テラーノベル
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あれから数日、またカラスバさんとは全く会えていない
事務所へ直談判しに行くも、門前払いされてしまう
それにあの日から、たまに 見れていた4年前の記憶もパッタリ見なくなっている
『(…ま、明日にはエイセツシティ行くし……そこで記憶が戻れば…)』
無事エイセツシティ行きの予約も取れたし、遂に明日エイセツシティへ行く
数日前のカラスバさんの様子を見るに、カラスバさんとアザミが教えてくれた4年前の話も嘘の可能性がある
だからこそエイセツシティに行けばカラスバさんとの関係も私についても全て 記憶さえ戻れば分かるはず
『…記憶が戻れば…カラスバさんも喜んでくれるよね……』
──翌日 早朝
『…よし!防寒対策も完璧!!』
聞いた所によると、ミアレは夏でもエイセツシティの方は雪が降っているのだとか
コートに身を包みエイセツシティ行きの便を待っているとセイカから電話がかかる
『セイカ?もしもし』
〖シオン!今暇〜?〗
『あ、ごめん今からちょっと用事があって…』
〖そっか…せっかくだし、服選び手伝って欲しかったんだけど…〗
『え!そりゃ行きたかったなぁ〜…』
セイカは綺麗な顔立ちだし、いつか一緒にセイカの服を選びに行きたいと思っていた為残念に思う
〖まぁ、また行こうよ!それよりシオンはどこ行くの?〗
『雪見に行くの〜!って、ごめん電車来ちゃったから切るね』
〖あ、うん!気を付けてね!〗
『うん!またお土産持っていくね〜!!』
〖ほんと!?楽しみ〜!!〗
そう言って電話を切り、急ぎ足で電車に乗る
〖チャモ〜♫〗
『ふふ、アチャモも楽しみなの?』
〖チャモチャモ!〗
シオンの膝の上に座り楽しそうにしているアチャモの頭を撫でる
『ねぇアチャモ。4年前にここに来た事ある?』
〖ンチャ!〗
『その時カラスバさんと来てた?』
〖ンチャチャ〜!!〗
アチャモが頷く…と言うことはやはりカラスバさんと一緒に来ていたのか…
『…私とカラスバさんって仲良さそうだった?』
〖ンチャ!〗
『イ、イチャイチャしてた…?』
〖ンチャ〜?〗
流石にイチャイチャしてたかは分からない様子だが、それなりに仲は良かった様子
しかしこれ以上はアチャモから聞けなさそう
ハムサンドを頬張るアチャモの可愛いほっぺを撫でながら外を見た
──ガタンゴトン、ガタンゴトン……
【なんやお前、その髪染めとったんか】
〖ん?あ、言ってなかったですっけ?〗
【聞いたことないな】
〖へへ、ごめんなさいそんな拗ねないで下さいよ〜!!〗
【別に拗ねとらん】
拗ねちゃって可愛い、カラスバさん
冬が嫌いって聞いてたけど、着いてきてくれるなんて優しいカラスバさん
〖──この髪にしたのも、紫基調のメイクをしてるのも……全部カラスバさんに気に入られたいから、って言ったらどう思います?〗
【は……】
ほら、す〜ぐ顔を赤くしちゃって、可愛い
まだカラスバさんと話していたいな
このまま時間が止まっちゃえばいいのに
──これで最期なんてやだな。
〖─モ!…チャ…チャモ!〗
『わっ、あれ…寝てた……?』
アチャモの声に慌てて目を覚ますとアチャモが何処か心配そうに私の顔を覗いている
『どうし……あれ……』
その時ふと自分の頬を触ると濡れている事に気づく
……なんで、泣いてるんだろ
『ん〜ッ!ついたー!!』
エイセツシティに降りると白色の雪景色が広がっていた
〖アチャアチャ!〗
『あ!まってアチャモ!!』
シオンの肩から降り、エイセツシティの中を走るアチャモ
そんなアチャモを追いかけていくと、街から少し外れた建物のない所へ出る
〖アチャ!アチャ!!〗
〖ギュア!!〗
〖ンチャ!?ヂャー!!〗
アチャモが雪の中に潜り埋もれていると、それを心配したリザードンがボールから出てきて、アチャモを咥えて持ち上げる
『あははっ!ほんと仲がいいね〜!!そうだ、みんなも出ておいで!!』
そう言ってボールを出してポケモンを出す
オンバーンにホイーガ……
『あれ?』
その時ヌメイルとデンリュウが居ないことに気づく
『え!?ど、どどどどこいったの!?』
慌てて後ろを振り向くとオンバーンが何やら首を横に振り頷いている
『え?もしかして場所知ってるの?』
〖バァウ!!〗
『え!?ど、どこに!』
〖バァウバウ!!〗
『大丈夫…って?もしかして家に残ってるの?』
そう言うと頷くオンバーン
ふと横にいるリザードンを見ると、リザードンも大丈夫というように頷いている
『そ、そっか……良かった…どっか行ったんじゃなくて…』
にしても気づかなかったのはダメだったな…
次から気をつけないと……
そう思いながらオンバーンの頭を優しく撫でた
『よし!とりあえず記憶思い出すまで、色々やろう!!』
〖チャモ〜!!〗
〖ギャギャッ!〗
〖クルル……〗
記憶を戻そうとはしゃぐシオンにアチャモとホイーガ
そんな1人と2匹をオンバーンとリザードンは心配そうに見つめていた
──数時間後
『……全ッ然…思い出さない………』
これまでエイセツシティを見回ったり、美味しいご飯を食べたり、雪だるまを作ったり、アチャモ達と遊んだりしたが何も思い出せず気づけば夕方近くになっていた
『ここに来るだけじゃダメなの…?』
何かきっかけでもいるのだろうか?
ベンチに座り悩んでいると、目の前にいたリザードンが〖帰ろう〗というように服を引っ張る
『ええ…?まだ居たいんだけどな……』
──ズキッ……
〖本当に帰らないとダメですか?あと少しだけここに居たいです〗
『ゔっ…ぃ、たいっ……!!』
何かの記憶と共に、突如激しい頭痛に襲われ頭を抱えその場にしゃがみ込む
すると上から聞き覚えのある声が聞こえる
〖…あ〜…だいぶ、しんどそうだね〗
『っ?え……アンタ……』
見上げると久しぶりに見る4年前の私が立っていた
〖でもやっぱ、───さんに全部取られてるから、それがないと思い出せないのか…〗
『全部、取られて……る?』
ぶつくさ話している4年前の自分
取られてるって何を?本当にわけがわからない
そもそもこんなにハッキリと話せるなんて、初めてだった
〖…多分私はもう会えない。だから…最後に教えてあげる〗
『会えない、って…どういう……っ…』
〖きっと───さんの家の中にある───を見たら、わか──…から──〗
『ちょっ、どうい──』
言葉の節々が聞こえず聞き返そうとした瞬間、吹雪が吹き目の前が真っ白になる
そしてすぐに自分を呼ぶ声が聞こえ、ハッと目を覚ます
「───オン!…シオン!!」
『っ!?あ、あれ…なんで……』
目を覚ますと目の前には青ざめた表情のカラスバがシオンを見つめていた
そしてカラスバはシオンが目覚めるなり強く抱きしめる
「…よかった…ほんまに………」
その声は弱々しくて身体も小さく震えていた
周りを見ると居なかったはずのデンリュウとヌメイルが心配そうにシオン達を囲んでいた
『デンリュウ達が…?』
小声で尋ねると頷くデンリュウとヌメイル
そんな2匹の頭を少し撫でたあと、ずっと抱きついて離れないカラスバの頭もそっと撫でた
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