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―阿side―
阿部亮平。32歳。職業は…今はフリーター。アイドルグループSnowManの目黒蓮と付き合っている。
阿「…蓮、起きて!」
目「まだ寝る…、」
阿「今日収録でしょ!」
目「…やだ、」
阿「もう…蓮!笑」
今日、蓮はそれスノの収録がある。なのにこの人…目覚めが悪い。
阿「蓮!」
目「…んん、」
阿「もう…、」
チュ、
阿「…蓮、起きて?…ってうわぁ!」
いきなり腕を引っ張られたと思ったら蓮に抱き締められていた。
目「…好き、」
阿「…///、俺もだよ、」
目「起きる。」
阿「最初っから起きてよ、」
目「…無理。」
阿「もぅ、」
これが、幸せで、愛おしくて、大好きな俺の日常。
…
阿「行ってらっしゃい!」
目「行ってきます。」
ガチャ、
笑顔で蓮を見送って、家事に取り掛かる。
阿「いッ…、」
突然の胸の痛みが、俺を襲う。
阿「…ッ、薬ッ…、」
引き出しを漁って、薬をその場で飲み込む。
阿「…ッ、ふぅ、」
こんな発作も、俺の日常。
…
元々は俺もSnowManだった。歌って、踊って、輝いてて。メンバーと、ファンの方達と。毎日が楽しかった。大好きだった。
…俺の、病気が分かるまで。
あれは4年前の事。
俺はいつも通りダンス練習に参加していた。ライブツアーを控えていて、忙しい時期だった。
朝から調子悪いな、とは思っていた。でも軽い風邪だろ、とか思って普通に練習に参加した。
岩「5,6,7,8…」
阿「ッ、はぁ、はぁ…、」
目「…亮平?」
阿「はぁッ…ッ、」
バタッ
目「亮平!」
踊ってたら息が苦しくなって、何も考えられなくなって、足が動かなくて。
…気付いたら、その場に倒れていた。
…
次に目が覚めた時、俺は病院のベッドで寝ていた。
阿「…ッ、」
目「…亮平!」
阿「…蓮、皆も…、」
俺のベッドの周りには、俺の手を握っている蓮を始め、泣きそうになっているメンバー達が居た。
佐「阿部ちゃーん、泣、」
佐久間が抱き着いてきて、
向「阿部ちゃん!泣、」
康二も抱き着いてきて。
渡「阿部ちゃん…泣、」
宮「阿部…大丈夫?」
ラ「…急に倒れるから、びっくりした…泣、」
阿「俺…、何があったの?」
深「阿部ちゃんが倒れて、救急車呼んで。今これ…、」
阿「えぇ、?」
よくよく自分の体を見ると、沢山の管に繋がれていた。まるで、重病人のように。
阿「…説明は、あったの?」
岩「いや、阿部が目、覚めたらするって。」
深「…多分もう少しで、」
コンコン、
医者「失礼します。」
看護師「失礼します、」
阿「…どうも、」
医者「阿部、亮平さん。今回あなたが倒れた原因をお伝えします。」
阿「…はい、」
医者「…病気です。心臓の。」
阿「…え、」
そこから沢山の説明をされた。病気の名前、症状、薬。そして、
医者「…激しい運動は、控えて欲しいです。」
阿「…それは、」
医者「…、」
阿「アイドルも、ですか。」
医者「…医者としては、おすすめは出来ません。」
阿「ッ、」
目の前が真っ暗になった。急な事で頭が追いつかなかった。蓮も、メンバーも、皆泣いていた。俺は涙も出なかった。受け止めきれてなかった。
本当にこれは現実なのか。
…次の日目が覚めても、俺は病院ベッドの上にいて、管が沢山付いていて。現実で。俺は静かに泣いた。
…
別に余命とかがある訳でもなく、一通り検査をしたら退院できた。まぁ、通院と薬は沢山言われたけど。
蓮も一緒に来れる日は病院に来てくれるし、薬だって常備してくれてた。
ただアイドル活動は苦しいものだった。
ダンス練習をする度に倒れ、搬送されて。暫くすると歌にまで影響が出てきて。薬、病院、薬、病院…何回も繰り返した。
…俺は泣く泣く、ライブツアー目前にして、SnowManを脱退した。理由は公表しなかった。静かに、何も言わず、姿を消した。
…
勿論、世間の反応は凄かった。悲しみの声で溢れていた。推しを辞める人だって、居たと思う。
毎日泣いて、自分を責めてた。
それでも蓮は、毎日俺も抱き締めて、隣に居てくれた。心強かった。
そして今に至る。今やSnowManは国民的アイドルにまで成長していた。バラエティ、ドラマ、映画、雑誌、舞台。俺が一緒に見る事の出来なかった世界を、皆は見てる。
時々、嫌になる。そう思ってしまう自分も、こんな日常も。
でも俺には蓮が居てくれて、メンバーとも仲が良い。皆忙しいからしょっちゅうって訳じゃないけど、飲みに行ったり、買い物に行ったり。時には俺の謎解きに付き添ってもらったり。
これもこれで良かった。俺は楽しい。幸せ。
だからせめてこの日常だけは、続いてほしい。
ほむぺ⋆*
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コメント
3件

🖤💚最高です 薬飲んでたら大丈夫なのかな 🖤置いてかないでね😢
うわあ…これは切ない。冒頭の甘々な朝のやりとりが、後半の回想で全部違う意味を持って返ってくる感じがしました。「幸せで愛おしい日常」って言葉が、胸の痛みと一緒に並んでいるところが特にグッときます。蓮くんがずっと隣にいてくれるのが、唯一の救いというか…。続き、どうなっていくんでしょう。