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お?
ドッペルゲンガー?
「副隊長…っすよね」
「?」
落とさないようにしっかり両脇に手を差し込んだ状態で小さな男を見る。細目のおかっぱに凛々しい肉体を持った男…のはずなのだが、その男…保科宗四郎に似た小さな男は違った。
見慣れた丸みのあるおかっぱ髪には大きな耳が、ぷらんとぶら下がった足の間からはふわりとした尻尾が見える。保科に似た男は日比野の方をじっと見つめ、鼻をすんすんと鳴らすとその小さな体から出たとは思えない力で日比野に飛びついた。
◆◇◆◇
保科は長い廊下を歩いていた。行き先はただ一つ、資料室だ。消灯時間が近くなっている今、各室の扉の鍵をかけていく。そして、最後に向かう場所はうっすらと隙間から光が漏れている扉だ。
やがて足は止まり、保科は扉を開ける。
「カフカ、そろそろ時間や「おわっ?!ちょっ、副隊長?!!」…で…」
「…ぁあ”?」
扉を開けた先にはガタリと大きな音を立て、何かを抱きしめている日比野にジトリとこちらを舌をべっと出して見ているナニカ。
「…カフカ、誰やソイツ」
「え、え?ほ、保科…ふくたいちょ…?」
そこで心の中でゴングが鳴り響いた気がした。