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『シグキン!起きろバチ!』
『ん……もう少し寝かせろ……』
『今日は、ショーバチよ!』
『……やっべ、忘れてた』
俺らは今、ショーキャストとして
働いている。
どーやら、ガキンチョの為のショーらしい。
『……あ〜、もう少し寝たかった。』
『寝たかったじゃないバチ!』
『分かった分かった。』
ガキンチョの為にできることは
楽しませる事
……ガキンチョの時は
何も見せてくれなかった。
せめて、ショーだけでも出来ればいいな
そう思っていた矢先、オファーが来た……
と言うより、人数合わせだ。
大物のショーキャストが
怪我をして、今は出れないらしい……
『……今日のショーは?』
『えーっとね、これ!』
『……!』
懐かしい物を今、自分でするんだと思った。
憧れたヒーローショーだった。
悪役に回る俺は、正直本当に嬉しかった
『シグキンが悪役なのは、雰囲気出るバチ!』
『……やりたかった、悪役だ。』
『え?そうなの?』
『……憧れたヒーローショー。
ガキンチョの頃、凄く憧れたんだ』
そして始まるヒーローショー。
悪役は何故か人気であり……
俺は、ガキンチョ達から、サインください。や
握手、写真撮って等……
嬉しかった……
『お疲れ様バチ〜!』
『シグキン雰囲気出過ぎだろw』
『流石シグマだな!』
『……恥ずい、やめろ』
憧れたヒーローショー、つーか
ショー自体が憧れ……
嬉しい……
『ジェラルディ、今日は
晩飯何が良い?』
『今日は、次のショーの台本を
作らねばならん、すまんな……
シグマ……』
ジェラルディは涙目で言う
『大丈夫、何時でも待ってる。』
『嗚呼、すまん……』
涙を拭い、ジェラルディは
楽屋へ向かう
『さ、飯の時間だ。』
帰り道
『うぇーん!』
『……?』
泣いてる子供を見つけた
『如何したガキンチョ。』
『ママは何処〜!』
『……親とはぐれたのか。
親、探しに行くか。』
『本当?!』
『嗚呼、俺でいいならな。』
『ありがとうお兄さん!』
子供の笑顔が、眩しかった
憧れのショーキャストは
こんな笑顔を見てたんだな……
『……でも、元気出ない。』
『じゃあ、何か好きな言葉、あるか?』
『……悪役!ヒーローショーの
悪役の言葉!』
『分かった。』
そして、お決まりの台詞
『わぁぁ!お兄さんカッコイイ!』
『……ありがとよ、さ、親
探しに行くか。』
『うん!』
子供は笑顔で答えた。
『あ、親御さん?』
『あ、ありがとうございます!』
『ママ!』
『良かったな、ガキンチョ。』
『ありがとうお兄さん!』
元気よく、子供は手を振り、帰って行く。
『……俺にもできたんだ。
笑顔にさせること。』
『シグマ!』
『ジェラルディ?!』
『見てたぞ〜、良かったなぁ』
『うるせぇ!!!!』
ガキンチョに喜んでもらって嬉しい……
憧れたショーは、1人でも
何人でもできる。
これからも、ショーを続けたい。