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それではどうぞ










🇯🇵…アメリカさん、今日一緒に…

🇺🇸ああ、すまない今日親父と出掛けるんだ。


🇺🇸日本、これもやっておいてくれ。

🇯🇵えっ?これはアメリカさんの仕事じゃ…

🇺🇸何?お前の事信用してるから頼んでるんだろ?それに出来るだろこれぐらい。



🇯🇵…はい。





かれこれ数ヶ月。こんな感じのやり取りをアメリカさんと続けている。

…アメリカさんと私は(一応)付き合っている関係。私はアメリカさんの事が好き。

でも、でもこんなのって、あんまりじゃないですか?



アメリカさん、私との約束なんか二の次で、イギリスさんやフランスさんと遊んだり出掛けたり。約束を破棄されるのも何度目だか。

それに私に仕事押し付けて遊び呆け。私が怪我をしても『大丈夫か』だけで深く心配をしてくれない。


…私、アメリカさんに愛想尽かされたんですかね。



パンッ


そう思うと同時に私は自身の頬を叩く。



🇯🇵そんな筈ないですよね!アメリカさんはちゃんと私の事好きな筈です。ずっとずっと。



だから



私が我慢しないと。









🇺🇸なぁ日本。今度の週末一緒に出掛けないか?

🇯🇵えっ⁈



ある日、昼休憩をしているとアメリカさんが話し掛けてきた。

私はアメリカさんの口から言われた言葉に目を瞬かせる。



🇺🇸最近ずっとお前と出掛けていなかったからさ…デートって事でさ…どうかな?

🇯🇵はい大丈夫です!



こんな嬉しいお誘いをアメリカさんからされるのはいつぶりだろうか?

私はアメリカさんのお誘いを即承諾した。



🇺🇸よし!じゃあ週末〇〇でな!



アメリカさんはニカッと笑う。

ああ、やっぱり私はアメリカさんが好きだ。この笑顔を向けられる度、私は頑張れる。







週末。

アメリカさんとの約束の場所に私は待っていた。

久しぶりのアメリカさんとのデート。楽しみすぎたあまり、時間を持て余していた。


でも私にはそんなの気にする事ではなかった。

私は楽しみを噛み締め待っていた。



🇯🇵早く来ないかな…。





しかし、待ち合わせ時間になっても一向にアメリカさんの姿が見えない。


人混みに詰んでしまっているのだろうか?

そう心配した。


けれど30分経っても尚、来る気配の無いアメリカさんに、別の意味で心配をし始めた。



嫌な予感が私の頭を走る。


しかしその予感が現実になるまで、そう時間は掛らなかった。






『すまない日本。カナダが一緒に出掛けたいって言うから。だから一緒に出掛けるのはまたで良いか?』

🇯🇵…



スマホに掛かってきた一本の着信。

私は表示名を見ずに電話に出る。


そこから聞こえた声は、私がずっとずっと待っていた相手だった。


内容は…まあ分かってはいた。来ないって事は。電話が掛かってきたという事は。



🇯🇵大丈夫ですよ。もう…もう良いです…。

『やっさし!だからさ、また来週にデートしよう。次は大丈夫だから

🇯🇵貴方の気持ちは良く分かりました。



私はアメリカさんの声を遮り言葉を続けた。

自分でも分かるように、声は震えていた。


私はずっと言いたくなかった言葉を口にする。





🇯🇵ーーーー…別れましょう。









そこからは何も覚えていない。

どこか清々しい気持ちになっていた。


悲しい?そんな気持ちは湧かなかった。

何年も生きてきたんだ。悲しい気持ちなど微塵も無かった。


ただ、馬鹿馬鹿しいと思っただけ。



ああ、私はあの子供にここまでされないと見切れなかったのか。




私は笑った。無意識に笑いたくなったから。

暫く立ち尽くしたまま笑っていた。


けれど目は笑っていない。

笑っている口とは裏腹に、目には涙が溢れていた。







『続』




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