『なんだ、その目つきは?まだ殴りたりねぇのか? 』
「…ごめんなさい」
あぁ、今日もか。
…全身が痛い、
18にもなって抵抗の一つも出来ない私も私だが、、この父はゴミクズの様だ。
母は私が小さい頃、父を騙して金をとり、どこかに消えた。
きっと母に似ている私の顔が憎らしいのだろう。
「家事が終わりましたので、寝ます。」
……やはり返事などないか。
「おやすみなさい」
ピピピピッ
朝の5時、よし、いつもより少し余裕が作れる。
私は朝に、家事をして、父の身分証で酒を買いに行く。
私の見た目は20歳くらいに見える様だから、酒はある程度説明したら買える。
全てが終わって朝7時、支度をして学校に行く。
学費は学校で成績一位を取り続ける事で免除してもらっている。
当然父は行くのを否定したが、学校に頼み込んでお金を貸してもらい、金の力で説得した。
「…時間は、」
ピッタリだ。
学校は快適だ。
父は手出しが出来ず、
人と関わるかの選択も自由だ。
勉強をする時間も与えられる。
でも、
私はいじめられている。
理由は、、まぁ。
陰キャだからだろうな、地味な私が学年一位を取り続けるのだから、不満も溜まるだろう。
普段から暴力を受けているため、傷が出来るのは怖くない。
「帰るか」
[帰れるとでも思ってんの?]
「…はぁ、」
[生意気なため息吐いてんじゃねぇぞ?]
長くなりそうだ。
まずいな、速く帰らなきゃ、父の機嫌が悪くなる。
「申し訳ございません、父の機嫌を損ねてしまうので、帰らせてください。」
こうなってしまったら頼み込むしかない。
私はまだ、死にたくない。
そんな想いで喋っていたら、誰かが物陰に見えた。
そう思った瞬間。
「、、何してるの」
私といじめっ子たちの間に割って入った。
「この子、痣凄いじゃん、警察問題だよ」
、、、あぁ、この子はダメだ。
警察を信じてる、とても純粋な子。
巻き込んではいけない。
「大丈夫だよ」
「…え?」
「この痣は、父から貰ったものだから、彼女達は罰を受けるほどの事はしてない。」
「……」
「分かった。」
この子は、優しいな。
悲しみと闇に満ちた心を輝らしてくれているみたいに、心が暖かくなる。
気付けばいじめっ子は居なくなっていた。
「ねぇ、、貴方の名前は、?」
「…星街すいせいだよ」
「そっか、みこはさくらみこだにぇ、」
、、何故か突然、さくらさんの口調が拙くなった。自然と口元が緩む。
眼鏡は壊れ、前髪も上に流れている事を忘れて笑った。
「…かわいい!」
「え?」
「ねぇ星街さん!うぅん、すいちゃん、明日から眼鏡外して、前髪も上げてきてよ!」
「ぇあ、、はい、」
「っしゃきたぁ!これで学校でも目の保養が出来たにぇ!」
…驚いた。
目の前で嬉しそうに話す貴方を見ていると、
心が、暖かく輝らされる様で、自然と笑顔が溢れて止まらない。
一人でそうやって驚いていたら、突然さくらさんが突然目の前に来て腰を曲げ、私に顔を近づけた。
「みこちって呼んで、!今日からみこたちは、友達だにぇ!」
「…うん!」
人生で初めて出来た友達に心を躍らせる。
あぁ、世界が明るい。
帰り道がこんなにも明るく照らされて見えたのは、初めてだった。
コメント
3件
続きが楽しみ
最高です