テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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私は私を許せない。

第1話 - 第1話

2022年11月02日

#青春恋愛

#かたおもい

#うわき

#_sumesi.

私には付き合っている人がいる。

彼氏とはDMやゲームで仲良くなって、クラスが一緒だという事もあって更に仲良くなっていった。DMで両思いだという事が分かり、実際に会うと手紙を渡された。そこには「毎日話せて嬉しい」「愚痴も聞いてくれてありがたい」「こんな僕でよければ付き合ってください。」そんな言葉がたくさん書かれていた。家に帰ってから「お願いします」と返信する自分。そこから選択を間違えたのだろうか。間違っていたのか合っていたのか…考えたくもなくなってしまった。

私は前に付き合っていた彼氏がいて、その人が初カレだったのもあり何もかもが初めてで気づけば蛙化現象になっていた。1ヶ月も過ぎないまま別れることになった。そこから3ヶ月ほど経ったある日、今の彼氏と付き合うことになった。

「今度は蛙化にならないよう」「今度はもっと頑張れるよう」「今度はもっと愛せるよう」色々な想いを持ちながら毎日を過ごした。

たまに会いに来てくれたり遊びに行ったりして「前よりは大丈夫かもしれない」と思うようになっていった。安心もした。

こんな事になるなんて思っていなかったし、誰も想像なんかしなかった。これはおそらく私が、いや100%私が悪いのかもしれない。

ある日、去年同じクラスだったK君と仲良くなった。DMで話す事が多くなり、変な会話も多くなった。私に彼氏がいる事を知った時「それは残念だ。もう話せないね」なんて言葉がくるかなと思った。私が予想していたものと違い「浮気になってまうね。バレんかったら大丈夫じゃない？」こんな言葉が返ってきた。浮気なんて酷い事する訳ないと思っていた私だったがこんな時期に限ってK君がすごく魅力的に見えて「貴方の方がいい」こんな酷い事を思ってしまった。K君は彼女と別れてからハグなどしていなかったから、したそうな雰囲気を出してきた。私も最近彼氏と会っていないし、色々不満だったのか、少しだけなら…少し会って話すぐらいなら…と許してしまい会うことになった。

実際会ってみると思ったより緊張しなくて、すごく楽しくて面白くて…。会えて話せて手も繋いでハグもして…罪悪感とともに身体が満足してしまった。彼氏とはハグしかしていなかった私にとって、次に進むのはもう止められなかった。誰にも言っていない2人だけの秘密。誰も止めてくれる人なんていなかった。

その日のDMでは「また会おう」「もう好きかも」「会う回数が増える事にする事も増やしていこ？」など、もう私の事が好きなのではないかと思うような言葉ばかりで私を更に悪い方向へ進ませる。ここまでくると彼氏なんて頭になくて浮気相手の色に染まっていってしまう。次会ったらキスしようねって言ってくれた。キスなんてした事ない。したいに決まってる。無理なんて言えない。言うなんて事もなかった。

2回目会った時、約束していた通りキスをした。1回ではない。手を繋いだりハグしたりキスしたりシャッフルで何度も。ほとんど初めての自分からすると嬉しくて嬉しくて仕方がなくて、もっとしたいと思うようになった。もっと一緒にいたいと思うようにもなってしまった。

3回目会うと、当たり前のように手を繋いでハグをして…キスも長めになった。DMでは「また会いたいな」「キスも楽しいけど1番はやっぱりハグよな」「もうすきやわー(？)」なんて言葉。もっとK君色に染まっていってしまう。あの大きな身体に包まれると優しい匂いで幸せになる。そんなの私も好きになってしまう。

でも何でだろう。ある日急にDMが途切れた。私は自分から話しかける事が多くなった。私から話しかけてもいつも通り返してくれるし、大丈夫だなと安心していた。私がした質問で「もう私の事好きじゃないんだ」と感じた。K君が「彼氏と別れるとしても今は頑張って」って送ってきてくれたから私は別れたら付き合ってくれるのかなって勘違いして「K君今は私の事嫌いって思ってるって思っとくね」と返信した。すると「嫌いじゃないよ！！気になる子ができたみたいな…？」って。もしかしたら私ではないのかな。私の事が好きなのではないかな。好きなのは私であってほしい。なんて彼氏持ちが思うような言葉ではないけれど、今の私にはそう思う他なかった。問い詰めると誰だか分からないけど私ではない事も分かった。何でだろう。ハグの方が好きだったり、思っているより変態だったり、共通する所がたくさんあって「○○最高」って言ってくれたよね。その言葉はどこに行ったのだろう。「好きかもしれない」その言葉もどこに消えてしまったのだろう。以前のDMを見返すとはっきりと書かれていた。何度見ても間違いではなかった。私は嘘ではなく、それが本当だという事がとても辛かった。やっぱり会う前にやめておけばよかったのだろうか。話さなければこんな想いする事なかったのに。初めは興味本位だったり、早く大人になりたくて一緒に卒業する約束もしていたのに。それがきっかけで急にするのは勇気がいるから実際会ってみて色々してから卒業しようって約束したのに。「本当に初めてが俺で大丈夫？」って聞いてくれたよね。最初は「本当にいいのかな」って思っていたけど仲良くなっていくと「初めてがK君で嬉しいし、もらってほしい」って思うようになって。私だけが突っ走っていって何もかも上手くいかない。両思いって難しいし、今まで両思いになった事がないのかもしれない。1、2回目に会った時が両思いだったのかもしれない。「もし私が付き合っていなかったら今頃K君と付き合っていたのかな。」って思うようになって最近はそれしか頭にない。K君が通る度、K君の声が聞こえる度、K君の匂いがする度に私はまた思い出してしまう。浮気相手だったからそんなに辛くならないだろうと思っていた自分が信じられない。全然そんな事もなく悲しくて辛くてどうすればいいのか分からない。

彼氏とはもう上手くいきそうにないので別れるつもりだ。恋愛向いてないのかなとずっと思っているし、付き合うのが無理なら遊ぶだけでいいのではないかと思ってしまう。そんな私が許せない。もう許したくもない。

やっぱりまだ忘れられなくてK君に「好きな子がいるなら会うのはもうやめた方がいい？」って聞いてしまったよね。K君は「会うのはいいけど、その子と付き合ったら無理かもしれんなぁ」って。じゃあもう一度会ってくれるの？もう好きじゃないのに？会ったら手を繋いだりハグしたりキスしたりしてくれるの？私止まらなくなっちゃうよ。結局一緒に卒業もなし？こんな関係だけど本当は初めてもらってくれてもいいし、もらってほしい。って…。いっぱいいっぱい言いたい事が溢れてくる。会いたいのに会ってはいけない気がするし、いいよと言われたけど会う予定なんか1つもしてない。いいよって言ってくれたけど本当は会いたいなんか思ってないくせに。「もう話したくない」「もう会いたくない」ってはっきり言ってくれた方が手放せる気がするよ。このままじゃずっと思い続けちゃうよ。

あれは思わせぶりって事でいいのだろうか。実際少しだけだが好きだと想ってくれていたのなら思わせぶりではないのだろうか。まず本当に好きだと思っていてくれたのだろうか。諦めたいのにまだ色々思ってしまう。K君が好きな子は誰なのか知りたいし、応援もしたい。でもそれと同時に「K君が振られて私のところに戻ってきて欲しい」そんな酷い事を思ってしまう。こんな事本当は思いたくない。浮気相手だったのに何でだろう。忘れられない。私は私を許せない。