お誕生日おめでとうございます🎁💛
mtk×ryk
紛れもない遅刻です。
適当に、とまでは言いませんが急いで書きました。駄文が多くなってしまい読みにくい箇所もあるかもしれません。ご了承ください。とりあえず書きたかったのはでっかい愛です🫶
side ryk
タイアップの新曲リリースや音楽番組の出演、さらに元貴が初主演を務めた映画は無事に公開され、メディアへの露出は少し落ち着いた。休む間もなく元貴はそのまま制作期間へと突入した。
一応同じ家に住んでいるけれど部屋に籠って楽曲をつくる元貴と、練習やら収録やらで出かけることも多い僕は生活リズムが合わず顔を合わせる回数も少なくなる。
ちゃんと食べてるかなとか、眠れてるかなとか心配は無数にあるけど、ミセスの要は元貴だ。曲づくりの全てを担ってもらっている以上僕にそれを阻む権利はないかなって。
今日は若井とジャムランドの収録をして、その後はソロでテレビ番組の収録というスケジュールだった。やっと終わった〜長かった!と伸びをしていたところで、良かったらご飯に行きませんかと共演者の方に声をかけられた。特に断る理由もないので了承した。
思いの外盛り上がってしまい気がつけばもう日付が変わっている。明日もとい今日はいつぶりか分からないくらい久しぶりの1日オフだ。何しようかななんて考えながら帰路につく。
「ただいま〜」
「おかえり」
え!?誰もいないと思っていた空間から返事が聞こえて飛び上がるくらい驚いてしまった。
「元貴…?どうしたの」
「何その幽霊でも見るような目は」
「ごめん、部屋にいると思ったから。制作はひと段落したの…?」
「んーん」
どこか不満気に返事をする元貴。責めたように聞こえちゃったかな…?ソファに座っていて表情が見えないから少し不安になる。
「そっか。ふふ…久しぶりに元貴と話せて嬉しい」
「僕も」
「…ねー!りょうちゃん本当に気づかないの?」
「え?なになに?」
こちらをじっと見てくる元貴の表情からネガティブな内容ではないことが分かってとりあえず安堵する。
元貴がぽんぽんっとソファを叩く。隣に座れという意味だろう。待ってね、と声をかけて手を洗いに行く。うちの大事なボーカルに風邪なんか移したら大変だからね。ちゃんとしないと。僕はいたって真面目なんだけど元貴は毎回「 律儀だね」って笑うんだ。
戻ると元貴は僕の腕を引いた。
そのままぎゅっとハグをされる。
久々の元貴だぁ… 落ち着くな。
「誕生日おめでとう」
あ…
カレンダーに目をやると今日は元貴の言う通り、僕の誕生日だった。
「もしかして待っててくれたの…?」
「そうだよ」
制作を中断してまで僕のことを考えてくれていたことに嬉しくなる。ねーかわいい…
「帰るの遅くなっちゃってごめんね」
「大丈夫。今日も収録大変だったでしょ、ごめん諸々二人に任せっきりになっちゃって。」
「元貴が魂削って楽曲つくってくれてるんだもん。僕にそれはできないから。せめて他の部分で頑張らせて」
お互いにごめんねとありがとうの気持ちを伝え合って、それがなんかおかしくなってきて二人で笑う。幸せだ。この数日間元貴に会えなくて感じていた若干の寂しさが一瞬ですーっと消えてゆく。
「ね、ちゅーしたい」
珍しく素直に強請る元貴が本当に可愛くてしょうがない。だけど、
「…ごめん、お酒飲んでるけど大丈夫?」
元貴が待ってくれてるなんて思わなかったから、勧められるがままかなりのお酒を飲んでしまっている。こんなことならご飯の誘いすらも断って真っ直ぐ帰ってくればよかった。
返事もせずに元貴は僕の唇にキスを落とした。
「んっ、」
ほとんど触れるだけのそれだったのに、元貴がわざとちゅっと音が鳴るようにしたせいか思わず声が出てしまった。
「ねえ、疲れてるだろうと思って我慢してるんだからそんなかわいい声出さないで」
「っ…!」
耳元で囁かれる低い声といつになくギラギラとした視線に心奪われる。僕やっぱりたまらなく元貴が好きだ…
触れていたくて、離れたくなくて、僕は再び元貴を抱きしめた。
「大好き…元貴」
「僕の方が好きだよ 」
「涼ちゃん、生まれてきてくれてありがと」
どれくらいの時間が経ったのだろうか。元貴の匂いに包まれながら幸せに浸っていると、僕の肩に頭を乗せていた元貴が眠っていることに気がつく。眼鏡を外してとりあえずソファに寝かせる。口では大丈夫と言いつつやっぱり無理してるんだろうな。目の下にくっきりと浮かぶクマがそれを物語っている。
勝手に入るのはどうかと思ったけどここで朝まで寝てしまうよりはいいだろうと判断して元貴を部屋に運ぶ。ベッドに降ろしてから何気なく部屋を見渡す。カーテンはしっかりと閉められ、空気がこもっているような気がする。電源が入ったままになっているパソコンや机の上に散らばった紙や走り書きのメモ。元貴の苦悩が垣間見える。
…と、その中に一つぱっと目を引くフレーズを見つけた。最初は自惚れかなと思ったけれど先に先にと読み進めるうちに確信する。…これ僕のことだ。普段の元貴からは出てこないような甘い言葉が並んでいて少しむず痒い。
こんな曲リリースしたらみんなにバレちゃうって…と呆れながらも、僕はこんなに愛されてるんだなって温かい気持ちの方が大きい。
あどけない顔ですやすやと眠る元貴の頬にキスをした。
「頼りない歳上かもしれないけど僕が必ず幸せにするからね。」
コメント
2件
ひたすらかわいい作品だなぁ…… 絶対もっと伸びていい💗💗