山田風太郎との激闘の余韻が残る廃工場の片隅に、静かに不気味な空気が漂い始めた。
「次は……あの呪詩人だ。」
乱歩が口元に薄く笑みを浮かべる。
「岡本かの子。彼女の異能“呪詩(ジュシ)”は、詠唱した言葉を現実に具現化する力だ。」
有栖川が目を細める。
「詠唱……つまり、言葉が武器になるということ?」
「そう。だが彼女の呪詩は、言葉の意味と響きで様々な効果を生み出す。聴いた者の心を蝕み、身体を縛り、時には破壊をもたらす。」
ポオが警戒を強めている。
「こんな異能は初めてだ……対処法は?」
「見た目の儚さに騙されてはいけない。彼女は詩を紡ぐ悪魔だ。」
廃工場の奥、薄暗い空間にぽつんと佇む岡本かの子。
白い和装は風もなく揺れ、口元はわずかに微笑んでいる。
「呪詩よ……聞け。世界は我が言葉の檻となる。」
彼女の詠唱が始まると、空間が震え、言葉が空気を伝い、敵の精神に重くのしかかる。
「……聞け、破滅の調べを。」
定番組は詠唱のリズムに抗いながらも、乱歩の冷静な指示で前進を続ける。
「詩の裏には必ず意味がある。破滅を止める鍵もそこに。」
有栖川が詠唱の中の矛盾を見つけ、ポオがその幻影を打ち破る。
「呪詩は美しいが、同時に恐ろしい。負けられない。」
乱歩が拳を固めた。
戦いは言葉と意志のぶつかり合いとなる──。
コメント
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/すたぽらに付いて書いたでぇ!