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鬼への怒り
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この前採寸して作ってもらった隊服が届いた。兄さんのは一般的な形の隊服。紺色の布地に淡い藤色の釦のついた隊服で、膝から下には脚絆を巻く。兄さんの日輪刀の色に合わせるように、脚絆も浅葱色の綺麗なものを柊依さんが用意してくれて、兄さんはすごく嬉しそうだった。
僕の隊服はというと、布や釦の色は兄さんのと同じ。会得した霞の呼吸の特徴を最大限に活かせるように柊依さんが縫製係の人と話し合ってくれて、足捌きや動きから次の攻撃が相手に分かりづらいように、実際の身体の大きさよりもゆったりめの隊服にしてもらった。袴も敢えて脚絆を巻 かずにいようということになった。
『2人ともすごく似合ってる!格好いい!』
「えへへ。ありがとう」
「ありがとう」
届いた隊服を着てみて、気持ちがきゅっと引き締まる。
柊依さんの提案で、その後3人で写真館に行って記念撮影をしてもらった。隊服姿の写真と、それを一旦脱いで私服姿でも。嬉しいな。大好きな柊依さんと大好きな兄さんとの写真。こんな便利なものがあるなんて、山で暮らしていた頃は知らなかったから。知っていたら家族4人での写真も残したかったと少しだけ残念に思った。でもいいんだ。僕たちは柊依さんと新しい家族としてこれからいっぱい思い出を作っていくんだから。
「…柊依さん」
『あら、無一郎くんどうしたの?』
夜、何となく1人で寝たくなくて柊依さんの部屋を訪れた。部屋を仕切る襖を開けて兄さんにくっつきに行ったってよかったんだけれど、柊依さんと一緒にいたかったんだ。
「あのね、ぎゅってして欲しいの」
『いいよ。おいで』
腕を広げた柊依さんに抱きつく。あったかい。石鹸のいい匂い。安心する柊依さんの体温。
『…何かあったの?』
「ううん。何もないよ。ただ、柊依さんに抱き締めて欲しかっただけ」
『そう。何もないならよかった』
柊依さんが僕の頭を優しく撫でた。大好きな気持ちが抑えきれなくなって、彼女にまわした腕にぎゅっと力を込める。
「……柊依さん」
『なあに?』
「大好き」
『ありがとう。私も無一郎くん大好きよ』
柊依さんもそれまでより少し強く抱き締めてくれた。胸がいっぱいになって、僕は更に腕に力を入れて柊依さんに抱きつき、彼女の首筋や肩にぐりぐりと顔を擦りつける。
『…ふふ。くすぐったい』
柊依さんの笑う声。
「ねえ、柊依さん」
『ん?』
「今夜このまま一緒に寝てもいい?」
『いいよ』
「ほんと?兄さん曰く、僕すごい寝相悪いらしいんだけど、それでもいいの?柊依さんのこと、蹴飛ばしちゃうかもしれない…」
『うん。その時はよけるから大丈夫』
「ふふふ。そっか!」
冗談っぽく言う柊依さんと、顔を見合わせて笑った。
『枕持っておいで』
「うん!」
一旦自室に戻り、枕を持って再び柊依さんの部屋へ。さっきは机に向かって何かを書いていた彼女は、もう布団を敷いてくれていた。
布団に枕を置く。掛け布団を捲ってくれた柊依さんの隣に潜り込む。
「柊依さん…、あったかい…」
『私、体温高いからね。寝る前だし余計に』
「そっか。…ねえ、もっとくっついていい?」
『いいよ』
柊依さんにぎゅっと抱きつく。剣士だし柱だから筋肉もついているけれど、それでも華奢で柔らかい女の人の身体。男の僕たちとは全然違う。
「…柊依さん」
『ん?』
「何か歌って」
『えっ。…子守歌ってこと?』
「うん」
『んー……。じゃあね…』
少し考えて、柊依さんが紡ぎ出した子守歌の旋律。綺麗な声。優しい音。よく知っている“ねんねんころりよ…”とかの子守歌ではなかった。初めて聞く旋律だ。
「それ、何て曲?」
『これね、オーストリアの“シューベルト”って人が作った子守り歌なの』
「しゅーべると…」
『日本の子守り歌って結構悲しい感じのが多いでしょ?だからこっちがいいかなと思って 』
確かにそうだな。まだ幼い子どもが親元を離れて自分よりもっと小さい子のお世話をしに奉公に行くって話を聞いたことがあったし、その子たちの悲しい寂しいつらいって気持ちが歌詞や音になっている子守り歌が多い。対照的に、柊依さんが歌ってくれた子守り歌は明るくて優しい旋律に、お母さんの愛がたくさん詰まったような歌詞だった。
柊依さんはいいところのお嬢さんだったって兄さんから聞いた。だから彼女には教養として外国の音楽の知識もあったのかな。
「柊依さん、もっかい歌って」
『分かった』
再び柊依さんが歌い出す。くっついた僕の背中をとん、とん、と優しく叩きながら。
身体に響いてくる柊依さんの心臓の音。彼女の体温。優しい歌声。加えて、規則正しいリズムと共に伝わってくる手のひらの温もり。
安心感がものすごくて、段々と瞼が重くなっていく。
僕は柊依さんにぎゅっと抱きついたまま、ゆっくりと意識を手放した。
「無一郎!おい!いい加減起きろ!!」
「ううぅ〜ん…」
重い瞼をこじ開けると、目の前には眉をつり上げた有一郎の顔が。
あれ?僕、確か柊依さんの部屋で一緒に寝た筈なんだけどな。
「早く起きて仕度しろ!今日の夕方から任務に出るから、昼のうちに剣の稽古するって言ってたろ!」
「…あー……。…柊依さんはどこ?」
「柊依さんは朝から伝達があって急遽遠くの任務に出たって。隠の人が言ってた」
…ということは。柊依さんは彼女の部屋で眠った僕をわざわざ運んでくれたのか。全然気付かなかった……。
「ほら、朝飯にするぞ。顔洗ってこい」
「うん…」
着替えて顔を洗って、兄さんと2人で食卓につく。毎日ではないけれど柊依さんが屋敷にいる時は必ず一緒にごはんを食べていたから、今日は寂しいや。
昼間、2人で打ち合い稽古をする。お昼過ぎ、一旦お風呂と軽い腹ごしらえを済ませ、再び隊服を着て任務に行く準備をする。
《無一郎、有一郎。用意ハデキタカシラ?》
《今夜ノ任務ハ初メテ2人一緒ダナ。気合入レロヨ》
銀子と幸陽が縁側から入ってきて僕たちに声を掛けた。
兄さんも僕も、それぞれ個別に任務にあたったことはあったけれど、幸陽が言ったように僕らが2人で同じ任務に赴くのはこれが初めてだった。
「お守り袋を下げたら完了だよ」
「俺も」
《オ守リ袋?》
「僕たちの11歳の誕生日に柊依さんがくれた手作りのお守り袋だよ」
お守り袋を手に取って2羽の鴉に見せる。
《マア!ナンテ綺麗ナノ!》
銀子がうっとりとした顔になる。
《細カイナア。想イガ込メラレテルノガ伝ワッテクル》
幸陽も頷いている。
《実ハ俺ノ名前モ柊依様ガ付ケテクレタンダゼ》
「えっ、そうなんだ!」
「柊依さんが名付け親か。いいな」
《イイ名前ダロ。俺自身モ気ニ入ッテルシ、オ前タチト一緒デ柊依様ノコトガ大好キナンダ》
鴉にも慕われる柊依さん。やっぱりみんな彼女のことが大好きなんだな。
「あ、そろそろ出発だよな」
有一郎の声に僕と2羽がはっと時計を確認する。
《ソウネ。行キマショウカ》
「「うん!」」
お守り袋を首から下げて隊服の上着とシャツの間に仕舞う。日輪刀を腰に差し、僕たちは任務に出発した。
危ない場面はちょこちょこあったけれど、それぞれの呼吸の剣技を駆使して僕たちはどうにか鬼を倒すことができた。
藤の花の家紋の家でひと晩過ごさせてもらうことになって、2人と2羽でゆっくり身体を休めた。
夢を見た。柊依さんがいる。いつもの優しい笑顔だ。
柊依さん!
駆け寄っていっている筈なのに、全然近付かない。寧ろどんどん遠くなっていく。
柊依さん、待って!
必死に走る。でも夢の中って、頑張って走っているつもりなのに脚が思うように動かなくてもどかしいんだ。
ザシュッ!
突然、柊依さんが鋭い刃物のような物で傷付けられた。鮮血が勢いよく迸り出る。
柊依さん!柊依さん!
死にものぐるいで走って、やっと柊依さんのところに辿り着いた。でもその時にはもう、柊依さんは真っ青な顔をして息絶えてしまっていた。両親が死んだ時のことを思い出す。あの時の2人も、今の柊依さんみたいに青白い顔で瞼を固く閉じていたんだ。
いやだ!柊依さん!目を開けてよ!
そう叫ぼうとするのに声が出ない。
誰か来て!柊依さんを助けて!!お願い!!
「…ろ!……む、…い……!」
《無一郎!》
《シッカリシロ!》
声が聞こえて、はっと目を開けた。そこには僕の顔を覗き込む、有一郎と銀子と幸陽の心配そうな顔。
「…ぁ…、ひ、ひよりさんは…?」
「?柊依さんなら昨日の朝方遠くの任務に出たって言ったろ?」
そうだった……。
《無一郎。汗ガスゴイゾ。モウ1回オ風呂入ッテクルカ?》
「俺もそれがいいと思う。…お前、すごいうなされてたぞ」
「う、うん。そうする……。よかった、夢だったんだ……」
安堵すると同時に涙が出てきた。
《アラアラ。ヨッポド怖イ夢ダッタノネ。カワイソウニ…》
銀子が僕の肩に乗って顔を擦り寄せてきた。
《任務デ疲レタンダ。悪イ夢ヲ見タッテ仕方ナイサ。大丈夫カ?》
「…うん…っ……」
涙を拭いてお風呂場へ行く。夜中だけれど、藤の花の家紋の家ではいつでも鬼殺隊員を迎えられるように、24時間お風呂を沸かしてくれている。
お湯に浸かりながらさっき見た夢を思い出す。
柊依さん…、始めは笑顔だったのに。たった一撃で致命傷を負ってしまった。彼女のところに辿り着いた時にはもう手遅れで。助けを呼ぼうにも声が出なくて。悲しくて、もどかしくて。
夢の中の出来事なのにまた涙が出てくる。頬を伝ってぽつぽつと湯舟の中に落ちて溶け込んでいく。
もし、柊依さんが死んじゃったらどうしよう。父さんや母さんを亡くした時ももちろん悲しかったけれど、柊依さんまでいなくなったら…。僕も兄さんも立ち直れないかもしれない。
なんであんな夢を見たんだろう。ほんとに幸陽が言ったように疲れていただけなのかな。
……考えるのはもうよそう。朝になったらすぐ帰ろう。柊依さんと僕たちの家に。それで、任務から戻ってきた柊依さんにいっぱい抱き締めてもらうんだ。
柊依さんは強いんだ。柱なんだから。きっと大丈夫。
そう自分に言い聞かせて、僕は浴衣を纏いお風呂場を後にした。
何となく、また眠るのが怖くて目を開けたまま布団に横になって過ごした。隣では兄さんがすやすや眠っている。銀子も幸陽も、座布団の上で羽の中に頭をうずめるように丸くなって寝ていた。
朝になった。自分よりも早起きしている弟を見て、兄さんがびっくりしていた。銀子は起こされずに起床していた僕をこれでもかと褒めちぎった。
朝ごはんをいただいて、藤の花の家紋の家を後にする。
早く柊依さんに会いたい。その一心で足を進めた。
やっと花柱邸に帰ってきた。
「「ただいま戻りました」」
「あっ!有一郎さん、無一郎さん!」
僕たちの声を聞いて、慌てたように廊下から駆けてくる隠の人。
「おかえりなさい!…あの、大変なんです!」
「えっ? 」
「どうしたんですか?」
「先程連絡がありまして。花柱様が任務中に大怪我をされて蝶屋敷に運び込まれたと…!」
どくんっ…
心臓が大きく脈打つ。夢で見た光景が鮮明に頭の中に蘇る。
「すぐ行きます!俺たちを“ちょうやしき”に案内してください!」
口を開いたのは兄さんだった。
《蝶屋敷ヘハ、私タチガ連レテ行クワ!》
《柊依様ノ一大事ダ!2人トモ、急グゾ!》
「「うんっ!」」
「行ってらっしゃい!お気をつけて!」
鴉たちに案内されて、柊依さんが運び込まれた“ちょうやしき”へと走る。
道中、蝶屋敷について詳しく教えてもらった。先代の花柱が亡くなった後、現蟲柱の胡蝶しのぶさんが当主を引き継いだ鬼殺隊の診療所。病院のような役割を担っている。任務や修行中に怪我を負ったり、体調を崩した際にはみんなそこを利用するらしい。僕たちは今まで怪我をしても幸い軽症だったから、花柱邸で柊依さんや隠の人たちが手当をしてくれて。蝶屋敷に行くのはこれが初めてだった。
柊依さん…!どうか無事でいて!お願い!
滲んでくる涙を隊服の袖で乱暴に拭ってひた走る。柊依さんにもらったお守り袋を握り締めながら。
ようやく蝶屋敷に到着した。
「ごめんください!」
「胡蝶さんいらっしゃいますか?」
玄関で呼び掛けると、すぐに誰かが出てきた。蝶の羽のような模様の羽織を纏った小柄な女の人。頭には紫色の蝶の形の髪飾り。
「あら。もしかして、あなたたちが柊依さんのところの双子ちゃん?」
「はい!時透有一郎と申します」
「時透無一郎です」
「私は蟲柱・胡蝶しのぶです。…よかった、間に合って。大急ぎで来てくれたんでしょう?到着が随分早くて驚きました」
話しながら胡蝶さんが僕たちを案内してくれる。
「あのっ、柊依さんどうしたんですか?」
「怪我…、酷いんですか…?」
僕たちの質問に胡蝶さんが顔を曇らせた。
「柊依さんの鎹鴉からの報告では、任務中、彼女は他の隊士を庇って怪我をしたそうです。それは掠り傷程度のものだったのですが、その鬼を倒して本部まで戻って来る途中で別の鬼と遭遇し戦うことになって。一緒にいた隊士は相手の特殊な攻撃により即死。柊依さんも身体の何箇所も、その鬼の血鬼術で傷付けられて。朝日が昇り始め、やっとの思いで陽光の当たるところまで避難したおかげでとどめを刺されることはなかったそうなのですが…、負った傷が深い上に出血も酷く、命が危ない状態です」
全身から血の気が引いていく。
「ここです」
胡蝶さんに通された部屋。ここに来るまでに通った時に見えた病室はひと部屋に数人ずつの隊士が療養していたけれど、柊依さんの病室には彼女が横になっているベッドが1つだけ。
血と、消毒液や薬品の匂い。柊依さんの身体に巻かれた包帯には既に血が染みてきていて、怪我の酷さが伺える。腕に繋がれた管には赤い液体(多分、血だと思う)が流れていて、それを辿った先のパックには“ヤマトヒヨリ様 血液型:B(RH+)”と書かれていた。
「…なんとか一命は取り留めましたが、傷や出血による熱がとても高く、深刻な状況です。この3日間は峠だと思ってください」
「そんな…!」
「柊依さんっ!」
ベッドの柵をぎゅっと握る。
固く目を閉じたままピクリとも動かない柊依さん。硝子玉のように澄んだ群青色の瞳は長い睫毛に覆い隠されて。お化粧していつも綺麗な桃色のほっぺたも唇も、すっかり血の気を失って青白い。
熱い涙が頬を伝って流れ落ちる。後から後から溢れて止まらない。悲しくて悔しくて腹立たしくて、胸の中がぐちゃぐちゃだ。
憎い。柊依さんを…、僕の大好きな人をこんなふうにした鬼が憎い…!
今まで漠然としていた鬼への敵対心が、この瞬間、激しい憎悪へと変化した。
「…うっ…、柊依さんっ…!」
《柊依様…!目ヲ開ケテクダサイ…!》
《柊依様、ドウカ戻ッテキテクダサイ!》
兄さんと鴉たちも泣いている。
視界の隅には、そっと涙を拭う胡蝶さんの姿も。
「……胡蝶さん…」
「…どうしました?」
急に立ち上がった僕に、兄さんたちも何事かと注目する。
「柊依さんが戦った鬼について教えてください。僕が仇を討ちます。大事な人をこんなにされて許せない…!」
怒りと憎しみで全身が震える。
《チョット無一郎!何言ッテルノヨ!ダメヨ!》
《ソウダ、無茶ダ!馬鹿ナコトヲ言ウモンジャナイ!》
「どうしてっ!?柊依さんがこんなに傷付いてるのに、弟子の僕らが黙って大人しくしてるなんてできないよ!」
慌てて止めようとする2羽に言い返す僕。
「…無一郎くんの気持ちは分かりますが、いけません」
胡蝶さんが静かに口を開いた。
「今回、柊依さんが戦った相手は“上弦の壱”の鬼。鬼たちの…、特に十二鬼月の鬼の中でも最も鬼舞辻󠄀無惨に近い血の濃さを持った鬼です。柱の中でもかなりの強さを誇る柊依さんがここまでズタズタにやられた相手ですよ。剣士になりたてのあなたが敵う筈がないでしょう?」
「そんな…!でもっ…」
「悔しくて悲しい気持ちは私も同じです。柊依さんは亡くなった私の姉ととても仲がよくて、妹の私のこともとても可愛がってくれた、私にとっても大好きな人です。本音を言うと私だって、今すぐにでも上弦の壱を殺してやりたい。…でも、それは今じゃないの」
胡蝶さんが僕たちのほうに近付いてきて、ちり紙でそれぞれの涙を拭ってくれる。
「上弦の鬼と遭遇して生きていられたのは、現柱の中では柊依さんただ1人だけなんです。どんな相手か、どんな攻撃を仕掛けてくる鬼なのか、情報が何もないまま闇雲に特攻するのは命を軽々しくその辺に捨てるようなもの。仇を討ちたいのなら、今よりもっともっと強くならなければ。もっと鬼のことを詳しく調べるの。そして、機会を待つんです」
柊依さんの顔にかかった髪の毛をそっと退かしながら続ける胡蝶さん。
「柊依さんもあなたたちのことが大好きなんだと言っていましたよ。だからね、師匠の仇を取ろうと軽率に命を擲つようなことをしたらだめ。柊依さんが悲しみます。今のあなたたちにできるのは、今までよりもっと修行に励んで、鬼殺の任務の場数を踏んで強くなること。そして、大好きな柊依さんを支えることです。分かった?」
「…っ…、はい!」
「頑張ります…!」
泣きながら頷く僕と有一郎。そんな僕らを、胡蝶さんが柊依さんよりも小さな身体で2人いっぺんに抱き締めてくれた。
柊依さん、どうか戻ってきて。また一緒にごはん食べよう。剣も教えてよ。お買い物にも行きたい。いっぱい、いっぱいぎゅーってして。柊依さんに話したいことが山程あるんだよ。僕たち待ってるから。絶対死んじゃだめ!お願い、柊依さん。僕らを置いていかないで……!
続く
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