愛して溺れて___。
-黄赤-
画面を黒バージョン(?)で見ると雰囲気出るかもです!
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少しだけ部屋の天井が見えたあとすぐに影に覆われた。
見上げれば涙を流し、少し青ざめた顔をして息を切らしている赤の姿。
こうなったのも不安にさせた僕のせい。
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朝から、いや少し前から様子がおかしかった。
何をするにもこちらの様子を伺うように過ごしていて、用事で出かけようとすると不安そうになりながら送り出す。
今日は赤も僕も用事が早く終わり、ご飯を食べてもう11時をまわっている。
お風呂を先に入り、今は赤が入っている。
髪を拭きながら“赤とちゃんと話そう”なんて考える。
ベッドにすわり、仕事の連絡が来ていないかを確認する。
明日は特に用事は入ってなかったから赤とゆっくりできるかな。
それ以前に赤に何かあったのかと考えると頭がごちゃごちゃになる。
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小さい頃から赤とは仲良かった。
赤は昔から、自分を下に見るタイプだった。
“こうしないと嫌われちゃう”とか“こっちの方が相手のため”とか、自分のことより相手を優先する感じ。
でも、いつかは耐えきれなくなって溢れ出す。
それを受け止めてあげるように僕が近くで支えてきた。
前に泣きながら
「黄ちゃんがいてくれて良かった」
って言っていた。
赤が覚えているかは分からないけど。
少しでも支えになっているなら良かったと思った。
今回もきっとそう。
必死に我慢して溜め込んで、赤は受け止められなくなってきている。
自分から話してくれた方が嬉しいけど、溜めすぎてしまうのもいけない気がして。
聞き出すみたいになっちゃうけど、ちゃんと話そうと思う。
それにしても赤遅いな__。
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扉の前で立ち止まる。
きっと彼も俺が何か不安そうにしているのに勘づいている。
大丈夫。黄ちゃんならちゃんと話せば。
何度も自分に言い聞かせる。
でもやっぱりだめ。
不安の方が大きくて。
嫌われたくない。離れたくない。
こっちの不安の方が大きくなってしまう。
その場に座り込んで溢れだしそうな涙を必死に抑える。
でも、線が切れたような感覚がして。
その場から立ち、扉をあけて彼の元に行った。
泣いていることも、どこか諦めてしまっているような感じにも気づかずに。
気づけば彼を押し倒していた。
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色んなことを考えていると、扉があいた。
涙を流しながら静かに扉を閉め俯いている赤がいた。
「赤..?」
声をかけても返事はなかった。
でもすぐこっちに歩いてきて。
目に雲がかかり、不安そうにしている赤。
喋れなくなってしまったように一言も発することなく近づいてきた。
「赤..?どうしたっ__。」
声をかけた時だった。
肩を少し押されて、体制を崩しそのまま倒れた。
それと同時に唇を奪われる。
すぐに舌を絡め、逃がさないとばかりに首に手をまわしている。
「あ..か..//」
声をかけても辞める気配はなくて、涙を流しながら必死になって食らいついてくる赤。
「ん..//は..ぁ..//」
思わず声をもらす。
こんなにも必死になっている姿を見て、こんな状態でも愛おしく思えて。
赤の首に手をまわし、自分でも舌を動かす。
「..!!/んぁ..//..ふ..//」
赤も可愛らしい声をもらし、少しして白い糸を張りながら唇が離れたいった。
息を整えて声をかけようとする。
でもその前に赤が口をひらいた。
「ごめんっ..なさぃ../」
泣きながらも、やっと喋ってくれた。
「どうしたの…?」
上に乗っている赤を支えながら少し体を起こす。
手を握り背中をさすりながら話してくれるのを待つ。
「___で..。」
「ん..?」
「..ひとりに..しないで..」
かすかだけどそう言った。
さっきよりも涙を流し、続けて言った。
「きらいになら..ないで..」
「..どこに..も..いかない..で..」
最後に話したあと、声をあげて泣き出した。
首にまわしていた手を赤の頬に当てて顔をあげさせた。
「どこにも行かないよ」
安心させるように少し笑って答えた。
「どうしたの..?不安になっちゃったの..?」
今度はしっかり目を合わせて小さく頷いた。
「わがままだって..わかってる..」
「黄ちゃんがしたいこともっ..いっぱいあるだろう..から..っ…」
途切れ途切れだけど精一杯伝えようとしてくれている。
僕は“うんうん”と頷きながら聞いた。
「がまん..しなきゃいけない..のに..っ..」
少し間をあけ、赤が口をひらいた。
「ほかのひと..にっ..とられちゃうとか..おもって..っ..」
「こわかった…っ」
握っていた手を赤が強く握った。
「どこにもいかないで…っ..」
手で涙を拭いながらそう言った。
こんなにも不安な思いをさせていたと思うと胸が締め付けられる。
「大丈夫だよ..どこにもいかない..」
「赤と一緒にいるよ」
そう伝えると安心したようか顔をして、
「ごめんね…こんなことして..っ.,」
涙を拭いながらそう言った。
背中をさすりながら落ち着かせる。
「ありがとっ..」
笑顔で答えた。
「おいで..」
顔を近づけキスをする。
触れるだけのキスを何度も何度も。
1粒涙を流し、少し笑いながらキスについてくる。
どこか物欲しそうな顔をしているのは秘密だけど。
「んふ..//」
「..っ..ん.?//」
僕が笑ったのと同時に反応し向こうも目をあけた。
目が合えば照れたように顔を赤く染めて、目をそらす。
口を離し、赤をみる。
息を整えながら“もう終わっちゃった”みたいな顔をして少し残念そうにしている。
こんなんじゃ終わらないのに..笑
“赤”と彼を呼び1度キスをして、体を横にし、赤をベッドへ倒した。
「ひゃぁ//」
「ひゃぁって/」笑
恥ずかしそうに見つめてくる。
「んぅ..//..まだするの…?//」
照れながらそう言った。
「するよ..何回だってする」
「赤が安心できるまで何度だってね」
「…っ..えへへ..//」
嬉しそうに笑った。
「髪..濡れてるね../」
手を伸ばし僕の髪に触れた。
「ごめん..水垂れた..?」
「うんん..ちがう..」
首を振り答えた。
「かっこいいって思っただけ..//」
いつもならこんなこと言わないのに。笑
僕も笑って赤のおでこにキスをする。
でもすぐに、
「もっと安心させて..?」
「まだほしい..//」
少し余裕そうにそう言った。
「いいよ..//」
そうしてまたキスをする。
「もっと愛して…。」
聞こえないくらいの小さな声でそう言った。
聞こえていたのは言わない約束。
窓から入ってくる月の光の下で、
僕たちはお互いに溺れていく___。
愛して溺れて___。
𝑒𝑛𝑑___
コメント
9件
好きすぎます、、ブクマ失礼します!!
ブクマ失礼します!!