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お餅
36
#countryhumans
せきのと
18
注意
日本語❌❌
矛盾が恐らくあります。
実在の団体を基にしています。
歴史に疎いので現実の歴史と比べて違和感がある可能性が大です!
シリアスのつもりです。
政治的な意図はありません
以上が大丈夫な方はどうぞ!
~ 1936/4/23? ~
あれからまた数日と経った。この生活にも多少は慣れというものを感じてきただろうか。
未だに、狂った、よもや同じ区分に入る者とは思えないやつの言う『愛』は常人より熱を持っていて、すっと冷めてしまいそうで到底受け入れられないが。安心はする。何故だろうか。今の生活が、生まれた時からの生活と大して変わらないからか。精気の抜けた痩せた男どもと、相対的にふくよかに見える男どもに常日頃監視されるあの時より、視線がなくなったからだろうか。
「さびしい。それはきっと、アレのせいか」
毎日、たった1日も欠かす事なく眺めていた宝箱。
儚いドールハウスのようなこの場所に、あんな汚泥みたいなモノは在るはずがない。羽根のような空間に、重力なんて感じさせてはならないからな。
__見たい…。懇願すれば、鎖の一欠片だけでも見せてくれないだろうか。それでは結局、また頼み込むのがオチだがな。
はぁ、モノが見たい。あの泥玉。呪詛を封じる器、唐櫃を。
___俺が呪詛にした特別を。
はは、嗚呼。清々しい。木々に覆われた木陰の下で、全身を植物に包まれるよう。
カンナビスで寝屋を作り、食を飲み込み、生を産む。まさに、地獄。雲の上に存在する地獄だ。そんな天空の地底を望んで、空想して、満たす承認欲求が大好きだ。
涙を流した。目薬使って泣くおなごの如く。
何も無いまなこに一滴の水を満たせば、それは苦痛の涙になる。
空想しても得られなかった承認欲への癇癪を晴らすように。珠を一滴、足元へ落とした。
「泣いてるのか?….大丈夫。私がいる」
「ナチ……..」
優しい温もりで包まれる。大麻で編んだ麻布みたい。子守唄と聞き紛う、俺を宥める優しい声。あやすように差し出され、俺の眦を拭う食指。
その指先で、俺はいつぞに殺されたい。優しさも愛も要らない。ただ後悔に呑まれたまま、消えないトラウマとして、俺をその脳の中に飼って欲しい。
輪廻の先でも途切れないような、特大の呪いを綴った細い絹糸のラブレターで頚椎を絞めて欲しい。
俺の持ち得ない愛を語って、喉を詰まらせるほどに流し込んで欲しい。
存在しないモノへの拒絶感で吐いて苦しんだ俺へ、それでも注ぎ続けて欲しい。
俺が俺でなくなるほどに。全てを愛で作り替えられたい。
韓紅に紅付くその顔立ちを。お揃いの紅を。
お前だけの紅に変えて。
あゝ、敬愛に溺れる憐れな人よ。愛慕たり得ない恩愛に毒を混ぜたこの私めに何を求めようか。
あゝ、俺を苦しめる最愛の紅よ。
いつか送ろう、黒の薔薇とチューリップの束ねたものを。__この感情に良く似た花束を。
だからどうか、この呪いに結われておくれ。
紅を括ったレースに、幾本もの棘を散りばめておこう。俺の血で育った薔薇の棘。
その楔を他所へと散らして、みんなみんなに、俺を植え込んでくれ。
「俺はお前だけでは足りないんだ、ナチ。この傲慢さを俺は分かっている。…..分かってるのに、__分かってるからか。もう俺は手遅れなんだ」
「…..言ったろう、私がいると。足りないなら、幾らでも注いでやるさ。例え器が割れていようとも」
「はは!割れた器か、…..もしかしたら、器ですらないかもしれないがな!」
「ならば、君が器を作りたいと望むほどに、君が望むものを注ぎ続けよう」
ああ言えば、こう言う。それが嬉しくて憎くて、なんか気持ち悪くて。__その感情を持つことが申し訳なくて。
気まずさに目を背けようと、ベッドに背から倒れ込んだ。
「…….そうなったら、いいだろうな」
掬った指の隙間から溢れる水のように、零れるため息。何に対してか。…..果たしてそれに意味が必要か。意味に囚われる事は、果たして人生における最終目的を達成させる為に誰かが必要とするだろうか。
……ただモノを考えたく無いだけか。
「俺は死にたい」
静かに見開かれる瞼に、思わずクスッと笑ってしまう。そんなにも驚く事では無いと思うが、希死念慮は理解ができない系っぽいなと、勝手な偏見と決めつけで、雑に思考をまとめた。
多分、いつか、暇な時にひも解くのも悪くは無いだろう。
「私との生活は、…苦しいか? 」
___嗚呼、そう言うことね。
「いや、__寧ろ、ここまで想われる幸せは…..これまでの人生、きっとまともに感じたことは無いな」
「だったら何故…? 」
何故、ね。
……自己が望む死とは、果たして生きる事の苦しさからしか成らぬものだろうか?
生きる事が苦しいのなら、俺は既にこの世にいない。だってそうだろう。この世に生きとし生けるものは俺を救ってくれるかもしれないが、神は他所でお気に入りを救っているのだ。俺のような出来損ない、見ても気分が悪くなるだけであろうし。生ける者共は皆、俺を避けて見捨たのだから苦しい生と成るのだろう。
ならば俺の生は苦しいと呼べるか?__否。俺は三大欲求に加え、四大欲求説を証明する存在にすらなり得るほどに恵まれている。
俺は愛を知っているんだ。たった一つの形に囚われないソレは、あまりにも魅力的。正に禁断の果実であるにも関わらず、誰もがいつしか齧ることとなる、不可抗力的な幸せだ。
愛は誰でも持てる。俺も愛を持っている。俺は人に愛を貰うことが好きだ。分け与える事は何よりも好きだ。
だが、愛とは基本、相互性のモノである。
……そう思うのはきっと、俺が返されない愛には愛を与えないからだろう。
そんな愛を。そんな呪いを。俺は相手よりも多く与えたい。与えないといけない気がしてならない。
与えられた分だけの愛で返さなければ、申し訳なさで潰れてしまうから。返さなければきっと相手は愛をくれなくなるから。愛せない存在なんて、人はあっという間に”忘れてしまう”。
人に忘れられたその時こそ、人は本当の死を迎えるらしい。
俺は死にたくないッ!!
だからこそ俺は、…..。誰かのトラウマになりたい。
誰からも愛される存在は、くたばるその時まで愛されていないと、常に相手から貰える愛の量が増えていないと、いつかは死ぬ。
だって、そうだろう。
愛が悲しみを超えなければ、誰も故人の話など他者に、これからの世を生きる若者に語ったりなどしないのだから。
それに比べて憎しみはどうか。恨み言はあっと言う間に世間に広まる。俺が死んだら怒る人間はとても多い。憎しみは歴史の先でも生き続けるのだ。不毛な永久機関として。
だから俺は死にたいのだ。
人々の行き交う街の中。死に対して強い恐怖心を抱くものは多いだろう。
その中で死ねたら……!
「俺はどれだけの人間の中で生きるだろうか!!」
「っ……..?」
……分からないものを見る目。ほら、お前だって俺を理解できていない。受け付けようとはしない。だから俺もお前を受け付けない。
「そんなに俺が好きだと言うなら、俺が語らずとも、今ので全部分かってくれ。俺は疲れた…….ねる….」
……声が聞こえる、…..何かを言っている。
いいか、ねむい。もう何も動かしたくない….。
「ーーーーー」
はは、嘘泣きの上手な奴。愚図のくせに。自分すら騙せるなんて恐れ入るね。
コメント
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ちなみにナチさんの感情について描写している場面、大抵はソビエトのフィルター越しに見えているものなので誤った解釈の仕方してることが多いですとちょっとした設定を...。 ナチさんは全然そんなこと思っていなくとも、捻くれた考え方のおかげで捻じ曲がった捉え方をソビエトは常にしています。