ガチャ
「久しぶりですね、ここで会うのは」
おんりーチャンのお母さんが亡くなって次の日、学校を休むと思っていたけど、いつも通り屋上にいた
俺にとってはここで話すのも来るのも久しぶり
俺に背を向けているおんりーチャンの頭の上の数字は6.353…
でも、俺は今日それを見に来たわけじゃない
「おんりーチャン…お母さんの最後の面会に行けて、時間を止めれるようになったきっかけもこれで、無くなっておんりーチャンが時間を止める理由はないはずだよ?」
「つまり…、…」
おんりーチャンは俺の言った言葉に優しく言った
「簡単に言うと、もう能力を使うなってことですよね?」
「うん…そうだね」
「じゃぁ…死にそうな人をそのまま見殺しにしろってことですよね?」
「!?、…」
おんりーチャンが気がつくと俺の方を向いていた
「俺のこの能力があれば色んな人の死から救うことが出来ますよ?」
おんりーチャンは自分の胸元に手を置きながらそう言った、でも…真剣な場面なはずなのにおんりーチャンの表情は柔らかだった
「たった1年、…自分が1年をその人に差し出すだけでその人は何十年も生きていられるんですよ?」
あ…おんりーチャンは自分の寿命が1年減ろうがその人のことが救えるのなら自分のことなんか何も思っていないんだ
おんりーチャンの表情を見て俺は気づくことが出来た
でも…俺は…
「ごめんおんりーチャン、おんりーチャンのその考えには答えることが出来ない」
「、…、そう…ですか」
「いや…確かに自分の命をどうしようが勝手だと思うだけど…お願いだから、俺の前では死なないで?」
「…じゃぁ…俺が卒業するまで能力は使うなってことですか?」
「そーいうこと出来るでしょ?」
「、…約束はしません、でも、どうしてぼん先生はそこまでするんですか?」
「好きだから、おんりーチャンのことが」
❤️3500
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