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「そこのイスに、かけなさい」
政宗医師が、手にしたペンの先で、患者さんが座るための丸イスを指し示す。
「……なんの、用なんですか?」
イスを後ろに引いて、なるべく距離をあけるようにして、そろそろと腰を下ろした。
「今日は、来院の方があまりいないので、あなたと話でもと思いまして」
まるで、親しい間柄で気軽い会話でもするかのように切り出されて、
「話なんか、ないはずですが……」
一体どういうつもりでと怪訝に感じる。
「君は、相変わらず、強情な言い方をされるのですね…」
持っているペンの先で、神経質そうにコンコンと机の端を叩くと、
「……笹井さんは、そんな風にはしませんでしたよ……」
向こうから、不意に真梨奈の話題を振ってきた。