コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
『 』
しばらく座り込んでいた体を起こし荷物を取りドアノブに手をかける。
朝、家を出て行ったときよりも重く感じ再度ドアノブを強く握り締める 。
そして扉を開ける
家の周辺は賑わっていて辺りは眩しいくらいの明かりに目を瞑る。
「らっだぁーー!」
あ、ぺいんとだ
「あ!やっと見つけ…」
ドタン
少し離れた所でぺいんとが転けた
「ぺいんと!大丈夫か?W」
思わず笑い出しそうになり口を抑える。
「おい、今笑っただろ!!」
「あはは!ごめんごめん」
ぺいんとは痛ぇー!といいながら駆け寄ってくる。
「膝怪我しちゃったや、絆創膏持ってねぇ?」
ぺいんとの膝には血が出ていた。
「っ!?」
血を見た瞬間何か感じたことの無い感覚が俺を襲った。咄嗟に口を抑える。
抑えないと何かが起きてしまう。そう思った。
「おい、らっだぁ?聞いてるか?」
ぺいんとに体を揺さぶられる。
「絆創膏だろ、ほら」
「サンキュ-」
なんだこれ?気持ちわりぃ
そう願い傷口を見ないように目を瞑る。
「らっだぁ?」
「あ、貼れたか?んじゃ行こうぜ」「おう!」
何だったんだろうか。ずっと頭がズキズキと痛みながらも平然を保ちぺいんとと歩く。
「あれ!見て見ろよ!」
グイグイと袖を引っ張られぺいんとの横まで行く。
「おぉ~凄いな」
目の前には大きな馬車に乗った皇后陛下達が微笑みながら手を振っている。
ぐるりと辺りを見渡すと自分達の周りはもうすでに人でいっぱいだった。
後ろで泣き声が聞こえる
「うわぁ~ん!」
「ちゃんと前向いて歩かないと駄目でしょ」
子連れか?後ろに体をやる
母親に抱き上げられた子供の体を見ると肘、膝から血が流れていた。
キーーン
突然耳鳴りがする。
自分でも危険だと認知したのか 耳を塞ぎ目を瞑る。
さっきと同じ様にはなりたくない
「何ですか?」
目を開けると自分は母親の肩を掴んでいた。
すると母親は後ろを見るや否や目をまん丸にし抱いていた子供を守るように崩れ落ちた。