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ゆり組待ってました🫶 まきぴよちゃんのペースで無理なく書いてね。いつまでも待ってるよ︎💕︎
ゆり組は正義!って思える作品でしょっぴーの塩な感じと舘の甘い感じが最高です!これからも楽しみしてます!
最近苺にハマっている渡辺。スーパーに立ち寄って、売り場の山からなるべく赤くて大きな粒が入っているパックを選ぶ。苺は洗ってそのまま食べられるので気に入っている。
💙一つじゃ足りない?…二つ買うか
家に帰ると、恋人が夕飯の支度をしている。
そういえば、朝出かける前に今夜はビーフシチューにすると言っていた。
いい匂いが部屋中に漂っている。
一人の頃には冷たい何もない部屋に帰るだけの生活だったが今は違う。
電気の点いた明るい部屋、暖まったリビング、そして美味しいに違いない夕餉の香り。
❤️おかえり、もうできるよ
💙ただいま
どちらからともなくキスを交わす。
渡辺は上着を脱いで、ソファに置いた。
❤️だめだめ。ちゃんと掛けて
すかさず宮舘に注意され、ほっぺを膨らませながらコート掛けに掛ける。
💙俺だって綺麗好きだけど、お前のは極端
❤️皺になったら服が可哀想でしょ
💙はいはい
少し前から連ドラの撮影が始まっている。そろそろ情報も解禁になる頃だろう。
毎朝寒い中黙って撮影に行くのも骨が折れたが、ファンの反応も上々でまあ、良かった。
💙いただきます
❤️いただきます
二人で食卓につく。
宮舘がパンを渡辺に渡す。
💙ありがとう
パンをシチューに付けて、渡辺は口に運んだ。
💙うわっ!うまっ!!
宮舘は笑う。
渡辺はいくつになっても、子供の頃と変わらない。
無邪気で可愛らしい少年時代のままだ。
❤️よかった。結構手が込んでるんだよ、これでも
💙いやわかる。煮込み料理って、大変そうだもんな
❤️良かったら今度一緒に…
💙それはパス。それ以外なら何でもやるから
渡辺はもうすっかり料理担当は宮舘と決めているようだ。
実は渡辺は以前宮舘の真似をして料理を作ってみようと思ったが、火加減を間違えたせいで肉がみるみる焦げていくのを見て諦めた。
結構高かったのに…A5和牛とかで
渡辺は思い出して、少し顔をしかめた。
💙ふー、お腹いっぱい
渡辺は立ち上がり、そのままソファに横になった。
宮舘は黙々と片付けを始めている。
💙りょおたーーー
❤️んーーー?
💙俺たち、そろそろ一緒に暮らす?
だだだだんっ!!!!!
ものすごい勢いで、宮舘がキッチンから渡辺の横に飛んできた。
❤️今、なんて???
💙…何も言ってない
❤️一緒に住みたいって言ったよね?
💙ばっちり聞こえてんじゃん
❤️一緒に住みたいとか…
宮舘は震えて喜びを噛み締めている。
💙暮らさないかと言っただけで、住みたいと言ったわけでは…
ぎゅうっ。
宮舘は、渡辺を力いっぱい抱きしめた。
手にはスポンジを握ったまま、渡辺の髪には少し洗剤がかかった。
❤️嬉しい
💙あ、そう
❤️引っ越す?
💙うーん、それはおいおい考えるとして、とりあえずどっちかの家に住んでみるか
長い話し合いの結果。
宮舘の家に渡辺が少しずつ荷物を移動させ
ることになった。
宮舘の家は二人で住むには十分の広さがある。
💙あま
話し合いを終え、先ほど買って来た苺を食後のデザートとして二人で食べる。
ヘタを取って、根元から。
この方が甘いんだと農家さんに教えてもらった。店先でしっかり吟味しただけあって、赤く、よく熟れている。
宮舘は几帳面にフォークを刺して食べている。
❤️いつもより美味しい気がする…これが幸せの味ってやつか……
少し夢みがちになっている宮舘のことは放っておこう。
それにしても、と渡辺は思う。
他人と住むなどとは絶対に考えられないって思っていたのに、こいつとならいいかもって思えるなんて。
締まりの無い顔でにやにやしている宮舘を渡辺は見やる。
こんなことでこんなに喜んでくれるのなら、恥を忍んで提案してよかった。
ちゅっ。
宮舘が苺を食べる手を止めて、唇を合わせて来た。
渡辺もそれに応える。
❤️甘い
💙お前のも
微笑みあって、夜が始まる。
こうして、二人の波乱続きの同棲生活がまもなく始まろうとしていた。