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#高校生
第45話 「夏の壁」
夏の福岡大会 準々決勝。
柳城高校 ― 西戸崎学園。
ベスト8。
甲子園まで、あと三勝。
だが。
ここから先は、全部強い。
西戸崎学園は今年のダークホースだった。
機動力。
粘り。
そして徹底した守備。
派手さはない。
だが崩れない。
試合前。
福間監督は選手たちへ言う。
「我慢比べになるぞ」
その通りの試合になった。
初回。
柳城は二死二塁のチャンスを作る。
だが一本が出ない。
無得点。
西戸崎学園も塁を出す。
しかし史陽を中心に守り切る。
試合は0対0のまま進む。
三回。
塁が初めて崩れる。
四球。
送りバント。
ヒット。
一死一、三塁。
球場がざわつく。
打席は四番。
初球。
スクイズ。
意表を突かれた。
だが。
塁が飛び出す。
捕球。
ホームへ。
アウト。
ベンチが沸く。
続く打者も抑える。
無失点。
五回終了。
0対0。
完全な投手戦だった。
舞はベンチでスコアを書きながら呟く。
「一点勝負やね……」
六回。
柳城チャンス。
史陽が内野安打で出塁。
送りバント成功。
二死二塁。
打席は主将・柴田。
フルカウント。
投球。
打った。
センター前。
史陽が三塁を蹴る。
ホームへ。
送球。
クロスプレー。
セーフ。
柳城先制。
1対0。
アルプススタンドが揺れる。
だが七回。
西戸崎学園が反撃。
連打。
一死満塁。
絶体絶命。
福間監督がベンチ前へ出る。
しかし動かない。
塁を信じた。
次打者。
高い打球。
センター方向。
犠牲フライには十分。
誰もが思った。
だがセンターが好返球。
ホーム。
アウト。
同点阻止。
球場がどよめく。
塁は帽子を深く被る。
八回。
柳城追加点。
スクイズ成功。
2対0。
柳城らしい野球だった。
九回裏。
最後の守り。
二死一、二塁。
一打同点。
塁は汗だくになりながら投げる。
最後の打者。
ストレート。
詰まった。
ショートゴロ。
史陽が前へ出る。
捕る。
一塁送球。
アウト。
ゲームセット。
柳城高校 2―0 西戸崎学園。
ベスト4進出。
整列後。
塁はその場へ座り込んだ。
限界だった。
史陽が無言で手を差し出す。
塁は笑う。
「疲れた……」
史陽も少し笑った。
福間監督は二人を見る。
一年生。
だが、もう柳城の中心だった。
そして次。
準決勝。
相手は、福岡最大のライバル。
九州第一高校。
去年、柳城が倒した相手だった。
第45話 終
コメント
3件
ええええ第45話読み終わったよ〜〜!!🥺🔥🔥 0対0の投手戦から、史陽の内野安打→柴田主将のタイムリーで先制!そのあとスクイズで2点目って、マジで柳城らしい泥臭くて美しい野球すぎる😭💕 特に7回裏の満塁ピンチ、みんな犠牲フライ覚悟した場面でセンターの好返球でアウト…!「誰もが思った」の一文がめっちゃ効いてて痺れた…。塁を信じた福間監督もカッコよすぎ。 最後に塁が座り込んで、史陽が手を差し出すシーン、一年生コンビの信頼関係が滲み出ててほんと尊い…✨次の九州第一戦、倒した相手との再戦とか緊張しすぎる!続き待ってるね〜!!🌸