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🩷おつかれー! みんな、気をつけて帰れよー!
ライブ後の熱気がまだ残る楽屋。
メンバーが一人、また一人と帰り支度を終えて出ていく。
💛ふっか、まだかかんの?
💜んー、もうちょい。先出てていいよ
ソファに深く沈み込んだまま、深澤辰哉が気だるげに返事をする。その隣に、着替えを終えた岩本照がどかりと腰を下ろした。あっという間に、広い楽屋には二人だけ。しん、と静まり返った空間に、互いの呼吸だけが聞こえる。
💛…疲れたな
ぽつりと呟いた深澤の肩を、岩本が後ろからそっと抱き寄せた。
💛お疲れ、ふっか。今日も頑張ったな
💜…ひかるこそ
岩本の胸に心地よさそうに頭を預ける深澤。岩本はそんな深澤の髪を優しく撫でる。その指つきは、まるで宝物を扱うかのように丁寧だ。
💜なぁ、ひかる
💛ん?
💜…マッサージして
子供みたいにおねだりする深澤に、岩本は「しょーがねーな」と笑いながら、凝り固まった肩をゆっくりと揉みほぐし始めた。
💜んっ…きもちい…
💛ここ、ガチガチじゃん。無理すんなよ
💜してるつもりねーんだけどな…
だんだん体の力が抜けて、深澤はとろんとした目で岩本を見上げる。その潤んだ瞳に、岩本は吸い寄せられるように顔を近づけた。
唇が触れ合う、寸前。
ガチャッ!
🩷あ、スマホ忘れてた!って、うわっ!?
勢いよくドアを開けて入ってきたのは、向井康二。その後ろから佐久間大介と渡辺翔太もひょっこり顔を出す。
三人が見たのは、ソファで重なり合うようにして見つめ合う、超至近距離の岩本と深澤の姿だった。
「……。」
「……。」
🧡……え、俺ら、なんかすんごい邪魔した感じ…?
康二が恐る恐る尋ねる。佐久間は目をキラキラさせながら、「見た!?今の見た!?」と渡辺の腕をバンバン叩いてる。
当の本人たちは、一瞬固まった後、深澤が顔を真っ赤にして岩本を突き放した。
💜ち、ちげーよ!これは、あの、マッサージ!
💙あー、はいはい、マッサージねぇ?
ニヤニヤが止まらない渡辺が、面白そうに言う。
一方の岩本はというと、動じることなく堂々としたものだ。
突き放された腕で、もう一度深澤の肩をぐいっと引き寄せる。
💛わりぃ、今の見なかったことにしてくんね?
🧡いや無理やろ!脳裏に焼き付いたわ!
🩷ひーくん、男前すぎる!ふっかさん、顔真っ赤だよ!
康二と佐久間にやいやい騒がれ、深澤は「もうお前ら、あっち行け!」と耳まで赤くして叫んだ。
その日の楽屋にメンバーの楽しそうな笑い声がいつまでも響いていたのは、言うまでもない。