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#からぴちBL
璃寧_
1,318
夢来(ゆら)
『限界ホストは癒されたい』
第2話「俺だけに見せてよ、その顔」
今回も、もふどぬ中心です!
※ご本人様とは一切関係ありません。
※苦手な方は閲覧をお控えください。
〜もふside〜
あの日から、一週間。
……おかしい。
mf「…………」
パソコンの画面を見つめながら、俺は小さくため息をついた。
別に、仕事に集中できないわけじゃない。
書類も終わってる。
メールも返した。
今日の会議だって問題なく終わった。
……なのに。
ふとした瞬間に、思い出す。
『もふくんには、いっぱい仲良くなってほしいなって思ってるよ!』
『また来てくれたら嬉しいなぁ!』
あの、ふにゃっとした笑顔。
mf「……はぁ」
tt「もふくーーん!!」
mf「……うるさい」
tt「お前、またため息ついてるやん!!」
mf「……別に」
tt「どぬくんのこと考えてたんやろ〜?」
mf「…………」
tt「図星やん!!」
mf「……仕事しろ」
tt「もう終わったわ!!」
hr「……たっつん、声大きいよ笑」
no「おやおやぁ? またどぬくんのお話ですか?」
mf「……なおきりさんまで」
tt「なぁなぁ!! 今日、また行こうや!!」
mf「…………」
hr「……あの店?」
tt「せや!!」
no「いいですねぇ! 僕もちょうど行きたいと思ってたんですよ!」
hr「……俺も、行こうかな」
mf「…………」
……なんだ。
みんな、行きたいんじゃん。
tt「もふくんは!?」
mf「……行く」
tt「…………」
hr「……即答だ笑」
no「ふふっ、楽しみですねぇ!」
tt「先週あんなに嫌がってたのに!?!?」
mf「……うるさい」
tt「恋ってすごいなぁぁ!!」
mf「……黙れ」
……まあ。
否定は、しないけど。
〜どぬside〜
dn「……んー……」
開店前の控室。
俺は鏡の前で、前髪を何度も直していた。
ya「……どぬ?」
dn「ん?」
ya「さっきから髪いじりすぎじゃね?」
dn「えっ!? そうかなぁ?」
ur「……もう五回くらい直してるぞ」
dn「そんなに!?」
ya「……もしかしてさぁ」
dn「……な、なに?」
ya「この前の、もふくん?」
dn「…………っ!」
ur「……分かりやす」
dn「ち、違うもん!!」
ya「えー!? まだ何も言ってないじゃん!!」
dn「うぅ……」
ur「……で、今日来んの?」
dn「……分かんない」
そう。
連絡先も知らない。
次にいつ来るかなんて、聞いていない。
なのに。
『また話したいから』
その言葉が、ずっと頭から離れなかった。
dn「……来てくれたら、嬉しいなぁ」
ya「…………」
ur「…………」
ya「……どぬ」
dn「ん?」
ya「今の顔、めっちゃ可愛い」
dn「ええっ!?」
ur「……完全に恋する顔じゃん」
dn「こ、恋じゃないもん!!」
ya「はいはい笑」
dn「もーー!!」
そのとき。
jp「みんなー! そろそろ開店するよー!」
dn「はぁーい!」
……今日も、頑張ろう。
そう思って立ち上がった。
まだ、知らなかった。
今日。
あの人が、本当に来てくれるなんて。
〜もふside〜
夜。
tt「着いたでーー!!」
mf「……知ってる」
hr「……二回目だね笑」
no「いやぁ〜! また来ちゃいましたねぇ!」
tt「ほな、入ろか!!」
店の扉が開く。
jp「いらっしゃいませー!!」
tt「じゃぱぱぁぁ!!」
jp「うわっ!? たっつん!?」
tt「会いたかったで!!」
jp「ちょ、声大きいって!!」
tt「今日も可愛いなぁ!!」
jp「もーー!!」
……相変わらずだな。
でも。
前回より、じゃぱぱさんの表情が柔らかい気がした。
jp「みんなも、また来てくれたんだ!」
hr「こんばんは笑」
no「お久しぶりです〜!」
mf「……どうも」
jp「ふふっ、ゆっくりしていってね!」
そして。
jp「……あ、もふくん!」
mf「……はい?」
jp「今日は、どぬを指名する?」
mf「……お願いします」
jp「……ふふっ」
mf「……なんですか」
jp「ううん! どぬ、喜ぶと思うよ!」
mf「…………」
……そうだと、いいけど。
〜どぬside〜
スタッフ「どぬくさん、ご指名です!」
dn「はぁーい!」
……今日も頑張ろう。
そう思って、名前を確認した。
スタッフ「紫木もふ様です」
dn「…………」
……え?
dn「……もふくん?」
スタッフ「はい!」
dn「…………っ!」
思わず、鏡を見た。
前髪、大丈夫?
服、変じゃない?
……いやいや!!
なんでこんなに緊張してるの!?
いつもどおり。
いつもどおりでいいんだよ、俺!!
dn「……よし!」
深呼吸して、席へ向かった。
そして。
dn「……もふくん!」
名前を呼ぶと、あの人が顔を上げた。
mf「……どぬ」
dn「……えへへ」
……あ。
だめだ。
もう、嬉しい。
dn「また来てくれたんだね!」
mf「……約束したから」
dn「…………」
mf「……会いたかったし」
dn「…………っ!?」
……え。
今。
なんて?
dn「……も、もふくん?」
mf「……なに」
dn「そういうこと、普通に言うの……?」
mf「……本当のことだし」
dn「……っ!」
……ずるい。
本当に、ずるい。
いつもなら、俺が甘い言葉を言う側なのに。
この人には、全然勝てない。
〜もふside〜
dn「……今日は、何話そっか?」
mf「……どぬのこと」
dn「……俺?」
mf「うん」
dn「えへへ、何が知りたい?」
mf「……休みの日、何してるの?」
dn「んー……寝てることが多いかなぁ!」
mf「……寝るの好きなんだ」
dn「うん! あとはゲームとか!」
mf「……へえ」
dn「もふくんは?」
mf「……俺もゲームする」
dn「えっ!? ほんと!?」
ぱっと、どぬの目が輝いた。
dn「何のゲーム!?」
mf「……いろいろ」
dn「俺もいろいろやるよ!!」
mf「……今度、一緒にできたらいいね」
dn「…………」
……あれ。
また固まった。
dn「……い、今度?」
mf「……うん」
dn「……そっかぁ」
どぬは少しだけ俯いて。
dn「……えへへ」
嬉しそうに笑った。
……やっぱり。
この顔、好きだな。
mf「……どぬ」
dn「ん?」
mf「……今日も可愛いね」
dn「…………っ!!」
dn「もーー!!」
mf「……なに」
dn「急に言わないでよぉ!!」
mf「……嫌だった?」
dn「……嫌じゃ、ないけど」
……小さい声。
mf「……じゃあ、また言う」
dn「ええっ!?」
mf「……可愛い」
dn「もふくんっ!!」
思わず笑ってしまった。
……ああ。
楽しい。
こんなに誰かと話すのが楽しいなんて、久しぶりだ。
でも。
少しだけ、気になったことがあった。
どぬは、ほかの席から呼ばれるたびに笑顔で応じる。
「ありがとう」
「嬉しい」
「また来てね」
全部、仕事だ。
分かってる。
分かってるけど。
mf「…………」
……なんか、嫌だな。
dn「……もふくん?」
mf「……ん?」
dn「どうしたの?」
mf「……別に」
dn「……ほんと?」
俺の顔を、心配そうに覗き込む。
……その顔。
ほかの人にも見せてるんだろうか。
mf「……どぬ」
dn「ん?」
mf「……俺といるときは、無理して笑わなくていいよ」
dn「…………え?」
mf「……疲れてるなら、疲れてるって言って」
dn「…………」
mf「……俺、どぬと普通に話したいだけだから」
一瞬。
どぬの表情が、止まった。
そして。
dn「……もふくんって」
mf「……なに」
dn「……変な人だね」
mf「……よく言われる」
dn「ふふっ!」
今度の笑顔は。
さっきまでとは、少し違った。
作った笑顔じゃない。
本当に、楽しそうな笑顔。
dn「……じゃあ、ちょっとだけ甘えてもいい?」
mf「……うん」
dn「……今日、少し疲れちゃった」
mf「……そっか」
dn「でも、もふくんが来てくれて、元気出た!」
mf「…………」
……ああ。
それは、ずるいだろ。
mf「……俺も」
dn「……え?」
mf「……どぬに会えて、元気出た」
dn「…………っ」
また、耳まで赤くなる。
……可愛い。
mf「……どぬ」
dn「……なに?」
mf「……その顔」
dn「……?」
mf「……俺だけに見せてよ」
dn「…………」
……しまった。
ちょっと、言いすぎたかもしれない。
mf「……ごめん。困るよね」
dn「…………」
少しの沈黙。
そして。
dn「……もふくん」
mf「……うん?」
dn「……今のは、ちょっと反則」
mf「……反則?」
dn「……だって」
どぬは、顔を隠すように俯いた。
dn「……そんなこと言われたら、意識しちゃうじゃん……」
mf「…………」
……え。
それって。
mf「……どぬ?」
dn「……もう! この話終わり!!」
mf「……ふふっ」
dn「笑わないでよぉ!!」
……ああ。
やっぱり。
俺、この人のこと。
好きなんだと思う。
〜なおきりside〜
no「ゆあんくーん!」
ya「……あっ! なお兄!!」
俺を見つけた瞬間、ゆあんくんがぱっと笑った。
……おや。
可愛いですねぇ。
no「こんばんは!」
ya「また来てくれたんだ!」
no「約束しましたからねぇ!」
ya「……ふーん」
no「……嬉しいですか?」
ya「…………っ!」
ya「べ、別に!!」
no「ふふっ」
ya「笑うなって!!」
……本当に、分かりやすい。
no「……でも」
ya「ん?」
no「僕は、会えて嬉しいですよ」
ya「…………」
no「ゆあんくんに会いたかったので」
ya「~~っ!!」
ya「なお兄ってさ!!」
no「はい?」
ya「……そういうの、誰にでも言ってんの?」
……おや?
no「……言いませんよ?」
ya「……え?」
no「ゆあんくんにしか、言ってません」
ya「…………っ」
……あ。
固まりましたねぇ。
no「ふふっ、今日も可愛いですねぇ」
ya「もーー!! なお兄のばか!!」
……さて。
この可愛い人が、いつ素直になってくれるのか。
今から楽しみですねぇ。
〜ヒロside〜
hr「……こんばんは」
ur「……あ、ヒロくん」
前回と同じ、少しクールな表情。
でも。
俺を見た瞬間、ほんの少しだけ口元が緩んだ気がした。
hr「……また来ちゃった笑」
ur「……ふーん」
hr「……嬉しくない?」
ur「……別に」
hr「そっかぁ」
ur「…………」
……あれ。
少し、困った顔。
ur「……いや」
hr「……ん?」
ur「……来てくれて、ありがと」
hr「…………」
……へえ。
hr「……うり」
ur「……なに」
hr「……今の、もう一回言って?」
ur「はぁ!?」
hr「聞きたいなぁ笑」
ur「……言わねーよ!!」
hr「ふふっ」
……可愛いな。
そう思っていたら。
ur「……あ、そうだ」
hr「ん?」
ur「……今日、時間ある?」
hr「……あるよ?」
ur「……じゃあ」
少しだけ視線を逸らして。
ur「……ピアノ、聴いてく?」
hr「…………」
……え。
hr「……いいの?」
ur「……前、聴きたいって言ってただろ」
hr「……覚えててくれたんだ」
ur「…………っ」
ur「……たまたまだし!!」
hr「……ふふっ」
……やっぱり。
可愛いな。
〜たっつんside〜
tt「じゃぱぱぁぁぁ!!」
jp「たっつん!! 声!!」
tt「今日も可愛いで!!」
jp「もーー!!」
tt「なぁなぁ!!」
jp「なに?」
tt「今日、ちょっとだけ話せる?」
jp「……え?」
tt「仕事終わったあとでええから!」
jp「…………」
少し考えて。
jp「……ちょっとだけなら」
tt「…………」
jp「……たっつん?」
tt「……え」
jp「なに?」
tt「……ほんまに?」
jp「うん」
tt「…………」
tt「よっしゃあああああ!!」
jp「ちょっと!! 声大きいってば!!」
tt「ごめん!! でも嬉しい!!」
jp「……ふふっ」
……あ。
笑った。
tt「……じゃぱぱ」
jp「ん?」
tt「……やっぱ、好きやわ」
jp「…………っ!!」
jp「たっつん!!」
……ほんま。
可愛すぎるやろ。
〜どぬside〜
閉店後。
dn「……はぁ」
控室のソファに座って、天井を見上げる。
……今日も、楽しかった。
でも。
思い出すのは、たった一人。
『……俺だけに見せてよ』
dn「…………っ」
……もーー!!
dn「……なんなの、あの人……」
甘い言葉なんて、聞き慣れてるはずなのに。
どうして、もふくんに言われると。
こんなに、胸がどきどきするんだろう。
ya「……どぬ?」
dn「……ん?」
ya「また、もふくんのこと考えてた?」
dn「…………っ!」
ur「……図星だな」
dn「ち、違うもん!!」
ya「えー!? 絶対そうじゃん!!」
dn「ゆあんくんだって、なおきりさんのこと考えてたでしょ!?」
ya「はぁ!?!?」
ur「……お前ら、ほんとうるさい」
ya「うりだってヒロくんにピアノ聴かせたんだろ!?」
ur「…………っ!」
dn「えーー!! そうなの!?」
ur「……うるせー!!」
三人の声が、控室に響く。
そして。
dn「……ねえ」
ya「ん?」
ur「……なに」
dn「……好きって、どうやったら分かるんだろうね」
一瞬。
控室が、静かになった。
ya「…………」
ur「…………」
dn「……なんか、分かんなくなっちゃった」
いつもなら。
お客さんを楽しませることだけ考えていればよかった。
でも。
今は。
たった一人の人に、どう思われているのかが気になってしまう。
ya「……どぬ」
dn「……ん?」
ya「……それってさ」
少しだけ、照れたように。
ya「……もう、好きなんじゃね?」
dn「…………」
……好き。
その二文字が、胸の奥にすとんと落ちた。
dn「……そっかぁ」
小さく笑って。
dn「……そうなのかも」
……でも。
まだ、怖い。
誰かを特別に思うことが。
誰かに特別だと思われることが。
だって。
期待してしまったら。
きっと、簡単には戻れないから。
dn「……もふくん」
その名前を、小さく呼んだ。
……また、会いたいな。
〜もふside〜
帰り道。
tt「もふくーーん!!」
mf「……なに」
tt「今日、どうやった!?」
mf「……楽しかった」
tt「…………」
hr「……おお笑」
no「おやおやぁ?」
tt「もふくんが素直やぁぁぁ!!」
mf「……うるさい」
tt「絶対なんかあったやろ!!」
mf「……別に」
hr「……顔、ちょっと嬉しそうだよ笑」
mf「……そう?」
no「ふふっ、いいことですねぇ!」
……まあ。
いいことは、あった。
どぬが。
俺にだけ、少し弱いところを見せてくれた。
あの笑顔が。
あの照れた顔が。
頭から離れない。
mf「…………」
……また、会いたい。
そう思ったとき。
スマートフォンに、一件の通知が届いた。
『ご来店ありがとうございました。またのご来店をお待ちしております』
店からの、いつもの案内。
……なのに。
俺は、画面を見つめたまま。
小さく笑ってしまった。
mf「……次は、いつ行こうかな」
tt「え!? もう次の話!?」
hr「……ふふっ」
no「これは、すっかりハマっちゃいましたねぇ!」
mf「……うるさい」
でも。
今度は、否定しなかった。
……だって。
もう、分かってるから。
俺は。
白坂どぬくに、恋をしている。
そして。
その恋は、まだ始まったばかりだった。
――第2話 END――
第2話、読んでくれてありがとうございます!!
もふくん、ついにどぬへの恋を自覚しました!!
しかも「俺だけに見せてよ」なんて…!!
どぬ、完全にペース乱されてますね
そして、なおゆあ・ひろうり・たつじゃぱも少しずつ距離が縮まってきました!
次回は、どぬが初めて、もふくんに自分から会いたいと思うお話。
でも、No.1ホストには、誰にも言えない悩みがあって……?
Next → ♡5
コメント
4件
し、心臓が爆発する(チーン
みぅです🤍🥀 第2話、読み終えました……! 「俺だけに見せてよ、その顔」、もうタイトルから刺さります。 もふくんがどぬに惹かれてく過程、静かで確かで、すごく好き。無理に笑わなくていいって言えるのも、まだ出会ったばかりなのにちゃんと見てるんだなって伝わってきて。 どぬが「反則」って言いながら赤くなるシーン、本当にもう……こっちまでドキドキしちゃいました。 他のペアもゆっくり近づいてて、全員の距離が変わっていく感じが丁寧で嬉しい。 次回、どぬが自分から会いたいと思う話……すごく気になります。続き、静かに待ってますね🌙