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ここではゆずくれ以外のペアを中心にやっていきたいと思います!
それでは~
どうぞ~っ
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Misaki side
ある部屋のベランダから煙草の匂い。
毎週同じ時間になれば煙草の匂いが隣の部屋まで匂ってくる。
夜の冷たい空気が肌にしみて喉を焼くけど、
それすらも心地よく感じる。
💛「おーい。美咲。」
隣のベランダからひょっこりと顔を出したのは綺羅だった。
何かを諦めたような冷め切った目で見つめてくる。
💛「また、ギターの練習?ほんとっ笑飽きないね。」
🧡「うっさいな。」
可愛い顔から出された声は冷たいようでどこか優しさを隠してる。
私も少し顔を上げ綺羅の方を見る。
ただただいるだけで全てを飲み込んでしまいそうな存在感。
🧡「ねえ、例のもの。まだなの?」
私の言葉に綺羅は何も言わずただじっと遠くを見つめている。
💛「で、ちゃんと条件は満たしたんだろうね?」
私は無言で自分が盗んできたものを投げて渡す。
高級時計、財布。全部どこか品のないものだらけ。
綺羅がそれを見て無表情で言った。
💛「はは、っ笑。ちゃんとするんだ。でもリーダーさん?」
💛「これだけじゃ~、…満足してないんでしょ。」
手が小刻みに震えてだす。
綺羅が手に持つものをちらちら見せびらかす。
まるで自分だけが間違えてる。もうやめろ。というように。
綺羅だってクソみたいなクスリ売ってるだけだろが。
💛「これがないと生きていけないの?」
その問いかけに言葉が出ない。
そんな答えだって最初からわかってるつもり。
💛「早く、答えな?」
しばらくの沈黙の後こう告げる。
🧡「綺羅が欲しがったから…じゃないの。」
💛「別に。笑美咲が居なくたって生きていけるけど?」
意地悪い顔をしてのぞいてくる。私はその顔を見て、
🧡「趣味わっる。」
するとただただ笑って見ているだけの綺羅。
🧡「お互いに求め合ってるんだから、それの何が悪いの。」
今まで黙っていた気持ちが込み上げてきて思わず声にしてしまった。
あまりにも歪んだ笑顔だった。
綺羅がこうしたのに。綺羅が求めなければ、私はずっと普通だった。
自分のためだけに生きてればよかったの。
綺羅が邪魔。
お互いにお互いの邪魔をし合う。狂ったように。段々堕ちていく。
救いようのない関係性に反吐がでる。
💛「ほらよ。やるわ。」
まるでしてあげました感で小さな小瓶を投げ渡す。
その中はどこか青白く透明に光る液体。
段々心臓の鼓動が速くなる。
💛「これでもっと綺羅に堕ちてくれる?」
静かに微笑んだ表情には何を考えてるのかがさっぱり。
でもこれを飲めば楽になる。
本能的にそう感じてる。
やがて私は瓶を開けて口に含む。
最初はヒリヒリとした痛み、だけどそれがだんだんと
温かさに変わっていって心なしか静かに鎮まっていくのを感じる。
同時に心と身体全部を綺羅に支配されてく気がして、。
🧡「これで、…満足でしょ。」
ただただじっと見つめる綺羅。
優しいはずなのに私にとっては胸が痛い。
どうして綺羅がこんなことをしてるのか、誰だって分からない。
綺羅自身にしか分からない。
、でも分かってることはただ一つ。
それは私が彼女の道具だということ。
私を利用しているのはわかる。
私の心の中を読んでるように次々と発してく。
💛「そうなのかもね、笑。でもそれでいいじゃん。」
💛「美咲が壊れない限り綺羅は美咲を求め続ける。」
綺羅は淡々と言葉を紡いでく。
聞いてるうちに私が汚く感じた。
こんな奴になんでもする自分が惨めになる。
でもそれはやめられない。
綺羅に求められることが私の存在意義だと感じてしまっていたから。
💛「できない……、なんて、言わないでね。」
💛「もうこんな運命なんだから。」
真夜中の夜空に綺羅の声が低く響き渡る。
🧡「お希望とあらばなんだって盗んでくるよ。」
視界がぼやけつつもそう答えた。
私の中で何かが崩れ落ちる音がした。
もう後戻りはできない、そんな音だった。
私の良心が煙草の煙によってかき消されていった。
end…