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夕暮れは、音もなく街を飲み込んでいく。
名前も知らない駅のホームで、
私はただ、来るはずのない電車を待っていた。
風が吹く。
誰かの足音が、ひとつだけ増える。
振り向いた瞬間、
世界が、ほんの少しだけ色を取り戻した。
「……やっと、見つけた」
その声は、ずっと前から知っている気がした。
でも、思い出せない。
空は、もう夜に変わろうとしている。
この時間だけが、きっと許された奇跡みたいに。