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これは一体、どういう状況なんだろう……。
「レト……?」
名前を呼んでみたら、そっと体を倒された。
私を寝かせてどうするつもりなのか……。
経験不足なせいで全く予想ができず、目を開けていられないくらい胸の鼓動が早くなる。
「かけらが断ったせいだよ……。文句は言わないでね」
「えっ……?」
寝袋に足を入れたレトは、私にぴたりとくっつくように背中を倒す。
腕が当たって体温を感じる……。
何か言った方がいいんだろうけど、緊張して言葉が出てこない。
恥ずかしくて、レトの顔を見れなくなった私は、星空を眺めることにした。
「強引なことをしてごめん……。
どちらかが凍えてしまうよりは、こうした方がいいと思ったから」
「…………」
「かっ、かけら!?
なにか言ってよ。これ以上手は出さないから」
「あっ…、うん……。驚いちゃって……。
寒さから身を護るためだもんね」
この状況のせいなのか、レト以外のことを考えられなくなる。
それに体が熱くなって、ドキドキして……。
今までこんな風になったことはなかったと思う。
寒い夜を快適に過ごす方法が他に見つからない中、一つしかない寝床を共有するのは仕方がないこと。
隣で体を休めて、暖を取るだけで、それ以上の理由は何もない。
心の中でひたすら自分に言い聞かせていたら、レトがしたこの行動の意味を理解できるようになってきた。
それでもイケメンが隣りにいたら、気になってしまう。
「かけら……」
「なっ……、なに……?」
「国を平和にするためには、どうしたらいいんだろう」
急に難しいことを聞いてくるから、気持ちを切り替える努力をする私。
こんなにも緊張しているのは自分だけで、レトは平気なんだろうか。
今気になるのは、腕が触れているこの状態だけど、大事な話の方を優先する。
「私も詳しくは分からないけど……。
王様同士が、手を取り合えばいいんじゃないかな。
譲り合うところは譲り合って、協力できることは一緒に考えて乗り越えるって感じで……」
「四つの国の王たちは、恐らく戦争のしか考えていないと思う。
戦うだけで、話し合いをしたことがないみたいなんだ。
だから、僕が王になったらグリーンホライズンを大きく変えていたいと思う。
夢を見過ぎかな……?」
「レトの世代……。あっ、その手がある!」
「えっ……、僕の世代?」
「まだ王になっていない他国の王子たちと会って、話してみるの。
その人が次の王になるかもしれないでしょ。
仲良くなったら、今の状況が何か変わるかもしれない! ……って、あっ……」
旅を始めてから、他の国に行くことしかまだ決めていなかった。
でも、そこで王子と話すという目的ができた。
今後どうすればいいのかはっきりして、テンションが上がった私は、いつの間にかレトの方を向いていた。
少し離れていれば普通に見れるのに……。
こんなに近くにいると、恥ずかしくて顔を合わせられなくなる。
可愛くないな……。私……。
「他国の王子と話すためには、どうすればいいんだろうね……。
まぁ、これからゆっくり考えていけばいいか。……おやすみ、かけら」
「おやすみ……」
背中を向けてきたレトにそう言った後、しばらく眠れなかった。
夜が更けていくと共に顔が冷えるほど寒くなっていく。だけど、寝袋の中だけはとても暖かかった。
何が起こるか分からない野宿。
レトが隣にいてくれたおかげで眠ることができた。
目が覚めると朝になっていて、太陽が昇っていた。
近くに設置していた焚き火は消えていて、私は肩まで寝袋を被った状態だった。
顔が冷たいだけで、痛いところもない。体調もいいみたいだ。
でも、何か足りないような……。
そうだ……! 隣に寝ていたレトだ――
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