狐さん大暴れ
「保科副隊長が…ふた、り?」
「阿呆、そんなちっこいのが僕なわけないやろ」
「え、似てませんっ?!」
「似とらんわっ!!」
ズンズンと保科は日比野のに近づき片手でひょいと小さい保科をつまみ上げるあっと小さく声を上げた日比野だが、保科の圧により小さい保科を救うことはできなかった。
「ええ加減カフカから離れんかい」
「…」
小さい保科はムッとした顔で保科を見る。保科はイライラとした様子で追い出そうと思った時…
ガブッ!!
「い”っった!!?」
「副隊長?!」
小さい保科は保科の腕を思いっきり噛んだ。咄嗟に腕を引っ込めた保科から離れ 勝ち誇ったような顔で再びカフカの元に飛びつく小さい保科。日比野は何が何だか分からず小さい保科を抱えて保科の元へ駆け寄った。
「大丈夫ですか?!副隊長!」
「あ”ー…腕やられた」
「すげぇ血の量…今すぐ医務室に行きましょうっ!手当します」
へにょりと眉毛を下げる日比野を見て保科はこの顔が見れたんならええかなどと思いながら医務室に向かうために資料室の出口へと足を動かした。
◆◇◆◇
「これでよし…手当て終わりました、包帯はキツくないですか? 」
「おおきに、キツないで」
「よかったぁ……」
「にしても…なんなんやろなぁ、コイツ」
「さぁ…俺にも分からないです」
未だに日比野の膝の上にちょこんと座ってすよすよと寝ている小さい保科を見下ろす。人差し指で頬をつついてみても起きる気配は無かった。
「この耳とか尻尾は作りもん…ではなさそうやな」
「はい、どっちも自由に動いてたんで実際に生えているものだと思います」
「ほぉ……」
小さい保科が呼吸をする度に動く耳を保科は目で追う。
「副隊長はこうなった原因って知っていますか?」
「…いや、分からんなぁ」
「うーん……あ、一度ミ……亜白隊長の所に行ってみるのはどうでしょう?」
「…まぁそうしたほうがええわな。ならカフカ、お前も僕と来てな」
「ええ?!なんで俺も??」
「このちっこいヤツお前に懐いとるやん、僕が連れて行こう思たらこの怪我で済まんで」
「わ……かりました。そういうことなら、俺も同行します」
「なら今日は一旦部屋に戻りぃ」
「了!」
「あと…そのちっこいのが変なことしたらすぐ僕に連絡してな」
「りょ、了…?」
「なんでそこでハテナがつくねん」
「了!!!」
「うっさいわ!消灯時間はとっくに過ぎとんやから静かにせんかい!」
「いででででっ!締まってますふくたいちょぉ…っ!」
首に腕を回されヘッドロックをくらう。首からなってはいけない音が鳴っている気がしたので回された腕を掴んで引っ張ると思っていたよりも簡単に取れてしまったため体がよろけて床にへたりこんだ。
「ほな、解散」
「ひぃ……りょぅ…」
日比野はゼーゼーと息を整えながらふらりと立ち上がり部屋までの道を歩いた。
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