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眠りひめ
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朝から雑誌の取材だった。
撮影が終わり、今は五人並んでインタビューを受けている。
「最近、一番笑ったことは?」
そんなよくある質問に、舜太が大げさな身振りを交えながら話し始める。
「この前さぁ、太ちゃんが──」
案の定、話は脱線していく。
「あれは俺悪くないやろ!」
「いやあれはね、さすがにアカンと思ったわ」
笑い声が広がる。
記者もスタッフもつられて笑っていた。
その輪の少し外で、はやちゃんも肩を揺らして笑っている。
……
また見てる。
ふと気付いて、慌てて記者へ視線を戻した。
最近、何だろう。
気付けば目で追ってしまう。
誰と話しているのか、どんな顔で笑っているのか。
ちゃんとご飯食べてるかな、とか。
ドラマ撮影は終わったみたいだけど、ちゃんと眠れてるのかな、とか。
考えなくてもいいことばかり考えてしまう。
たぶん、ずっと忙しかったから、少し心配なんだ。
……うん。
きっと、それだけ。
⸻
取材が終わり、移動の時間になる。
スタッフが慌ただしく機材を運び始めた。
「忘れ物ないようお願いしまーす」
メンバーもそれぞれ荷物を手にして歩き出す。
柔太朗もバッグを肩へ掛け、みんなのあとを追った。
廊下を曲がる。その瞬間だった。
何気なく、目が人混みを探す。
……あれ。はやちゃんは?
少しだけ胸がざわついた。
さっきまで、すぐ前を歩いていたのに。
思わず足が止まる。
「どうした?」
仁人が振り返る。
「あ……いや」
返事をしながら辺りを見回す。
いない。
少しだけ鼓動が速くなる。
すると、
「悪い悪い」
聞き慣れた声が後ろから届いた。
振り返る。
スタッフに呼び止められて、何か確認していたらしい。
「ごめんな、待たせた」
いつも通りの笑顔。
それを見た瞬間、
「……よかった」
ぽろりと声が漏れた。
「?」
はやちゃんが笑う。
「何が?」
「あ、いや」
慌てて首を振る。
「いなくなったかと思って」
「いなくならねぇよ」
笑いながら言う。
その笑顔につられて、自分まで笑ってしまう。
よかった。
……何が?
たった数秒見失っただけなのに。
自分でも、その「よかった」が、どこから出てきたのか分からなかった。
⸻
成立するところまで書きたいので、
こちらを後編改め、中編とします。
騒がしくてすいません。
こちらのお話はだいぶストックできたので、毎朝ひとつずつ上げていきます。
コメント
5件

天才ですよぉ!柔くんそろそろ自分の気持ちに気づくかな……、? はやちゃんもメロいですねぇ😭
読了したよ〜!😭💕 柔太朗、絶対「それだけ」じゃないやつ!!!! 目で追っちゃうのも、ご飯食べてるかなって思っちゃうのも、はやちゃん見失って「よかった」って声漏れちゃうのも……全部がもう甘すぎてキュンが止まらない😌💘 本人が自分の気持ちに気づいてないのも最高にエモい…! 取材シーンの五人組のわちゃわちゃ感も好きです。中編でここで切るの、続きが気になりすぎます…! 毎朝更新楽しみにしてますね🎀✨