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デュース
「や、やっちまった。今度こそ、絶対
絶対優踏生になろうと思ってたのに!」
グリム
「え?」
デュース
「俺はミドルスクールの頃、とにかく
荒れてて…しょっちゅう学校サボって
毎日ケンカに明け暮れてた
先生の名前は呼び捨て。ワルい先輩と
ツリんでたし、髪の毛もメチャクチャ
脱色してた
マジカルホイールでとうげも攻めて
たし、魔法を使えないヤツに魔法で
マウントを取ったりする、
どうしようもないワルだった」
グリム
「今時なかなか見ないくらい
テンプレなワルなんだゾ!」
『なにかあるとは思っていたけど
そういうことね』
デュース
「でも、ある夜。俺に隠れて泣きながら
ばあちゃんに電話してる母さの姿を
見ちまったんだ
自分の育て方が悪かったんじゃないか
片親なのがよくなかったんじゃないか
って
そんなわけねぇのに。母さんは何にも
悪くねぇ。悪いのは全部俺だ!
だから、名門ナイトレイブン
カレッジから迎えの馬車が来た時、
すげー喜んでくれた母さんを
今度こそ泣かせないって決めた
俺は今度こそ、母さんが自慢できる
優踏生になろうって決めたんだ
なのに、ちくしょう!」
グリム
「でもよぉー。全部我慢するのが
優踏生なのか?オレ様だって、
さっきの不良共にあと10発くらい
パンチしてやりたかったんだゾ!」
『ええ、やり過ぎはよくないけれど、
優踏生だって怒るときは怒らなきゃ
ダメよ
それに、私はお母さんの為に優踏生に
なろうとしてるだけでお母さんも
嬉しいと思うの
不良だったとしても、デュースは
とっても優しいのね』
〔デュース視点〕
“不良だったとしても、
デュースはとっても優しいのね”
そう言われたとき、なぜだか凄く
泣きたくなるくらい、心が暖かく
なった気がしたんだ
不良だったとわかっても、優しいって
言ってくれるレイに凄く嬉しく
なったんだ
それと同時に、顔が熱くなっていくのが
分かる。心臓の音が早くなるのがわかる
凄く抱きしめたくなるんだ
デュース
「そっか。へへ、ヒヨコも
安らかに成仏してくれるよな」
『あら?その卵は無精卵だから
元々生まれないわよ?』
デュース
「え、えええ!!!???
嘘だろ!?!?!?」
『クスクス(*^^*)』
デュース
「///」
でも何故だろう。その笑顔が
嘘に見えるのは
〔デュース視点終わり〕
エース
「おっ、帰ってきた
隨分遅かったじゃん」
トレイ
「それじゃ、一気に仕上げよう」
〜〜〜
「「完成〜!!」」
デュース
「かんせーい」
エース
「コイツ、買い出しでなんかあったの?」
『そっとしておきましょう』
デュース
「俺が16年間信じてきたものは一体…」
ケイト
「おつおつ♪おっ、タルト完成した?
デコレーションかわいーね!マジカメ
映え〜ってカンジ♪1枚撮らせて」
エース
「あーっ!アンタ、今さら
何しにきたんだよ」
ケイト
「可愛い後輩たちが頑張ってるかな〜
って様子見に来たんじゃん。あはは、
めっちゃ疲れた顔してるし!」
トレイ
「慣れない事すると疲れるよな
というわけで、疲れたときには
甘い物だ出来立てマロンタルトを
召し上がれ」
「「やったー!」」
グリム
「いっただきまーす!」
エース
「っん、ヤバ」
ケイト
「んまーい!」
デュース
「凄い、店に売ってるやつみたいだ」
ああ、こんなにゆっくり
お菓子を食べたのはいつぶりかしら
ケイト
「そだ。ねーねー、
トレイくん。アレやってよ」
トレイ
「あれ?…ああ、あれか
お前達、好きな食べ物はなんだ?」
エース
「俺は、チェリーパイとハンバーガー」
グリム
「オレ様はツナ缶なんだゾ」
デュース
「しいて言えばオムライス、ですかね」
ケイト
「折れはラム肉のグリル・
ディアボロソースがけ」
『この世界にカステラはあるのかしら?』
トレイ
「ああ、あるぞ。それじゃあ、いくぞ
ドゥードゥルスート
《薔薇を塗ろう》!では、マロン
タルトをもう一口どうぞ」
エース
「ん?んんん?これは、マロンタルト
なのにチェリーパイの味がする!」
ケイト
「面白いでしょ?これ、女の子と
お茶するときに鉄板でウケると
思わない?」
デュース
「凄いですね。味を変える魔法が
クローバー先輩のユニーク魔法
なんですか?」
トレイ
「正確には、要素を上書きする魔法
だな。味だけじゃなく色や匂い
なんかも上書きできる
効力は短時間しかもたないから落書き
みたいなものだ
だから俺はこの魔法を、ドゥードゥル
落書きって呼んでる」
グリム
「へぇ~、そう言えば、レイは
カステラが好きなんだな
知らなかったんだゾ!」
『ええ、よく家族や友人、
恩師とも食べたりしたの』
グリム
「家族、恩師…ああ〜〜!!!!」
「「!!」」
グリム
「エース!エースが最初にバカにした、
レイの羽織とピンにピアスは
既に死んじまったレイの恩師と両親、
兄妹の形見なんだゾ!!」
「「え、ええ〜〜〜!!!!」」
デュース
「既に、死んでる?その形見をエ、
エースがバカに、した?」
トレイ
「兄妹が、死んだ、だと」
ケイト
「そうだった。トレイは
下に妹とかいたんだった」
エース
「それ、マジで言ってる?
ち、ちなみに何歳のとき?」
『家族は私が9歳のときで
恩師が12歳のときよ』
「「うっ”!」」
エース
「ごめん!!」
エースは席を立ち思いっきり
頭を下げて謝った
エース
「俺、何にも知らないでレイの大事な
形見バカにしちまって、本っっ当に
ごめん!!」
『全然大丈夫よ。それにボロボロなのは
事実で、エースは何も知らなかった
私別に怒っていないの
それに、今そうやってエースが悪いと
思って謝ってくれてるだけで嬉しいわ
ありがとう』
エース
「///」
❲エース視点❳
“ありがとう”
死んだ恩師と家族の形見をバカにされた
のに、その言葉だけでレイが本当に
優しい奴だって実感する
心臓が早くなってんのが分かる。他の
やつに取られたくないって思っちまう
ああこれ、俺は完全にレイに惚れ
ちまったみたいだな
レイは時々、遠くを見ているときがある
きっとレイがいた世界のことを思っるん
だろうな。でも、そのときは楽しそう、
じゃなくて、懐かしむような笑顔なんだ
それと同時に、レイは強い。でも、それ
以上に危うそうになんだ。誰かが守って
あげないと壊る
その役目を、俺ができたらな
トレイ
「…さ!今日はもう遅い。タルトを渡す
のは明日にして、寮に戻ろう。明日は
なんでもない日のパーティーだ
遅刻するなよ」
エース
「レイ、また泊めてくんない?
俺、意地悪な先輩に寮に入れて
もらえないみたいだし!」
ケイト
「あらー、棘のある言い方〜」
デュース
「こらエース。あまり
レイに甘えるのはよせ」
グリム
「そうだゾ!今日も泊まるなら
家賃払え!ツナ缶10缶!」
エース
「えー!じゃあ野宿しろってのかよ〜」
トレイ
「じゃあ、デュースもお目付け役と
して、レイの寮へ泊めてもらったら
どうだ。副寮長の俺が、外出許可を
出してやるぞ」
ケイト
「トレイくんってば、新人ちゃんに
甘くない!?いいなー。ね、
レイちゃん。俺も行っていい?」
トレイ
「お前はダーメ」
ケイト
「ちぇ、さげぽよ」
トレイ
「じゃあ、レイ。うちのが2人
邪魔して悪いが、明日までよろしくな」
『ええ、わかりました』
エース
「明日はなんでもない日のパーティー
絶対、この首輪を取ってもらう
からな!見てろよ、寮長」
❲エース視点終わり❳