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大会前日、優斗が突然紗菜を呼び出した。
音楽室の扉を開けると、彼はどこか怯えたような表情をしている。
「最近…全然会えなくてごめん。
紗菜、怒ってるよな?」
その顔を見た瞬間、紗菜の胸が緩んだ。
「怒ってないです。でも…寂しかったです」
紗菜の素直な言葉に、優斗は息を飲む。
「俺も。
紗菜と話したくて、でも練習抜けられなくて…
ずっと苦しかった」
紗菜は静かに笑った。
「先輩。わたしたち、ちゃんと話せば大丈夫ですよね」
優斗は深く頷いた。
「紗菜がそう言ってくれると、なんか強くなれるんだ」
二人の指先が、触れるか触れないかの距離で止まる。