注意書____。
・フィクションです。
・初心者の為下手です。
・ホラー系?
↓どうぞ。
「はぁはぁッ….」
私は息を切らしながら走っている。
どうしてこうなってしまったのだろう___
「ねぇねぇ、莉桜~!」
学校の放課後、下校のチャイムが鳴り数秒後。
友人の成瀬が私の名前を呼ぶ声が人声の中で聞こえた。
「何成瀬~、どうしたの?」
成瀬が私の机の近くに来た頃に問い掛けた。
「莉桜は知ってる?最近の噂!」
「んー、知らないかな、その噂って?」
知らないと言うのも、曖昧だったからだ。
その噂は最近の珍事件が多い事の噂か、或いは別の噂かどちらか不明だったからだ。
私の疑問に成瀬は口を開いた。
「その噂はね、最近の事件の噂なんだよ!」
矢張それか、と内心思いつつも、
「へぇ、って言うかうちも被害出てるよね」
「最近二組の田中とか、一年の茉蒜も行方不明になってるし」
「その二人以外も未だ居るんだよ~?、怖いよね~」
そう、最近の珍事件は、
『学生の行方不明事件』だ。
何故か高校生と中学生だけが行方不明になっている。
その為虐めや悪口等はパタリと無くなっていてある意味良かったが、その珍事件で皆ピリピリしている様に見える。
又被害に合いすぎた中学や高校は閉鎖状態で学生達は家に止まる様指示を出された。
担任や親は誘拐等に気を付けろ、や、一緒に登校下校をするくらい必死になっている。
「でねでね!新情報なのだよ!莉桜君!」
そんな真面目な雰囲気を破壊する様に成瀬は話し始める。
「何その喋り方…」
「なんとなーく!」
「あ、そう…」
素っ気無く返したが、内心少し有り難かった。
「で!その珍事件の正体が森の奥らしいんだよ!」
「えっ!?」
突然正体を言われた私は驚いたが、一体何故そう言う考えに至ったか多少気になったので、どうして?と、聞いてみた。
すると、
「何かね、田中も茉蒜も、行方不明になる日はその森に行ってたらしいの!」
「でもって、何故か近くに行くと持ってかれるんだってー!、怖いよね~!」
「ふーん?」
他人事のように私と成瀬は語っていた。
自分の居る学内でも被害者は出ているのにも関わらずに、自分達には関係の無い話。
そう思いながら話を切り上げ、下校した。
あの話を聞いてから数日後の下校中。
雨が降りながらも朝焼け色に染まる夕焼けを背に家に向かって歩いて居る。
「…あ、あの森って確か、」
私の目に写ったのは成瀬から聞いたあの珍事件の森。
私の通学路は森の近くを通らないと家には辿り着けない様な地形になっている。
「…不気味、早く帰らないと___」
頭の中がもやっとした。
何処か霧掛かった様な、何かを考える事が出来なかった。
私、何してるんだっけ
「………」タッタッタッ…、トンッ
何か脚にぶつかった。
「え、」チラッ
私は目を疑った。
此れは違う、決して彼女では無い、私の目が可笑しかったのだろう、そう願い…思いながら確かめた。
「成、瀬………?」
私の願いも虚しく、私の脚にぶつかった物は人で成瀬の死体だった。
原型すらほぼ持てて居らず、顔も認識は出来ないが、持ち物から見える物は成瀬が持ち歩いていた物と同じ物だ。
現実を受け入れたく無かったのか、そうでないのか分からないが、声を上げる事も無く、ただただ暗闇に染まった瞳で成瀬を見つめていた。
「あれ、でもどうして成瀬は此処に?」
______。
身体に悪寒が走り、私は何かに追われるように走り出した。
前が帰り道か、其れとも後ろが帰り道か分からない、ただ走らないとと思った。
でないと何かに取り込まれるような気がしてならなかったから。
走ってる中で、祖母の話を思い出した。
数年前、私の幼少期に祖母が話してくれた事がある。
「莉桜、あの森には行ってはいけないよ」
「どうして?」
「あの森には、__様の領域だからね」
「行ってしまえば、一つの__を___貰う代わりに自分が持っていかれてしまうから」
「其れになにもしなくても持っていかれる時もあるからね」
「何で持っていっちゃうの?」
「そうだねぇ、又次話してあげるよ」
「?、分かった!」
そうだ__様、__様の領域はこの森何だ。
後ろに居るのは__様?
私が理解した時にはもう遅いのだろう。
今の私には後ろを振り返る余裕も無く、前に前にと進むしか出来ない。
でも進む事すら儘ならなくなってきている。
脚は走りすぎたせいで変な音が出ていて、斜面は雨で滑り、体力も限界だ。
今はただ前に出口があればと願う___
大きな音がしたと同時に私は転んでしまった。
………脚が動かない。
「何、で………、」スッ
「あ………」
動かないのは当然だった。
何故なら大木が私の脚を潰していたから。
痛覚も麻痺して叫ぶにも叫べない。
__様に追い付かれてしまった。
なら、
「____________。」
翌日、田中も茉蒜も、成瀬も戻ってきた。
珍事件もあれ以降無くなり、皆は何事も無かったように日常を謳歌している。
担任も保護者も安堵していた。
私は行方不明状態になったが、途中から帰ってこれたので良かったと思う。
ただその記憶は閉まっておこうと思う。
「私」も「__」も安心出来る気がするし、その方が良い。
「願いを叶えて貰う代わりに自身が持っていかれてしまうからね」
「__________。」
「皆、戻………わ…しの、代わり…__様……」
『皆戻って、私の代わりに__様が替わって』
「”莉桜”ー!」
「何?成瀬、」
???
コメント
2件
神作!!!!ストーリー性やばすぎです...自分より他人を優先できる莉桜ちゃんかっこいいなと思いました!この後は莉桜ちゃんがその森の__様になったのでしょうか、?なんにせよ莉桜ちゃんが入れ替わっているのに誰も気づかず日々が進んでいくの辛い...ってなりました😭素敵な作品ありがとうございます!!