テラーノベル
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「こら、ひーば?」
「…せん、せ」
「急にいなくなったと思ったらこんな所でなにしてんの
旧館は基本出入り禁止だよ」
そう笑った先生に俺はただ引きつったように笑うことしか出来なかった。
力が入らない足も、腕も酷くだるい頭では何も考えられなくて喉が締まって目頭が熱くなるような感覚になる。
視界がゆらゆらと潤んでたまらず下を向く。
「…なぁに、どうしたの」
「……なんでもないよ、へーき」
だから
だから
気づかないで。優し顔をせんで、そんな風に優しく話しかけんで…
これ以上
(…気のせいだって思えなくなるから)
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