は……俺のやり方で戦う。」冨岡義勇の声は低く、決してぶれることなく響いた。周囲の空気が一瞬、張り詰める。五条の無限の圧力に触れようとも、彼はその場に立ち続けることを決意していた。
冨岡の手が握られた剣に移り、彼の気配が一変した。動きが研ぎ澄まされ、彼の姿勢はすべてを切り裂くかのように鋭くなった。五条が変化に少しだけ興味を示し、冷静にその動きを観察している。
「君がどう動くか見せてもらおう。」五条はにこやかな笑みを浮かべながら言ったが、冨岡義勇の目にそれを気にする様子は一切なかった。
冨岡義勇は一歩踏み込むと、突如として一連の動作を繰り出した。まずは、「雫波紋突き」。彼の剣から放たれる突きは、まるで水面に落ちた雫が広がるように波紋を描きながら五条の無限に向かって突進した。この突きはただの攻撃ではない。それは五条の無限を掻い潜り、微細な空間を利用して、相手の死角を狙う技だ。
その瞬間、五条の視線が少しだけ鋭くなった。「……これは?」彼の無限の力を越えようとする冨岡の動きに、少しばかりの驚きが感じられた。
だが、冨岡はそれに続けてさらに動きを加える。次に放ったのは「滝壺」。この技は、相手の動きを封じ込めるために使う技だ。冨岡は剣を一振り、空間に滝のように水流を作り出した。水流は周囲を包み込むように動き、五条の視界を一瞬だけ遮る。この瞬間、五条の無限がわずかに揺らぎ、冨岡はその隙を逃さなかった。
そして、最後に冨岡が放った技が「凪」。この技は、まさに冨岡義勇の真骨頂とも言える技で、すべての動きを一瞬で止め、静寂を生み出す。剣を一閃した瞬間、その場に真空のような圧力が走り、無限が作り出した空間を切り裂くかのように、五条悟に向けて強烈な一撃を放った。
五条悟は冷静にその全てを見守っていたが、次第に冨岡の連携技が自分の無限に対して少しずつ効果を示しているのを感じ始めた。彼の無限の領域がわずかに揺らぐ瞬間、五条は微笑みを浮かべながら、その反応を楽しんでいるようにも見えた。
「おお、冨岡義勇、君の技は確かに面白い。」五条は軽く笑いながら言った。「でも、君がどれだけ強力な技を使っても、結局は僕の無限に届かない。」
だが、その言葉の中には、わずかな疑念が込められていた。冨岡義勇の技は、確かに五条の無限に挑戦し、彼の間合いを死守しながら攻撃を放つという高度な戦術であった。それだけでも五条にとっては十分に警戒すべき相手であり、彼が今後どのように戦うかを再評価せざるを得なかった。
冨岡義勇は息を整え、さらに力強く刀を握りしめる。その目は、未だに決して諦めることなく、五条悟を見据えている。
「まだ終わりじゃない。」冨岡の声には、揺るぎない決意が込められていた。「俺は諦めない。絶対に、お前を倒す。」
五条はその言葉を一瞬だけ黙って聞いた後、軽く肩をすくめて笑った。「面白いね、君は。だが、どうやって僕を倒すのか、見せてもらおう。」
冨岡義勇は、剣を握りしめ、目の前に立つ五条悟に再び挑みかかる。無限の空間に囲まれているという圧倒的な状況下で、彼の動きはますます冷徹に、そして執念深くなる。しかし、五条悟はその攻撃をすべて軽く受け流すだけで余裕を持っていた。
「おいおい、冨岡。そんなに必死に攻撃しても、届かないよ?ほら、かわいそうになってきた。」五条は言いながら、軽くステップを踏みつつ、冨岡の攻撃を避けていた。
冨岡の目は、以前にも増して鋭く、その身体に流れる血が熱く燃えているのを感じた。「諦めない。絶対に、お前を倒す。」
五条は肩をすくめ、涼しい顔をして言った。「ふーん、それならさ、どうせまた僕が最強だってことを実感するんだろうね。でも、君の『最強』ってさ、ちょっと笑っちゃうんだよね。だって、俺の『最強』と比べたら、もはや『最弱』といっても過言じゃないよ?」
冨岡は無言で剣を振り下ろし、必死に五条の無限の領域に切り込もうとする。しかし、その動きもまた五条にとっては「ちょっとしたダンス」だと感じるほどだった。
「うーん、もうちょっと頑張ってよ。てか、その刀、ちょっと気になるんだけど、どこで買ったの?激安だね!あ、でも、もしや、スーパーの特売?それなら仕方ないけどさ。」五条は冗談を言いながらも、冨岡の攻撃を完全にかわしていく。
冨岡は息が上がり、目の前の五条がまるで不死身のように感じられた。「くっ……」彼の体は限界に近づいていた。必死に振るった一撃が空を切るたびに、五条の無限の圧力に圧倒されていく。
その時、五条は再び軽く舌打ちしながら、冨岡の攻撃を見越して手をひらひらと動かし、無理なく一歩後ろに下がった。
「さすがに、もうちょっといい攻撃を見せてほしいな~。じゃないと、ほんとに退屈になっちゃうよ?僕がこんなに本気で戦ってるんだ、君もそろそろ頑張らないと、面白くないよ。」五条はその表情を変えることなく、あくまで軽い調子で冨岡をからかう。
そして、その瞬間。五条の周囲に赤色の光が溢れ出し、彼の掌から放たれる赫の波動が炸裂する。
「…あっ。」冨岡はそれを見た瞬間、身体が凍りついた。無限を超えるその技、五条の全力の赫が冨岡を直撃する前に、彼は微動だにできなかった。
「ごめんね、冨岡。君がここまで必死に戦ってくれるの、なんか見てて面白かったけど、残念ながら、もう終わりだよ。」五条はまるで映画の終わりを告げるかのように、無邪気に告げた。
その言葉が終わった瞬間、一閃が冨岡義勇を貫き、彼の体は無情に吹き飛ばされた。力尽きて倒れる彼の姿に、五条は少しも手を止めることなく、軽く手を振った。
「いや~、さすがに早かったね。ほんと、何してたんだろう?せっかく楽しんでたのに、終わっちゃったよ。」五条は笑いながら、軽く肩をすくめた。
倒れた冨岡の体からは、血が広がり、彼の息は途絶えた。だが、その姿に冨岡は微塵の後悔もなく、最後の瞬間まで自分の信念を貫いて戦った。
五条は冗談を言いながらその場を歩き、冨岡を見下ろした。「いや~、ほんとに惜しかったね。でもまあ、君がどんなに頑張っても、僕には敵わないってことがわかっただけでも良かったんじゃない?」