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#異世界転生
しめさば
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#ロマンスファンタジー
花月夜れん
361
榎本くもり
10,728
「皆、ごめんね。後の事はよろしく」
「「「はい、アリスト様!」」」
「アリスト」
「兄上」
「アリスト様」
「メリエ」
沢山の人達に囲まれて、ボクは出発する。
「無事に、リサ様に出会えますように」
「ねーちゃんに伝えてくれよ! ボスに君臨したぜって」
「お姉さんは僕達を救ってくれた。今度は僕達が助ける番です」
召喚の魔法陣の上に乗り、ボクは願う。
「アリスト、すまない」
兄上が、頭を下げた。ボクも……。いや、もう大丈夫だろう。
並んだ二人を見てからお辞儀する。
「いえ、ボクの方こそ勝手をします」
たったそれだけ、ボク達は言葉を交わした。
「行ってきます」
手には、大魔法使いの家にあった本とマタタビ棒を持って。
「過去の世界に干渉する代償は、僕がもう払ってるんで――。すまないっすね。巻き込んで。僕が出来るのはここまで――」
「君が言っていたのはこれだったんだね」
スペードはこくりと頷く。
「君はそれでいいのかい?」
「僕は――、これが僕の願ったことっすから」
「そっか」
魔法陣に、ボクは強く願った。
過去にリサを呼ぶ。過去のボクが彼女に出会うために。
そして、――――。
ーーー
「アリスちゃーん! どこー!」
見つからない。どうしよう。何処まで行ってしまったのか。
「アリスちゃーーん」
私は必死に探すけれど、白猫の姿が見つけられない。
私、なんて事を――。タツミ君になんて言えば。
チリン
風にのって白猫のつけていた鈴の音が聞こえ、私は音のした方に顔をむける。
すると、ざぁーと一陣の風が吹いた。髪をおさえ、もう一度音のした方を向くと、一人の男の人が立っていた。その腕の中に、白猫の姿がある。
にゃぁん
「アリスちゃん?」
男の人の腕の中で白猫は居心地良さそうにすっぽりと納まっていた。
「あの、その猫――」
白猫を抱えた男の人が私をじっと見る。私も、彼から目が外せなかった。だって、髪は黒色だけど、目が青い。アリスによく似たサファイアブルー…………。
「ボクの名前は有栖、君はー?」
「あっ……リサ……」
「アッリサちゃん?」
「リサだよ――!」
アリスと名乗った男の人が、ふにゃりと笑った。大好きな、あの笑顔。
「やっと見つけた、リサちゃん」
ーーー
「十夏梅」と書かれたネームプレートが玄関にかかる、とある家の中。
「お母さんいってきまーす」
「光、まちなさい」
「へへーん、クロ、クウ、いくぞー」
「お兄ちゃんまってー」
「三月まで!」
「時と空間の精霊よ!!」
十歳ぐらいの双子の子供と2匹の猫が時空間転移魔法で向こうの世界に行って冒険する。それはまた別のお話し。
ーーー
時の流れを遡って、過去へと向かう二人がいる。
「さてと、次の僕はどうするのかな」
「上手くいくといいっすけど、どうだろうねぇっす」
「まあ、またよろしく。クロノス」
「はいっすよ。僕と君は一心同体の相棒っすからね」
「……リサがよかった」
「はいはい、いくっすよー、僕!」
「それじゃあ、またね。リサ」
二人の呟きは時の流れに流されて消えていく。
完
コメント
1件
ついに最終回かあ…!😭✨ アリスとしてリサと出会い直す決断、スペードが代償払ってたのも含めて全部切なかったけど、「やっと見つけた」のシーンで涙腺崩壊したよ…! 双子の子供たちの未来の姿も見られて、ほっこり温かい気持ちになれた。長い旅路、お疲れ様でした! 素敵な物語をありがとう、花月夜れんさん🌸💕