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あくねこ夢小説※主様出てきます。血の表現ありなので苦手な方はスキップ推奨します。『貴方のナカマデ愛してる。』〜狂った愛と歪んだ執着〜


SEVEN story ドウシテナノ


『あ、主様…ッ。なんで、ここ、に…。』

『…ボスキから離れて。』

『…主様も私を邪魔するのですね。私は貴方のために……。』

『私はこんなこと望んでない!!』

『……!!』

『どうして、こんなことするの…?』

私は涙を流す。

『…貴方を私のものにするためですよ。最初は純粋な恋心でした。でも……あなたが私以外の執事に優しくする度、微笑む度、苦しくなって。独占したいと思ってしまったんです。だから殺しました。アモン君のことを。』

『…だったのに。』

『……?』

『ルカスのこと、好きだったのに。』

『…っ!?』

『優しくて、かっこよくて…みんなの命を救うルカスのことが私は大好きだった。でも今のルカスは――悪魔にしか見えない。』

『…そうですか。主様にまでそんなこと言われるとは。貴方に必要とされないなら私はもう生きてる意味はありません。ねぇ、主様。私を殺して頂けませんか?』

『え…っ?』

(何を言ってるの…?)

『…主様が私を殺して下さらないなら。私があなたを殺して永遠に私のものにします。』

ダッダッダ…ッ!

ルカスは私の方に向かって武器を持って走り出す。

『きゃぁっ!!』

『主様っ!!くっ、身体が動かねぇ…。』

私は必死に攻撃を避けた。

ブンッ!!

『っ!!』

パサっ…

ルカスの鎌で私の長い髪が地面に散らばる。

『はぁ、はぁ……っ!』


怖い。誰か、助けて……っ。

『おやおや……私主様の長い髪好きだったんですよ。無造作に短くなって……可哀想ですね…。』

『嫌、ルカス、やめて…。』

『素敵ですよ。私を見て怖がる目。私しか映さないその綺麗な瞳……。』

『…もうやめようよルカス。私は止めに来たの。好きな人をこれ以上誤った道に進めたくないの。だから……。罪を償って。』

『…。』

『ルカスのしたことはもうみんなにもフィンレイ様にも知れ渡ってる。これ以上罪を重ねれば…ルカスはもう前のルカスに戻らない…っ!!』

『……みんなにも知れ渡ってる。そんなの分かってますよ。だから…みんな殺して無かったことにします。そうすれば私と主様はずっと一緒に居られます。』

『ルカス……ッ。』


ダメだ。もう彼の目には私しか映らない。

それならもう。出来ることは一つだけ。

ダッダッダ…!

多くの足音がこちらに向かってくる。

『主様っ!!』

『ルカスさん…っ!?』

執事達が驚いた目でこちらを見る。それは当然だ。ボスキが血だらけで、ルカスが主である私に武器を構えているのだから。


『ルカス、お前…っ。』

『おや、ミヤジ。私と1戦交えるつもりかい?ミヤジに剣術を教えたのは私で、その剣だって私が選んだものなのに。』

『く…っ。』


『ボスキ、ボスキ!大丈夫か…!?』

『あぁ、なんとか、な……。』

『今すぐ治療しないと…っ。』

『ルカスさん、どうしてこんな……。』

『ベリアン…ミヤジ…君達まで私をそんな目で見るのかい?酷いなぁ…まぁいい。邪魔をするなら君達も殺さないと。』

『っ、ベリアン、あいつに情けはいらない!今のルカスは俺たちの知ってるルカスじゃない!』

『……っ!!』

私はギュッと唇を噛む。


ガキンッ!


『ベリアンさん!!』

『みなさん、主様を安全な場所へ!ハウレス君、フェネス君、ボスキ君の手当てを頼みます!』

『ベリアン…ミヤジ…ッ。』

『主様、早くこちらへ!』

『…ダメだよ――。私が離れたら2人が殺されちゃう。』

『え…? 』

『今のルカスは誰を殺すことも厭わない……躊躇なんてしない……!私のせいで2人が、みんなが死ぬのは嫌……。』

『主様……。でも、主様が死ぬなんて俺は嫌ですよっ!!』

『…そうだね。出来れば私のその道は選びたくなかった。』

『え……?』

『……ごめんね。テディ。私はみんなの主になれて良かった。みんなと出会えて良かった。』

私はみんなから離れてルカスの所へ向かった。

『そんな、嫌だ、嫌です!主様――!!!!』


貴方を止められるのは私だけ。それなら

私が彼の為に出来ることは――。


ダッダッダ……ッ!!

『……?』

ギュッ!

私はルカスに後ろから抱きついた。

『主様……?』

『ごめんね、ルカス。』

『はぁ、主様、何を……?』

私はルカスの腕についている薬品を奪い

口に含んで、ルカスにキスをした。

『んっ……!!』


『ルカスの腕についてる薬品…主様、それは……っ!!!!』


以前、医者としてルカスと仕事をしていた時聞いたことがある。


『ルカスの腕と足についてる薬品はなんだ?』

『あぁ、これかい?これはね、毒だよ。 』

『なっ!?』

『ふふ、冗談さ。ただの薬だよ。まぁ間違った飲み方をすれば毒になるってだけさ。例えば……全部混ぜる。とか。』

『はぁ、ルカス…医者としてそんなことしてはダメだぞ。』

『ふふ、うん。わかってるよ。』


いつだってそう。誰かを目覚めさせるのは真実のキスだけ――。


『ぅ…!ぐ…っ。』

(苦しい…。主様がどうしてこの薬のことを…。)

『ふ、ふふ…っ。ルカスが1番喜ぶでしょ……?心中なんて…ロマンティックだって…ね。』

『そんな…っ。主様…。』

『はーっはーっ……ぁ。』

息も絶え絶えになる。

『私、も苦しくなってきた…ふ、ふふふ…。ルカスだけ死ぬなんてそんなことさせないよ。死ぬなら一緒に死んであげる。』

私は縺れた足でルカスの元へ歩き、

崖まで詰め寄る。

『主様、まさか……!!』

私は武器を捨てて主様の所へ走る。


『ずっと一緒だよ。ルカス。 』

『主、様……。』

トン…ッ。

ルカスを抱きしめて私達は崖の底へ落ちる。


『主様ぁぁぁぁぁぁ――!!!!』


次回

EIGHT story サヨウナラ

『貴方のナカマデ愛してる。』 〜狂った愛と歪んだ執着〜

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