テラーノベル
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伏字
190
低音 リリナ
131
九斗
「…って言うわけなんだ」
俺は優に未来のことを教えている。
「ヴォルトゥンは北海道地方で、俺と同盟を結んでいて、良好だった」
「俺が死んだあとは分からないが、ヴォルトゥンのトップは俺と仲が良く、かなり良い奴だった」
「まぁ、互いに歳も近く、性別も同じだったから、その分気があったんだろう」
「ヴォルトゥンのトップはあんまり戦争は好まず、遠征もほぼ行かなかった」
「まぁ、あいつは面倒臭がり屋だったし、動きたくなかったんだろう」
「だけど防衛は何十回もしている」
「ロシアが何十回も攻めてきたからな」
「俺も何回か援軍へ行ったが、特に何もせずに終わった」
「普通にあの男は普通に強い。」
「俺たちが今いる関東地方はファウォホディ」
「正味、ファウォホディは派閥の中で1番腐っていた」
「非能力者を隔離し、奴隷、実験体…様々な非道な事をしていた」
「更に、女子供問わず無差別に殺していった」
「ファウォホディの方針は終わっている」
「殺すのが正しい、そう考えているサイコキラーだったからな。」
「俺の派閥、ドーハスはそんな事はしなかった」
「女子供を殺す、なんて落ちぶれた事はしない」
「自分で言うのもなんだが、ドーハスが1番優しい派閥だった」
「ドーハスは東北地方、俺のいた派閥だ」
「後ろがヴォルトゥンだったお陰で、ファウォホディとの戦いに集中できて楽だった。」
「中部地方はツェベトェイ」
「ここの派閥のトップとは1度だけ会ったことがある」
「ここのトップはかなり温厚で、黒い噂は一切聞かない、それに気さくで話しやすかった。」
「近畿地方はカチャタ」
「ここは…なんか、動物大好き派閥だ」
「動物を無下に扱わなければ基本優しい」
「それに、トップはかなり冷静な人らしい」
「そこそこ強いらしいから敵には回したくないな。」
「中国地方はドユュシュ」
「ここはバリバリの武闘派で戦闘狂が多い派閥」
「でも、ファウォホディみたいに無差別に殺しはしない」
「しかも、ドユュシュのトップが一人でドーハスの本拠地に来た時は焦った」
「いきなりやってきて、タイマン張れって」
「普通に厄介だった、まぁ俺が勝ったけどな」
「本物の脳筋って感じの奴だ」
「四国地方はなんて言えばいいか…消えた」
「いつ消えたのかは分からないが、能力地震後の に初めて確認した時にはもう無かった」
「派閥が存在していたのかすらも分からない。」
「九州地方はクウォマラベナカ」
「ここの派閥は攻めることが出来ない」
「めっちゃデカくて固いバリアに勢力圏が囲まれていて、壊すのがムズい」
「だけど、この派閥はなんも来ないから、どの派閥もほっといてる。」
「沖縄地方はスタビリタ」
「正直、この派閥はかなり危険だ、兵士一人一人の実力が高い」
「オマケに幹部連中もクソ強い」
「俺でもトップに勝てるか怪しい」
「それぐらい強い派閥なんだ。」
…と言った事を優に話した
「優、昨日も話したけど、殺し合いで躊躇しちゃダメだよ」
「やらなかったらやり返されちゃうからな。」
優
「…なぁ、九斗」
「せめてズボン履いてくれよ…」
「パ、パンツがさ、ずっと見えてんの…」
「恥ずかしくないのか?」
九斗
「まぁまぁ、別に俺は恥ずかしくないから」
「優だけだぞ?」
「パンツ見られて恥ずかしくないって思うのは」
「それに、昨日も言ったけど、優は俺の初めt…」
優
「だから知らねぇし俺がそんなことするわけねぇッ!!」
「いい加減にしてくれ!ご飯抜きにするぞ!」
九斗
「それはダメだ」
「俺は優のご飯無しでは生きれない体になっちまったんだ」
「後、体の関係も」
優
「ッ…バーカ!もう二度とご飯作んねぇから!」
「そのまま飢えちまえ!露出狂がよ!」
「バカバカバカバーカ!」
優
「…武器って、何を買うん?」
九斗
「ナイフしかないだろ」
俺が今持っているのは果物ナイフだ
はっきり言うと切れ味が悪い
人を刺したり、傷付けるためではなく、果物の皮を剥いたりする為に作られたナイフだ
だからあまり戦闘には向かない
優
「ナイフとかダメだろ…銃刀法違反だぞ」
九斗
「優がそれを言うのか?」
「俺と初めて会った時は日本刀で斬りかかってきたくせに」
優
「え…?す、すまん 」
九斗
「てか、後ちょっとで能力地震なんだから」
「気を引き締めてよ」
「いつでも俺が守れる訳じゃないからな」
優
「俺にはできないよ…人を殺すなんて想像するだけで怖い」
九斗
俺も最初はこんな感じだったっけ…
人を殺したら人じゃなくなる、なんて考えてたなぁ
でも、結局は綺麗事に過ぎない、生きていくうちにそんな事は何の役にも立たない
…まず優の考えを正さないと
「優、真剣に聞いてくれ」
「そんな綺麗事は、戦場だと意味が無い」
「人間だって生きるために豚や牛を殺して生きている」
「その殺す対象が人ってだけだ」
優
「で、でもさ、九斗はあっちで沢山人を殺したから慣れてるだけだよ」
「今は普通の人間なんだよ」
九斗
「確かに俺はあっちで沢山殺した」
「優が正常で、俺が異常」
「確かに優が正しいよ」
「だけどな、その甘さで大切なものが消え去っていくんだよ」
「今の優にこんな事を言うのは酷だけど、甘さは捨てろ、余計な事も考えるな」
「生きるためなら他人を利用して裏切って、誰かを犠牲にして生きろ」
「俺とあっちの優はそうやって生きてきた」
優
「…無理だよ、そんなの」(涙を流す)
九斗
「無理じゃない、やるんだよ」
「俺だってやりたくなかった、だけど、やる時は必ず来る」
「俺達はそういう運命なんだ」
「ほら、泣いてないで行くぞ」
…ごめん、優
でも、こういう事を言わないとあの 世界じゃ生きれなくなる
九斗
「いい加減機嫌直してよ〜」
あの後、店でサバイバルナイフを5個買った
そして、切れ味を良くするためにナイフを研いでいる最中だ
優
「別に機嫌悪くない」
「…だけど」
「本当に俺は人を殺せるのかって」
九斗
「俺だってそんなじゃんじゃん殺してる訳じゃないぞ?」
「降りかかる火の粉を払ってるだけ」
優
「それでも、俺はその人の人生を奪うんだぞ?」
「その人には家族や友人がいるかもしれないのに」
九斗
「じゃ、優は殺されてもいいわけ?」
優
「そ、それは」
九斗
「頑張って生きようぜ」
「優なら出来るさ」
「…大丈夫、もし危なくなっても 俺が助けるから」
「はい、優」
「これが命を守ってくれる武器だよ」
(ナイフを渡す)
そう言って俺は優にさっきまで研いでいたナイフを渡した
優
「これで…人を……」
九斗
「使い方は、早く深く」
「急所は難しいからあんまり狙わなくてもいい」
「大振りは絶対ダメ、隙がありすぎてカウンターを食らう」
「コンパクトに速く深く斬って刺す」
「口でやっても分からんだろうし、実際にやろうぜ」
優
「ダ、ダメだよ…」
「九斗が怪我する」
九斗
「へぇ〜?そんなに自信があるんですな〜?」
「ほな、外で練習するぞ」
随分と舐められたもんだ、素人のナイフが俺に当たる可能性は0に近しい
九斗
「それじゃ、優」
「どっからでも斬りかかって来ていいぞ」
俺達は誰も使っていない廃墟ビルで訓練する事にした
東京だと何かと人目について通報されるかもしれない
だから誰も来なさそうな廃墟ビルを選んだのだ
優
「もうどうなっても知らんわ…!」
九斗
「家から出る前に言っただろ、大振りはダメって〜」
優
「で、でも、九斗に当たるかもだし」
九斗
「あのさ〜、素人のナイフが俺に当たるわけ無いんだよ」
「本気で来い、じゃないと本当に死ぬぞ?」
そう言って、優へと間合いを詰める
優
「ちょ、危な…」
(九斗が優を蹴る)
「グフッ」
「…おい、マジかよ」
「本当に蹴るとかどういう神経してるんだよ!」
九斗
「男同士の戦いだから問題ナッシング☆」
[キラーン]
優
「…[キラーン]じゃねぇんだよッ!」
「俺を怒らせたな!?」
「もう容赦しないからなぁぁ!」
九斗
やっと本気になったか
優は俺との間合いを走って詰めて来た
「ほれほれほれぇい、全然当たってないぞ」
優
「なんで当たんねぇんだよ…ッチ」
九斗
「もっと相手の動きを見ろ、観察しろ」
「更に相手の癖や動きを全て予測しろ」
優
「そんなこと言ったって…俺は初心者だから無理だよ」
(九斗が優の武器を落とす)
「うわッ」
「…武器落とすのはセコいって」
九斗
「さっきも言っただろ、大振りはダメって」
俺は優が振りかざしたナイフを避け、チョップでナイフを落とした
「今からお手本を見せるから見てて」
そう言ってポケットからゴム製のナイフを出す
「本気で来て」
「…いや、殺す気で」
優
「…死んでも文句言うなよ」
九斗
「また脇空いてる、しっかり脇締めて」
「もっとコンパクトに、こんな感じで」
優
「ちょちょちょ!来んな! 」
「ってか熱!?」
九斗
「こーら、慌てないで俺の動きをちゃんと見ろ」
「それにこれゴム製だから大丈夫だよ」
「もう1回行くぞ」
優
…相手の動きをちゃんと見ないと
それで動きを予測する、ナイフはコンパクトに脇を締める
「…できた、全部避けれた」
九斗
「はい、今日はここまで」
「凄いな、こんな早く出来るとは思わなかった」
優
「ねぇねぇ、見た?」
「今のイケてたくない?全部避けたよ?」
九斗
「こらっ!慢心してはいけまてん!」
「まだまだ序の口だからな?これからだから」
「家に戻ってから、ナイフの斬り方と刺し方、
防御の仕方を教えるから」
優
「え〜だる…」
九斗
「文句言わないの」
「生きる為に身につけないと後々面倒だよ」
「後9日しかないから」
優
「は〜い…」
優
「なんか改めて九斗の凄さがわかった」
「だって全然本気じゃなかっただろ?」
九斗
「本気でやってたら、1秒で首チョンパだよ?」
優
「それは嘘だろ」
九斗
「いやいや、それくらいじゃないとあの世界では生き残れないぞ」
裏切りなんてされた事もあるし、した事もある
卑怯な手なんて使わないとやってられない
だが、どんな卑怯な手を使っても最終的には生きているやつが勝ちだ
「向こうの優は何やってるかなぁ」
優
「俺と九斗ってどれくらい一緒にいたの?」
九斗
「う〜ん、能力地震が起きて数日くらいかなぁ」
「いきなり日本刀で襲われた時はマジで肝が冷えた」
「ははははは☆」
「…本当に懐かしいな」
「ごめんな、優…先に死んで」
優
「え?今生きてるじゃん」
九斗
「うん、そうだな」
あっちの…俺が居た世界の優は、復讐に走ったと思う
何年も一緒にいたからわかる
本当にごめんな…約束守れなくて
「5年くらいは一緒にいたなぁ」
優
「結構長いな、それってほぼ家族じゃん」
九斗
「同一人物だからか、同じこと言うな」
優
「もっと俺に色々な事教えてくれよ」
「そしたら、俺も九斗みたいに強くなれるかな」
九斗
「それは厳しいと思うぞ?」
優
「え…。」
???
「は?知らねぇ男が来たから攫えなかった?」
「だったらそいつごと攫えや、ッチ」
「テメェらそんなことも出来へんのか?」
「…まぁいい、20人や」
「どうせ格闘技かなんかを少しかじってる程度やろ」
「大人の力を思い知らせろ、念の為チャカも持ってけ」
「ええな?くれぐれもマル暴には見つかんなや?」
「次失敗してみぃや?首はないと思え」
「ガキに腰巻いて逃げた腰抜け共が」
「これだから半グレは嫌なんや」
「ッチ、ホンマにつっかえねぇな。」
【次回へ続く】
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