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終わらない。
何度も振っては防がれて、振られては防いで避けて、銃で邪魔をされて、少し斬っては少し斬られた。
はぁ、はぁ、
体力的にも、かなりきつい。
一体、どれくらいこうしていたんだろうか。
向こうも、あっちでも、苦戦しているようだ。
けど、まだ終わらない。
『っ、りゃあ‼︎』
剣を振るう。
相手も少しずつ、動きが鈍くなる。
が、
『みんな、終わっちゃえばいいのに!』
剣を持った青年が言った。
殺気は消えない。
また剣を振るわれて、
剣で防ぐ。
腕が、痛い。
何度も、攻撃を防いだ。
少しでも力を抜いたら、剣を落としてしまいそうだ。
でも、避けられるほどの体力も少ない。
でも、攻撃がくる。
避ける。
そして、僕が剣を振る。
と、
『日本人ハ、ザコばかりダナ!』
バン!
銃を持っていた男が、こちらに撃ってきた。
さっきの銃じゃない。
あと、
どこに銃があるんだ?
男が、ハンドガンらしきものを指で回し、
バン!
バン!
バン!
ありえないところから撃ってきた。
『うぐっ!』
いつ撃ってくるのかが予想できない。
避ける暇もない、
!
気づけば、
あの男の相手をしていた如月さんたちが、倒れていた。
『クソッ!』
如月さんが這いつくばりながら、男に近づいていく。
如月さんが、倒された?
嘘、だろ…
だけど、
気を抜いていられない。
バン!
腰ベルトに戻された状態から、こちらに撃ってきた。
足に当たる。
やられたっ!
そして、
青年が、空中にいた。
キラリと剣が輝いて、こちらに迫ってくる。
僕は、剣を投げ捨てて、
銃を持った。
そして、撃つ!
バン!
腕に当たる。
青年は、剣を落とした。
が、
バン!
あっちの男が、
僕のもう片足に向けて撃ってきた。
避けたはずだった、
でも、避けた先で当たった。
予測されたのか?
立っていられず、その場に倒れた。
そして、
銃を持った男が、こちらに歩いてきた。
『残念だったナ。ま、少しはマシだったガナ!』
コイツは、
外国人か、
特に強かった。
また、銃をくるくると回して、
っ!
僕の頭に、銃口を突きつけた。
『あっ、ああ…っ』
殺される、
死ぬのって、こんなに怖かったんだ。
『ぁ…ぁぁっ………』
怖い。
でも、
あの2人が、ここにいなくてよかった…
僕は、目を閉じた。
死にたくない…
怖いよ…
・・・
バン!
『はははっ!』
俺は、身体をそらせている。
そして、
笑った。
『どっちが先に死ぬかな?殺せるのなら、俺を殺してみろよ。ただ、俺もそう簡単に死ぬつもりはないけどな!』
俺は外人に、銃口を向けた。
『ふっ、面白い奴ダナ!そうこなくっちゃナ。』
俺も外人も、それぞれに銃口を向けている。
『いい銃を持っているナ。コイツは、素人には扱えないものダ。ま、俺様のもそれなりのだガナ。』
リボルバーか。
バン‼︎
2つの銃声が重なった。
そして、
2つの弾丸がぶつかりあった。
『なるほどナ。オマエが、一匹狼カ。日本人のくせに、なかなかやるじゃないカ。』
『お前も、かなりいい腕だ。久しぶりに、死ぬかと思ったぜ。』
外人が、銃を下ろした。
『気に入っタ!俺様に取っテモ、お前はかなりの腕ダ。ここで殺るのはもったいナイナ。』
外人が、去っていく。
剣を持っていた青年は、こちらを見下ろしたあと、去っていった。
俺は笑っていた。
ザーッ
『っ!』
痛い。
けど、
さっきの人たちは去ったようだ。
『おい!大丈夫か!』
誰かが来た。
けれど、
もう、何も見えない。
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